112 一方その頃
「ちょっと待ってよ。今度はあたしの番!!」
「早い者勝ちです。今日も私が寝ます」
二人とも誰が俺と寝るかを争っていた。人気者は辛いな~。
「今日こそは暖かい布団で寝るの!!」
「私も寝たいんです!!」
……暖房器具としての人気だが。最近交互に布団に入っているのだが、それでもたまに順番が変わることがあるのだ。最近は先に寝る方と一緒に寝ている。それが原因だ。と言うか三人一緒に寝ればいいと思うのだが……ベッドが狭くなるからと言って寝たがらないのだ。正直俺はどうでも良いんだが……。
うるさい
寝る直前になって騒がないで欲しいものだ。
「なあ」
「「何よ?(ですか)」」
「お前ら一緒に寝れないの?」
「「ベッドが狭いのよ(です)」」
「なら二人のベッドを繋げたら?」
エリカとリリアナはハトが豆鉄砲食らったみたいな顔をした。
「「それです!!」」
二人仲良く声をそろえて、叫ぶとベッドを移動し始める。
これぐらい気づけよ全く。
「グギャオオオオオオオオオオオオオオ!!」
この世の物とは思えない生命に執着する声があたりに響いた。そしてその声をかき消すかのような声がその場で発せられた。
「もうひと押しだ!!踏ん張れーー!!」
「「「「オオオオオオ!!」」」」
そこには真っ黒いドラゴンとその足元に多くの同じデザインの鎧に包まれた人間で溢れていた。真っ黒いドラゴンの翼はすでにズタボロで穴が開いており、空を飛ぶことはすでに不可能だ。鱗は所々剥げ焦げたり、凍っていたりしてて見るも無残な姿になっていた。
人間側もそれに負けず劣らずの損害を受けていた。ドラゴンの足元には潰れた金属と真っ赤に染まった地面。そして今竜と戦っている者は立っていることがやっとの奴らもいた。後方にはドラゴンによって片腕を失った者や体が半分近く焼けただれている者、すぐに戦闘復帰できない者が集められて治療されていた。
だがその中でも比較的軽症で戦う力に満ち溢れている者が六人いた。
一人目は青年で勇者クラフトと呼ばれている。彼は炎と氷の魔法を交互に使う事で、ドラゴンの鱗をボロボロしていき、雷魔法で竜ドラゴンの動きを阻害し、木魔法で土壁を作り騎士たちの被害を最小限にしていた。
二人目は勇者クラフトと同年代の女性でクリス・ミーンと呼ばれている。彼女は風魔法で勇者の言葉を運び騎士たちに伝え、水魔法でドラゴンのブレスの威力を押さえ、回復魔法を全体に使い、効果範囲にいる者を癒している。
三人目も勇者クラフトと同年代の女性で治療巫女のアクア・トレントと呼ばれている。彼女は勇者のそばに付き勇者専属の回復役になっている。
四人目も女性で教会から派遣された巫女でアリストラ・グラウンと呼ばれている。彼女はユニーク魔法の使い手でサポートと言う魔法と使って勇者パーティーの能力底上げをしている。
五人目は壮年の男性で元貴族に仕えていた用心棒で今は勇者に仕えていてナックと呼ばれている。彼はドラゴンと戦う最前線で槍を振るって攻撃している。彼は元々強かったが、勇者と共に旅をしたことで一騎当千とまで言われる程の強さを手に入れていた。
六人目は元盗賊の青年で彼は瀕死の状態を勇者に見つけられ助けら、彼はサムイ呼ばれている。彼は遠距離から勇者お手製のクロスボウを使い、勇者がボロボロにした鱗に狙いを付けて矢を飛ばしている。
「僕がドラゴンの足元を崩してドラゴンを倒す、ドラゴンから離れるように伝えてくれ」
「分かりました、……風よ、私の声を届けたまえ。今から勇者がドラゴンを倒します、ドラゴンから離れて下さい」
するとドラゴンの足元からナックの声がする。
「全員聞こえたな?全員ドラゴンから離れろ!!」
クモの子を散らすようにドラゴンの足元から離れる、なんせドラゴンが倒れると言うんだ。そのままいたらドラゴンに潰されてしまうからだろう。ドラゴンの周りから人がいなくなると、クラフトは待ってましたとばかり、魔法使った。
「大地よ、持ち上がれ!!」
木魔法で尻尾が乗っている地面が隆起して、竜はバランスを崩し前のめりに倒れる。
「倒れたぞーー!!全員突撃ーー!!」
倒れたドラゴンに対して全員が総攻撃を仕掛けた。
そして十五分後ドラゴンは絶命した。
今回は現在の勇者パーティーの紹介とドラゴンの戦闘を一部出してみました。




