第65話 『古代族の過去』
「単刀直入に聞くぞ。なんでハヤトがこの世界にいるんだ?」
日本語だ。
なんか、久しぶりな気がする。
異世界の言葉を話してきたから、少し、日本語の発音が難しい。
現在、俺は椅子に座っていて、前にはハヤトが座っている。
そんなハヤトは驚いた顔をしていた。
ハヤトとは、俺が異世界に来る日に一緒にお酒を飲んでいた、筋肉ばかだ。
「なんでって、、、それを聞きたいのは俺の方だよ。
俺はあの日、事故にあった日にトラックに撥ねられたと思ったら、この世界にいたんだ。
てか、お前、、、覚えてないのか?」
はて、なんのことだろうか。
事故にあった?
それは俺の話だ。
異世界に来る前の事故にあった日は、ハヤトとは店を出て、解散したはずだ。
ハヤトは事故にはあっていないはずだ。
「どういうことだよ。お前も事故にあったのかよ?」
そう言うと、ハヤトは呆れたような顔をした。
「お前、、、何も覚えてないのかよ。
あの日、お前が事故に遭いそうになった瞬間に、俺はお前を助けようとして、飛び込んだんだぞ」
あ、、、、
言われてみればそうだった気がする。
トラックに轢かれる寸前に誰かに『危ねぇぞ!』って言われたような気がする。
それがハヤトだったとは。
「と言うことは、ハヤトをこの世界に来させてしまった原因は俺のせいだったのか?」
「そんなふうには言ってないさ。俺自身、ラノベとか異世界系のアニメをよく見ていたからちょっと興奮してんだぜ。ここにきて、はや10年。この島からは出れてないけど、異世界というものを経験したよ。」
「え?10年!?」
どう言うことだ?
はや10年って、、、、
俺はまだ、この世界に来て約2年ほどだ。
明らかに、違いすぎないか?
「俺はまだ、この世界に来てから2年ほどしか経っていないぞ?」
「なに?俺とお前に何か違いがあったのだろうか」
俺らは何かを考え込むように下を向いた。
そして、答えがでなかった。
わからん。わからないものはわからない。
うん。仕方ないよね。
「まぁ、そんなことは後にしようか。
なぁ、アキト。お前はこの世界に来てどんな感じに生きてきたんだ?」
そうだな。俺もハヤトの今までのことも気になるしな。
そういう話の方が盛り上がるだろう。
「聞いてくれよ。俺、大変だったんだぜ?
まず、この世界に来たら、あたり一帯全てが砂漠だったんだ。
でも、近くに銀髪で金色の目の男がいてよ。その人に助けを求めたんだ。
だけど、助けを求めようにも言葉が通じねぇんだ。俺は困ったぜ。そんな、言葉が通じなかったら助けを求められないからな。それで、身振り手振りを使って・・・・・・」
「ちょっと待て。銀髪で金色の目の男って言ったか?お前、もしかして、その人は古代族なんじゃないのか?」
俺が話をしているとハヤトが急に話を止めた。
どうやら、俺が古代族に助けを求めたと言うのが驚きだったのだろうか。
確かに、古代族はこの世界で最もすくない種族だからな。
「そうだけど、、、何かダメだったのか?」
「ダメではない。しかし、古代族は昔、他の全ての種族に忌み嫌われる存在だったって知ってるか?」
「え?」
衝撃の新事実だ。
なんてこった。
昔、嫌われていた?
「なんで嫌われていたんだよ。
俺を助けてくれた古代族はものすごくいい人なんだぜ?」
そうだ、ステークストさんを一緒にするな。
ステークストはものすごくいい人だ。
もし、古代族が嫌われていたのなら、同じくくりとして見て欲しくない。
「いや、その人がいい人なのはわかった。でも、古代族は昔、古代族以外の種族との戦争をした。」
「は?そんな、嘘だろ」
戦争、、、
そんな、馬鹿な。
ステークストさんは種族同士の争いはほとんどないと言っていた。
そんなに大きな戦争があったのならそんな言い方はしないだろう。
「その戦争に参加したくない人が集まり、この和泉国ができた。だから、この国は鎖国をしている。」
なるほどな。
この国の人は平和主義者が作った国ということか。
「なるほどな、、、、
その戦争が起きたのはいつのことだ?」
「約2万年ほど前だ。この国の伝承にそう書いてある。きっと事実だろう」
そういうことか。
なぜ古代族は他種族と戦争をしたのかはわからないが。
そういうことなら、この国が鎖国しているのも理解できる。
「すまなかった。話の腰を折ってしまったな。話してくれ。」
ハヤトは慌てるようにそういった。
「ああ。そうだな。
その古代族に救ってもらってな・・・・」
俺はハヤトに今までのことを話した。
今思えば、結構楽しかった異世界生活だったな。
だが、まだこれからだ。
これから、まだ面白くなっていくのだろうから。
「アキト、、、そうだったか。
大変だったな。俺はな、この異世界に来てな・・・」
その後、ハヤトの今までのことを話した。




