第42話 『情報収集』
さて、犯人探しだ。
犯人を探すのに最も重要なことは何か。
それは、、、情報だ。
犯人がどんな人物かはもちろん、
犯罪が起きた日時や場所なども考慮して考えていかなければならない。
さらに、今回は窃盗だ。
「すみません。
犯人探しのために、情報が欲しいのですが、犯人と出会したと言う者と話はできませんか?」
「よかろう。
サン。呼んでまいれ」
「御意」
サンと呼ばれた、大男が俺らの左側を通り、扉を開けて、外に出た。
「貴様ら、今なら間に合うぞよ。
妾は寛大であるからな。すぐに許そうではないか」
「何度でも言いましょう。
俺らはやっていません」
ああ、真犯人を見つけなければ、俺らが犯人となってしまうのか。
なんてことだ。
俺の異世界転移物語もここで幕閉じか。
寂しいな。
命が惜しい。
いやいや、何悲観的になってるんだよ俺。
俺なら、真犯人をちゃんと見つけられるはずだ。
待ってろよ、真犯人。
俺らからの恨みをかいやがって。
「キャリデナ様。連れて参りました。」
扉の奥で、サンが大きな声で言った。
「よかろう。入れ」
サンが扉を押し開けた。
「さ、入れ。」
サンの後ろから、メイドと思わしき少女が入ってきた。
俺の考えるメイド服でない。
しかし、メイドなのだろうとすぐわかる。
「し、、、失礼します」
メイドはとてもあががっているらしく、ガチガチだ。
「よくきたな。
このものたちがお前に聞きたいことがあるそうだ。」
「は、、、はい」
「良いな?
では、サン、ムーン任せたぞ」
『御意』
ロリ魔王は従者2人に任せて、扉から出ていった。
まったく、どんな王様だ。
俺だったら、あんなアホみたいなやつの下に着こうとはおもはない。
何に惹かれたのだろうかね。
弱みでも握られているのだろうか。
「では、お嬢さん。質問をしてもいいでしょうか?」
「は、、、はい」
この子、まだ、緊張しているな。
「どんな人だったんですか?」
「は、、、はい。
黒髪、、、でした。」
黒髪と言って、メイドは俺の頭を見た。
なるほど、緊張じゃないのか。
この子は俺を怖がってるのだな。
黒髪だと思って、犯人だと思っているんだ。
体格見てないのか?
黒髪だからって俺を犯人扱いするのか。
理不尽じゃね?
「メイドさん。
メイドさんは俺が犯人だと思っているのですか?」
「え、、、そんなっ。
そんなこと思ってません」
あぁ、思ってるな。
この子、俺が犯人だと思っているな。
まったく、黒髪だからって!
「じゃあ、黒髪以外に、身なりについて覚えていることはありますか?」
「あの、羽織を身につけてました。
羽織は相当ボロボロになってました。」
「な、なるほど」
なるほど、、、ボロボロな羽織。
なおさら、俺ではない。
今着ているのは、茶色の異世界っぽい服だ。
羽織なんて持っていないしな。
俺じゃない。
「じゃあ、盗まれたお酒は、どんなお酒だったんですか?」
「はい。魔王様の大好きなまっ黒いお酒です。
確か名前は、、、『ルシアン』と言う名前だったはずです」
ルシアンか。
俺の知らないお酒の名前だな。
黒いお酒か、、、
どんな味なんだろうか。
「盗んだのは男で間違いないのですね?」
「はい。がたいがよかったので男だと思われます。
さらに、髪も短かったし。」
髪が短いから、がたいがいいから男だと言うのは軽率な気がする。
だって、髪の短い女性だっているし。
筋トレ女子というのもいる。
ゆえに、これだけで、徐瑩と断定するのは難しい。
「では、最後に、どこで盗まれ、どのような現場を目撃したのか。教えてください」
「はい。場所は、、、。
あの、サン様ムーン様。このものたちを、宝物庫に案内してもいいでしょうか?」
サンとムーンはお互いの顔を見合って、頷き合った。
「ああ。俺らがついていくというのであれば構わん。」
「お心遣い感謝いたします」
「では、みなさん。
こちらに来てもらえますか?」
「はい」
俺らは、メイドの案内のもと事故現場へと向かった。
ーーー
メイドの案内で着いた宝物庫は地下だった。
メイドは宝物庫の番人に鍵を開けてもらった。
「私は、この中で見ました。」
ん?おかしいな。
宝物庫には番人がいる。
そう簡単には中には入れないはずだ。
たとえ、メイドでも無理なものは無理だ。
「メイドさんはどうやって、ここを開けたんですか?」
「いえ。お酒が盗まれた日、私はこの宝物子に通じる階段の掃除をしておりました。
すると、いきなり、下の方から白い煙が上がってきたのです。
そして、私はこの煙の原因が気になり、下までおりました。
下に降りる途中に、私の横をつっきていく者がいました。
それが犯人です。
そして、煙の中でもわかる、黒髪でした。」
なるほど。
今ので、この人のアリバイが証明されたのか?
否。
されてなどいない。
この人が嘘をついている可能性だってあるのだ。
「それで?その後、どうなってたの?」
エレナがメイドに質問をした。
「それが、この宝物この番人2人がどちらとも、倒れていました。
さらに、宝物庫の扉が開けられており、中にあったはずのお酒がなくなっていたのです」
「なるほど。」
まだ、よくわからないところもある。
だが、できる限り得られそうな情報は手に入った。
こんな、城の中だけでは情報に欠けてしまう。
次は外の世界だ。




