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第64話 『2人目の転移者』

 俺らは場内へと入った。

 この城の中は実に興味深い。

 階段が急になっており、登りづらくなっている。


 昔の日本の城もこういう階段もたくさんあった。

 犬山城とか、そんな感じだ。

 なんか、小さいころ見た城を思い出すな。

 ここは日本に似ているから、なんか、日本を思い出してしまうな。


 ああ、日本食が恋しいなぁ。

 白米に味噌汁、それと焼き魚があったら完璧だ。


 そんなことは置いておいて、これから帝と対面だ。

 帝というのは、この国のトップだ。

 この人の一存によって俺らのこれからが決まってしまう。

 できるだけ、相手に合わせなければ。


「では、帝の会見の間まで案内する」


 老人が俺らを呼んだ。

 老人は俺らの前をてくてくと歩いた。


 こう見ていてもわかる。

 この人は相当つよい。

 後ろから見ても攻撃してもかわされたり、反撃されそうだ。

 隙がないとはこういうことなのだろう。


 俺らは会見の間の扉の前にきた。

 扉はまさに日本のような見た目だった。

 ロリ魔王の城は押して開けるタイプの扉だった。

 ここはスライド式だった。

 扉にも虎のような絵が描いてあり、実に日本っぽい。


「連れて参りました。和泉国に不法入国したものでございます。」


 おい!そんな言い方するなよ。

 そんな言い方をしたら、印象が悪くなるだろうに。

 まぁ、仕方のないことか。

 

 今度こそ、ロリ魔王のようにはならない。

 まぁ、ブルハを救ったからあんなことになってしまったからな。

 自業自得と言っても過言ではないが。


 老人はスライドドアを思いっきり開けた。

 城内にドアの開ける『パン!』という音が広がった。


 俺は目の前を見た。

 そこには何枚も服を羽織った男がいた。

 紫色を基調とした服をきており、いかにも身分の高い人間だとわかる。

 

 その男は肘置きに肘を置き頬をついている。

 ぱっと見、えらそうだ。


 そして、もう1人。

 身長は180センチほどのガッチリした体をして、頭にバンドルをつけている男がいた。

 髪色が黒っぽい。いや、あれは黒髪だな。

 見覚えがあるのはなぜだろうか。


 老人は帝を見た瞬間に両膝を突き、おでこを地面に近づけた。

 土下座だ。

 敬服みたいな感じの土下座だ。


 すごい、あの老人がこれまでの敬意を払っている。

 俺らも頭を下げたほうがいいのだろうか。

 郷に入ったら郷に従えっていうからな。


 そう思い、俺とブルハ、エレナは土下座をした。


 ブルハは黒髪になっている。

 本領発揮中と言うことか。


「こちら9名。他国から船で移動中に嵐にのまれ、船が沈み、ここまでやっとの思いでやってきたと自称する者でございます」

 

 まぁ、さっきよりかは言いか。

 こっちは難民なんだから、別に不法侵入しているつもりは一切ない。


「そうか。名を名乗れ。」


 帝は頬をついたまま、俺らに言ってきた。

 

「五十嵐アキトと申します。」


 俺はもう、フィフティ・ストームという名前を名乗っていない。

 どうせ、エレナが「アキトくん」と呼んでしまうと言うのもあるが、この異世界で生きていくと決めたのなら、本名をみんなに覚えてほしいからだ。


「なんだと、、、、五十嵐アキト、、、、あきとか!」


 俺が名前を名乗ると帝のそばにいた男が驚いた。

 日本語だった。

 なんだとという異世界の言葉はない。

 

 てか、なんで日本語、、、、

 ここは異世界だ。

 この世界に来てから、日本語を話したことも聞いたこともない。


「アキト、、、俺だ、、、俺だよ。」


 俺?俺?

 オレオレ詐欺ですかね?

 この和泉国で知り合いなんていないはずなんだけどな。

 

 男は目もとを隠すような仮面をしているため、顔がわからない。


「俺だよ、はやとだよ!本田はやと!!」


 本田はやと、、、

 俺の脳裏に1人の人間が思い浮かんでくる。

 元の日本、前世で一緒に連んでいた友達だ。

 ちょうど、俺が事故にあった日に一緒に朝まで飲んでいた友達だ。


「なんで、、、お前が、、、、

 なんで、この世界にいるんだよ」


 俺はハヤトに質問をした。

 俺は死んだから、この世界にいる。

 しかし、あいつは死んでいな、、、

 いや、死んだのだろうか。死んだから、この世界に来たのだろうか。


「なんだ?お前らは知り合いなのか?」

 

 帝がハヤトにそう質問をした。

 あまり興味はなさそうな感じだが。


「はい。こいつなら大丈夫です。信頼できます」


 ハヤトは帝を見て、涙目になりながらそういった。


「そうか」


 そう言って、帝は俺らを見た。


「朕(ちん)が命じよう。

 帝を名の下に、この者たちを保護する。相応の対応をしろ」

「承知しました」


 帝が話し、老人が頭をさらに下げた。

 これで、俺らの身の潔白を証明できたのか。

 案外、サクッと進んだな。不安になるくらいに。


 その後、俺は会見の間からでて、俺とハヤトで話す時間を設けてもらった。

 なぜ、ハヤトもこの世界にいるのだろうか。

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