第23話 『ラトネアに到着?』
「ついたぞ」
「え?」
ここは、、、、
俺の知るラトネアじゃない。
「ここはラトネアじゃないですよね?」
「何を言っている?ここはラトネアだ」
ほえ?
ここは、、、ドコデスカ?
「あの、いまさらなんですが、ここはどこですか?」
「あ?ここはデザーム大陸ラトネアだ」
つーてっとなにかい?
ここはアース大陸のラトネアじゃなくて、
まったく同じ名前のデザーム大陸にあるラトネアという国なのか。
確かに、元の世界にもまったく同じ名前の地区名もあった。
似たようなものか。
「ここが、、、ラトネアなんですね」
「そうだ。さっ、行くぞ」
「あっ、はい」
思っていたラトネアではなかった。
しかし、人里に来ることができた。
俺はイザベル教育によって、魔人語は完璧に話すことができる。
誰かに道を教えてもらって、帰るしかないだろう。
ラクガンはここで、おさらばするだろうし。
この国でも検問がある。
検問に並んでいる人たちは見たこともないような見た目だ。
爬虫類のような人間や元の世界で宇宙人と言ったらあれ、とイメージできるようなグレイのような人間がいる。
これが魔族か。
人族と違って、いろんな見た目がいるのだな。
そんな、ことを考えているうちに俺のばんがきた。
検問を受ける時、また、検問官が不思議そうな顔をしていた。
俺は、どこにいても不思議がられるな。
てか、この世界に来てから黒髪を見たことがない。
やっぱり、黒髪というのは珍しいのだろう。
「お前、人族か?」
検問官が俺に不思議そうな顔のまま、魔人語で質問をしてきた。
「はい」
「珍しいな。何しにきたんだ?」
おう、そうか。
この人たちは人族が珍しく感じているのか。
どうやって、答えるべきか。
ラクガンの反応を見る限り、転移魔法というものがあるということは知られてなさそうだ。
「転移魔法で飛ばされてきました」と言っても、信用してくれないだろう。
でも、世界共通で通用するものを知っている。
「俺は冒険者です。ただの旅ですよ」
そう、冒険者だ。
この世界には冒険者というものがたくさんいる。
人族の街でも魔族の冒険者もいるしな。
街を歩けば、少なくとも10人は見る。
そんなに、冒険者のいる世界だ。
冒険者といえば通用する。
異世界に行くことがあったら、覚えているといい。
「そうか。通れ。 次!」
俺は、軽く会釈して、門をくぐった。
このデザーム大陸のラトネアは人族の国と違い、まったく発展してないように見えた。
しかし、商人のような人もいるし、それなりに生活はできるだろう。
人族の家はレンガなどの綺麗な石でできていたが、
ここでは、魔術で作った石のようなもので作られた不恰好な家だった。
「おい、アキト。飯を食いに行くか」
「わかりました」
「我の行きつけの店がある」
「了解です」
俺らはラクガンの行きつけの店に行く。
大概決まっている。
どうせ、酒場だ。
そう思っていたが、酒場じゃなかった。
酒は出されていないような、カフェのような、
普通の料亭だった。
「ここで飯を食う」
「でも、いまさらなんですが、お金は持っていませんよ?」
「我が奢ろう。我と貴様の中じゃないか」
たかだか数日の関係だったが、この数日で仲もかなりよくなった。
飯を奢ってもらえるほどに。
俺のコミュ力もレベルアップ中だ。
「ありがとうございます」
俺らは、料亭『ピノ』に入って、ラクガンおすすめの料理を頼んだ。
ちなみに、このピノという料亭は、天井がめちゃくちゃ高く、広い。
3メートルあるラクガンでも無理なく入ることができる。
あと、料亭の名前がすごく気になる。
一口サイズのアイスとか出てきそうだ。
出てきた、料理はまずい。
普通に何かの魔物の肉を焼いたものだった。
臭みは取り切れていないし、味も変に濃い。
アキトの食べログ評価☆1だ。
そんな、料理をラクガンはうまそうに食っている。
俺の舌が肥えているのだろうか。
そんなことはないと思うがな。
「アキトはこれから、どうするのだ?」
急にラクガンがそんなことを聞いてきた。
「どう、、、とは?」
「お前はアース大陸に行くのだろう?
悪いが、我はここでやるべきことがある。
そのため、我はお前についていけん」
「あ。そうですね。
とりあえず、冒険者になってお金を稼ぎ、できるだけ早く戻れるように頑張ります」
「貴様は、デザーム大陸を舐めているのか?」
なぜだ?怒られてる。
楽観的すぎたか?
「いいか?デザーム大陸になぜ、魔族と巨人族という戦闘に向いた種族が多いのか気にならなかったのか?」
言われてみればそうだ。
とくに考えたこともなかったな。
「それは、デザーム大陸に出る魔物が他の大陸と桁違いに強く、環境も良くない。砂漠地帯や荒れた地帯も多く、水もない。昼は灼熱、夜は極寒だ。そんなところで、冒険者だと?」
そういうことか。
先日戦った、モグラもとてもデカかったし、地中を移動してくる厄介なものだった。
あんなのがアクト大陸にいたら被害が相当出るだろう。
「すみません」
「確かに、お前は強い。そのレベルの呪術師はそういないからな。だが、呪術師だ。あくまでも前衛の支援だ」
「そう、、、ですね。そう、、、、か!そうですよ。仲間を集めるのですね」
「ふっ。そうきたか。だがいい案だ。仲間が集まり、生活が安定するまでサポートしてやろう」
「ありがとうございます」
「ああ」
そんな会話をして、店から出た。
今日はラクガンとは別に宿を取りそこで一晩を過ごす。
なんと、ラクガンはここでもお金を出してくれた。
なんと、財布の紐が緩いことだ。
明日から、冒険者として活動し、仲間を集める。
よし。今日は寝るか。
ーーー
目の前に、顔がぼやけた人間がいた。
自称『神』だ。
「ヤァ、調子が良さそうだね」
なんだよ。お前か。
こんな指輪のせいで、またお前と繋がってしまった。
最悪だ。
「そんな、こと言わないでよー。泣いちゃうよ?」
勝手になけよ。
「なんか、当たり強くない?」
気のせいだ。
「そう?私への当たり方と、他の人たちと随分違うじゃないか」
そう、WiiFitト○ーナーみたいなボケた顔で子供が泣くように地団駄を踏みながら言ってきた。
うるさいな。
なんか、お前の声がムカつくんだろうかな。
あと、俺の敵に見えて仕方がない。
「悲しいな、、、シクシク」
何しにきたんだ?
この指輪を取りに来たって、ていうなら感謝するぜ?
「何を言ってるんだい。その指輪は私と君の友情の証じゃないか」
友情?
勝手なことを言うなよ。
俺とお前にそんなものはない。
「つれないな。
今日は、もう一度、忠告しに来たんだ。
5年はカルコネアに戻らないほうがいい」
だから、なんでだ?
理由を教えてくれ。
「それはできないなぁ。
それは禁忌に触れてしまうから」
なんとも、都合の悪い神様だな。
「君、本当に後悔するよ?」
なんだよ。
俺はお前を信用してない。
俺は、ステークストさんを信用している。
だから、カルコネアに戻る。
「そうか、、、
じゃあ、仕方がないな。
君の信用を得るためにも、君にいいことをおしえてあげよう」
なんだよ?
「ふふ。
明日、路地裏を歩くといい。きっと、いいことがある」
は?それだけ?
何が起こるんだよ!
「さらば〜」
それだけいって、自称『神』は俺の前から消えた。




