第40話 『魔王城に入城』
「すみません。なぜ、俺らが魔王様に呼ばれているのかわからないのですが」
そういうと、兵士は、あやしそうな目を俺らに向けて来た。
否。
俺らと言うよりも、俺にだ。
2人の兵はずっと俺を睨んでいる。
なんだよ?
俺になんか変なものでも着いているように見えるか?
そんな、小さな子供みたいに、頬に米粒なんてついていないぞ。
「先月、魔王様の大事にされていた酒が何者かに盗まれた。」
「え?」
先月、、、?
いや、先月はカルコネアにいた。
まだ、こっちに来てから数週間程度だ。
先月も何も、そもそも、俺はキャリデナにいなかったはずだ。
「俺らは、先日この国に来たばかりです」
「そんな見え透いた嘘をつくとはな。
いいから、ついて来い」
話が通じる相手ではなさそうだ。
さて、どうしようか。
ついていくか、、、
ついていかなければ、一生ついて来られるだろうし、
ついていけば、魔王とやらに罰を受けるのだろう。
最悪の場合、死だ。
ついて行くか、ついていかないか。
どっちでもデメリットしかない。
この場合、どうするべきか。
てか、エレナとラクガンはどう考えているのだろうか。
そう思い、エレナとラクガンを見る。
エレナは、、、
少し、険しいような、考え込むような顔をしている。
さすがはエレナだ。
冷静沈着と言うヤツだろう。
対して、ラクガンは、、、
不機嫌そうだ。
今すぐにでも、この2人の兵を蹴ってしまいそうだ。
ラクガンは体がデカいから、すでに2人の兵はラクガンの間合いに入っている。
「断ったら、どうなる?」
ラクガンが、不機嫌な顔で不機嫌な声で2人の兵に聞いた。
「断ったら?何馬鹿なことを考えているのだ?
魔王様の命令は絶対だ。
断るなどあり得ない。
断れば、さらに重い刑に処されることだろう」
「なに?」
ラクガンから、さっきが漏れ出す。
右手はもう、戦斧にかかっている。
やる気だ。
おっと、、、
ラクガンさん、ストップ!
そんなことしたら、もっと酷いことになるって!
「ラクガンさん!」
「あぁあ、すまぬ」
ラクガンは、戦斧から手を離した。
「すみません。エレナ、ラクガンさん。
どうするべきだと思います?」
「我はさっきの行動の通りだ。」
ラクガンはそうだった。
もう行動に見せてくれた。
じゃあ、エレナの返答が気になる。
「エレナは、、、?」
「僕はね、ついて行くべきだと思う」
「なに!?」
エレナがついて行くと言って、ラクガンがさらに不機嫌になる。
「おい。エルフ。何を考えているのだ?
本当にそれが最善の策だと思うのか?」
ラクガンの矛先がエレナに向いた。
もう、そんなことをするべき時じゃないのに。
面倒をかけやがって、、、
「ラクガンさん。落ち着いてください。
俺も、エレナに賛成です。」
「なに?お前は、我より、エルフを取るのか?」
「いえ、そう言うことではありません。
僕も、ついて行くべきだと本気で思っているからです」
ラクガンは不思議そうな顔をした。
「なぜだ?」
「ついていけば、身の潔白を証明できるチャンスが生まれます。
しかし、ついていかなければ、自分が犯人であると言っているようなものなので」
「お前は何もしてないのにか?」
「そう言うものです」
ラクガンはよくわかっていなさそうだ。
ずっと、不機嫌そうな顔をしている。
「そうか、どうなっても知らんぞ」
「俺が責任を取りましょう」
「ふん」
俺らの答えは決まった。
ついて行くことだ。
「ついていきましょう。案内をお願いします」
「こっちだ。」
2人の兵はさも当然のような顔をし、俺らを案内した。
ーーー
現在、魔王の城。略して魔王城にいる。
この国に来た時に見た、黒塗りの城だ。
てか、まったく、この城に来るために、10時間くらいかかった。
途中で、邪魔になるから、依頼で取りにいった薬草をその辺に捨てて。
今のところ、不利益しかない。
どう責任を取ってもらいましょうかね。
魔王が話の通じる相手であればいいのだが、、、
「ここだ」
俺らの案内された前には大きな真っ黒な扉がある。
この先に、魔王がいるのだ。
「ゴクリ。」
俺は、この先がどうなるかの不安や、緊張によって、唾を飲み込んだ。
「じゃあ、エレナ、ラクガンさんいきましょう。」
俺は大きな扉を力いっぱい押して、開いた。
扉の奥は椅子が一つ置いてあった。
椅子の周りには2人の魔族がいた。
あの中のどちらかが魔王なのだろうか。
でも、魔王は女性だと言ってたよな?
あそこにいる2人は男だと思う。
上半身裸の肌が紫色の大男。
ラクガンほどはないが、2メートルはあるだろう。
そして、フードをかぶっていり、目が赤く、シワだらけの顔のご老人。
杖を持っているところを見ると、魔術師だろう。
さて、シワだらけのご老人はおばあちゃんにと言われれば、納得できないわけではないが、、、
魔王はどこだろうか、、、
「よく来たな、、、」
ご老人が俺らに話しかけてきた。
「兵に呼び止められたもので、、、」
「ふん。お前らの処罰は魔王様が決めるだろう」
今度は2メートルの上裸男が喋った。
「どちらかが、魔王様なのですか?」
「いや、我らは魔王に使える従者である」
ご老人が続けて話す。
「もうすぐ、魔王様はいらっしゃる。」
「は、、、はい」
そのまま、30分ほど経った。
いや、遅い!
何してるんだか。
魔王様は女の子だから、支度に時間がかかるのですか?
『ドン』
ご老人が赤い目を開く。
「魔王様がいらした。」
後ろの扉に目を向ける。
『ドン』
思いっきり、扉が開けられた。
「よく、ノコノコときたな〜。
妾の前にひれ伏せい」
「え、、、?」
俺は、魔王の見た目に驚いた。




