↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/24

第6話 見えない怪物

巨大な八脚生物は、俺の十倍以上あった。


反響探知で輪郭を取る。


低い胴体。

鋏のような前肢。

背中に厚い殻。


そして内部に、複数の魔力反応。


一個じゃない。


器官ごとに役割が違う。


《宝箱じゃん》


気づかれた。


前肢が振り下ろされる。


噴射。


横へ飛ぶ。


地面が砕けた。


今までの敵とは威力が違う。


魔力弾を撃つ。


弾かれた。


外殻が硬すぎる。


二発。

三発。


効かない。


相手の脚が横薙ぎに来る。


避けきれず、二本の脚を失った。


【構造損失:18%】


《強い》


逃げるべきだ。


そう判断できる程度には理性がある。


俺は後方噴射で距離を取った。


八脚生物が追う。


速い。


狭い裂け目へ逃げ込む。


相手は入口で止まる。


入れない。


助かった。


だが俺はその場を離れなかった。


壁越しに振動を拾う。


相手が歩く。


止まる。


地面へ腹をつける。


次の瞬間。


土の中を何かが走った。


衝撃波。


裂け目全体が揺れる。


俺の身体が壁へ叩きつけられた。


《遠距離もあるのかよ》


欲しい。


でも今は勝てない。


その事実を認める。


俺はさらに奥へ逃げた。


負けた。


能力も取れなかった。


だが一つだけ収穫がある。


格上がいる。


そして、俺の今の身体では通らない防御がある。


《次は、殻を抜ける攻撃が要る》







八脚生物に負けたあと、俺は攻撃方法を見直した。


魔力弾は便利だが威力が足りない。単純に魔力を増やせば、発射管が壊れる。


なら壊れる前提で使えばいい。


一本の枝を今までより太く作り、内部へ何本もの分流経路を通す。根元に魔力嚢。先端は極端に細くする。


魔力を溜める。圧縮。さらに圧縮。

枝が膨らみ、限界直前で放つ。


岩に穴が開いた。

同時に発射用の枝は裂ける。


【高圧魔力射出成功】


《一発使い捨て砲》


悪くない。

自己補修と増殖がある俺なら、使い捨ての欠点を軽減できる。


分流。魔力嚢。噴射。増殖。

単独では地味な能力でも、全部つなげると岩を抜く。


何度も試射し、太さ、長さ、圧縮時間を最適化する。

撃つたびに枝が破裂するなら、発射管を複数作ればいい。


左右に二本。さらに一本。

三連装。


身体の形がまた変わった。

中央に暫定魔核。四本脚。後方噴射管。そして前方へ三本の長い魔力砲管。


生物というより兵器に近い。


《まあ、人外だしな》


次に八脚生物へ会ったら、殻を撃ち抜く。


そう思った時、地上側から聞いたことのない振動が複数近づいてきた。


二足歩行。一定間隔。金属音のような硬い振動。

一体ではない。三体。


そして、明らかに魔物とは違う魔力の動き。


俺は初めて、人間かもしれない存在を感じた。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。


続きが気になった方は、ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。