第61話 『ノースポート』
現在、ノースポートという船乗り場の街に来ている。
この街は海に面している。
そのため、魚が多く取れる。
ここでは魚の市場があったり、新鮮な魚の刺身などを出してくれる飲食店が並んでいる。
デザーム大陸では保存されて塩漬けにされたものなどしかなかった。
しかし、ここは新鮮な魚などが売られている。
ぜひ、食べてみたい。
でも、異世界の魚って元の世界とあんまり変わらないな。
元から、魚って気持ちが悪いような見た目をしていたかかな。
いろんな見た目の魚がいる。
さて、ここまで約1年ほどかかってしまった。
キャリデナでラクガンと別れてから俺、エレナ、ブルハの3人でデザーム大陸を旅してきた。
ラクガンがいなくて、辛かった。
ブルハは戦いに参戦できないし、俺も相手が一体だった時くらいしか、使い物にならない。
まともに戦えるのがエレナだけだ。
まぁ、エレナだけでも全然いけるんだけどね。
ブルハはいい子だ。
なぜ、盗みをいたのか不思議なくらいに。
頭はキレてるし、俺らへと気配りもできている。
まぁ、頭がキレてるのも気配りができるのは黒髪の時だけだがな。
紅色の髪の時は一緒にいて嫌じゃない程度だ。
「さて、エレナとブルハ。
これからの計画を計画を立てよう」
今、この街の冒険者ギルドに来ている。
冒険者ギルドの1つのテーブルに座って、向かい合っている。
「そうだね。これからどうする?いつ船に乗っていく?
多分だけど、船で移動しても1週間くらいかかるよ」
そう、大陸と大陸の間は結構離れている。
船で移動すれば、1週間ほどかかってしまう。
これは仕方がない。
「明日には船に乗って行こうと思う。早く、戻らなきゃだから。
せっかくお金があるのだから、できる限り、安全に移動できる船にしよう。」
「そうだね。それがいいと思う。」
俺はふとブルハの方を見た。
「ブルハはこれからも俺らと一緒に来るか?」
「そうするよ。どうせ、俺だけでは生きていけないからな」
なんか、含みのあるトーンだな。
どんな意図があるのだろうか。
まぁ、そんなことは置いといて、ブルハは俺らについてくるのか。
よしよし。こいつがいた方がいいからな。
俺らの中だったら1番の知識者だ。
「よしわかった。
ということでさっき見てきた。一律で1人金貨15枚だそう。」
「1人15万!?でも、高い船だからね、、、
そのくらい出す余裕はあるけど、、、」
そう、俺らには結構な財力がある。
金貨45枚なんて簡単に出せるくらいに。
「仕方ないな。
じゃあ、その船で行こうか。」
ということで、金貨45枚出して、船に乗ってアース大陸を目指す。
ーーー
「さぁ!乗る人は乗った!乗った!」
船の上で上半身裸のムキムキな男が叫んでいた。
「じゃあ、行きますか、、、」
俺ら3人は船に乗った。
「これから1週間船の上でのんびりしようか。」
「そうだね」
この船に乗っているのは俺らを含めて20人ほど。
どれもが貴族のような格好をしているのを見ると、相当なお金を持っているのがわかる。
少し小太りな男が多い気がする。
気のせいなのだろうか。
全員、護衛っぽい人間がついている。
金を持っているに違いない。
てか、冒険者みたいな格好をしているのは俺らくらいだ。
そのため、ジロジロ見られている。
なんで、こいつ乗ってんだ?みたいな感じに。
まぁ、周りは気にしないようにしよう。
そのほうが気分が楽だしな。
「おい!そこは私の席だ。どこから離れろ!」
急にちょび髭を生やした小太りのおじさんが叫んだ。
相当いい服を着ている。
相当な貴族だろう。
そんな貴族は自分の椅子に勝手に座られたかのような雰囲気だった。
しかし、よく見ると、この船に最初から置かれている椅子だった。
このおじさんのものではない。
それなのに自分のものだという。
なんとも勝手なことだ。
「うるさいぞ。この椅子は誰のものでもない。」
「いや!私がこの船に乗っている。
ということはこの船自体が私のものみたいなもんだ。違うか?」
違うに決まってんだろ。
あほか?
もしかして、アホなのか?
貴族同士の醜い争いだ。
なんで、こうも貴族というものは傲慢なのだろうか。
こういう異世界なのだからかもしれないが、イメージでは傲慢な奴が多い。
人を簡単に裏切り、自分のために臣下をも切り捨てる。
ごみみたいな人間たちだ。
こういうのは無視しよう。
ま、、、寝るか。
俺はそう思い船内へと入っていった。
ーーー
『ガタン』
唐突に船の前の方から大きな音が聞こえた。
船がもの動く揺れている。
さらに、外もうるさい。
俺はすぐさま体を起こし、外に出た。
外は嵐の中だった。
なんだこれは。
まさか、運悪く、嵐に会ってしまったのか。
「全員起きろ!今、この船が岩にぶつかった。
すぐに沈んじまう。すぐに救急ボートに乗れ!」
「なんだと!?この私が乗っているのにそんなヘマをしたというのか!」
ちょび髭の小太り貴族がそういった。
全く、子供か。
黙っていろよな。
上半身裸のムキムキな男がボートを船の外に出した。
「すまねぇ!だが、このボートに乗れば大丈夫だ。命だけは助かる。
その船ですぐデザーム大陸に戻る。」
「それならいい。
そこをどけ。私を乗せるのが最初だ」
小太り貴族は我先へと救急ボートに乗りこんだ。
しかし、どう見ても救急ボートに全員は乗れない。
「ブルハ、どうする?」
俺は近くにいたブルハに聞いた。
ブルハは今、黒髪へとなっている。
冷静だ。冷静にこの状況を飲み込んで、解決策を考えている。
「いい。この船で近くの島に行こう。
この船でも大丈夫だろう。
どうせ、あの救急ボートには乗れないからな。」
救急ボートにある程度の貴族たちが乗り込んだ。
全員が我先へとだ。
ほんとに嫌になる。
中には俺を邪魔者かのように押して乗り込んだ。
「すまねぇ。これ以上はのらねぇ。」
「おい!ふざけるな!私共を見捨てる気か!」
まだ、貴族みたいな連中が3組ほどいる。
乗れなかったことを怒っているみたいだ。
「で?ブルハどうするつもりだ?」
「まずはこの船を修復しましょう。
エレナさん、土魔術は使えますか?」
ブルハはさん付けをする。
さらに黒髪だと敬語を使ってくる。
だが、紅髪の時は俺のことだけ呼び捨てにしてくる。
絶対、俺のことを舐めてきている。
「土魔術で穴を塞ごう」
ということで、船を修復して、近くの島を目指します。




