第53話 『ロリ魔王の親衛隊』
どう言うことだろうか。
「なぜじゃ。なぜ、私の呪術が通用しない、、、」
何やら、俺には呪術が聞かなかったみたいだ。
でも、なんで効かなかったんだろうか。
俺の発動する呪術は特別だとしても、かからないわけではないと思っていた。
多分、ムーンの方が経験豊富で、技術も持っているはずだ。
ムーンの方が俺より等級が高いはずだ。
しかし、俺には呪術が効かない。
導き出される答えは一つ。
俺が転移者だからだ。
きっと、呪術というのは人の魂にかけるものなのだろう。
しかし、俺の魂は別の世界のものだ。
だから、効かないのだ。
「ムーンよ。お主は馬鹿か?
やつの呪術が我々にも一瞬だけかかったということはやつの方が等級は上であるということじゃろ?」
「そうか、、、」
ロリ魔王さん、違うんだな。
俺が特別だからだよ。
冷静に考えて、俺ってやばくね?
相手の呪術はまったく効かないのに、俺の呪術は100%効くんだ。
チートだ。俺って、実は最強だった!?
だって、転移者だもんな。
これくらいないとおかしいって話だよ。
「ムーンよ、落ち込むでない。等級など当てにならんからな。」
ロリ魔王がムーンをフォローする。
いい上司じゃないか。
あんな上司が俺にも欲しい。
「待たせたな。見苦しいとこを見せてしまった。
では、次じゃ!いけ、妾の親衛隊たちよ!」
『は!』
ロリ魔王の合図により親衛隊が俺らに向かって攻めてきた。
親衛隊は10人。
6人が剣士だ。
4人は魔術師だ。
剣士が剣を抜き、こっちに向かっている。
魔術師の1人が詠唱を始める。
今までの兵士はそんなに強くはない。
だが、わかる。
さっきの兵士とは比べものにならない。
圧が違う。
「いくよ。エレナ」
「うん!」
「『火銃』」
エレナが先ほど使った魔術を無詠唱で唱える。
無数の火の玉が親衛隊にむかって飛んでいく。
親衛隊の半分の剣士たちは避けるか、剣でいなしている。
一発たりともあたっていない。
あれは、水心流だ。
カウンターを得意とする流派だ。
また半数は避けるか、剣で火の玉を切っている。
剣線が見えない。
もちろん、一発たりともあたっていない。
撃心流だ。
攻めることしか考えない流派だ。
親衛隊の3人が撃心流。
また3人が水心流。
バランスが取れている。
きっと、4人の魔術師もそれぞれ火属性、水属性、土属性、風属性の基本4種の魔術を使うのだろう。
相手に合わせてレジストしようとする感じだろう。
とてもバランスが取れている。
いいチームだ。
こんなにもいいバランスを取るなんて賢いな。
「アキトくん。思っているよりもバランスが取れていると思う。
今後ろで唱えている魔術は2級水属性魔術だと思う。
そう考えると、全員が2級くらいの剣術と魔術を使うんだと思う。」
そんなに精鋭部隊なのか。
エレナは2級火属性魔術師で、
俺は2級呪術師だ。
俺らくらいの魔術師が4人。
さらに、前衛がはれるほどの剣士がいる。
戦力差は明らかだ。
しかし、こっちにはエレナがいる。
エレナは確かに2級火属性魔術師だが、
威力は2級レベルではない。
威力だけなら、きっと1級、、、いや、竜級までいっているだろう。
そのくらいの実力がある。
前にも言ったが、一つの球が上がるごとに10倍ほどレベルが上がる。
それほどまでに差があるのだ。
2級剣士が6人集まったとしても、
多分、1級撃心流剣士であるイザベルには勝てないのだ。
「ここで策を実行しましょう」
「わかった。」
そう、、、
俺らはこの親衛隊に負ける。
負けて捕まるのだ。
それが、ブルハの考えた策なのだ。
少年を信じるのは、まだ、不安なところがある。
だが、信じるしかないのだ。
そんなことを考えていると、剣士2人が俺の間合いに入っていた。
どちらも撃心流だ。
エレナの方には4人だ。
俺より、エレナの方が強いと思っているのか、、、
大正解だ。
しかし、よく考えたな。
もし、1人で来ていたら、俺の5級呪術によって、100%勝っていた。
しかし、今俺の前には2人。
負けます。
絶対に負けます。
その辺の剣士には剣士には1対1であれば、100%勝てる。
そのくらいの自信はある。
剣士は魔力が多くない。
そのため、俺の呪術に反発できない。
だから、勝てるのだ。
「2人ならば、呪術は使えまい!」
てか、あれ、この鎧、、、、
アインザックじゃないか?
「アインザック、、、さん?」
その名前を呼ぶと、2人の兵士が足を止めた。
「なんだ?アインザック。お前の知り合いなのか?」
「そうだ。
私は残念ですよ。善人だと思ったのに。
私は悪人を許しませんよ。
大人しく、捕まれ。さもなければ死ぬぞ?
できるだけ、人の血を見るのは好きではない。自首しろ」
そうだな。
渡りに船だ。
「すみません。俺が悪かったです。」
「そうか。来い」
そう言って、アインザックは踵を返した。
簡単に背中を見えてはいけないよ。
すきだらけだ。
まぁ、俺はそんなことはしないんだけどね。
しないこと自体が作戦なんだから。
そんな感じでいると、
ブルハはもちろん、エレナも負けていた。
否。
負けたふりをしていた。
「なんじゃ。こいつらに負けたのかのう。
まぁ、仕方ない。
人族では魔族には勝てまい。
人族と魔族の強さは別のところにあるのだからな。
あまり気にするでないぞ」
そう、ロリ魔王は俺らに言ってきた。
なんか、フォローしてくれているみたいだ。
すごい俺らを気に入ってくれているみたいだ。
きっと、余裕があるからだろう。
「では、妾は戻る。
親衛隊!アインザック!シュルト!2人で牢屋に連れて行け。
そのもの以外は元の定位置へともどれ」
『は!』
親衛隊、両翼、ロリ魔王はこの場から去る。
ロリ魔王とその両翼、親衛隊の数人が翼をはやした。
黒い翼だ。
かっこいい。
厨二心を刺激してくれる。
翼を持たない者たちは走った。
また、全員が兵士を数十人持っている。
この後治療するのだろう。
ごめんね。
俺らはアインザックとシュルトと呼ばれている親衛隊の1人についてさっき行った牢屋に行った。
というか、ブルハの策とは一体どういうものなのだろうか。




