第20話 『謎の大男』
目が覚めると、知らない場所にいた。
ここはどこだ?
周りを見ても岩くらいしかない。
草も木もない。
大地も水気がなくそこらで地割れが起きている。
環境汚染が進んだら、こんな感じになるだろうって感じだ。
なんか、夢を見ていた気がする。
そうだ、気味の悪い奴が、5年は戻るなって言ってたんだ。
指輪を通じて、、、
俺は、右手を見た。
俺の右手の中指によくわからない紋章の入った指輪がついていた。
この指輪であの気味の悪いやつと繋がってたってことか。
全く、悪趣味な指輪だ。
厨二病のような紋章がついている。
俺は、確かに厨二病の時期はあったが、もう卒業している。
普通に恥ずかしい。
あの金髪の青年に付けられたのか。
じゃあ、あの夢は本物だったのか。
ということは、5年間戻るなっていうのもマジなのか?
いや、あんな詐欺師みたいな奴の言うことなんか信用しない方が吉か。
神を自称しているやつだ。そんなのはやばいって決まってる。
ステークストさんが金髪の少年と戦ったということは、ステークストさんの敵な訳だ。
すなわち、俺の敵だ。
自分のすべきことを間違えないようにしなくちゃな。
「こんな指輪!いらない!」
俺は、その指はを取ろうとした。
また、自称『神』と話すのは嫌だからな。
この指輪がなければ、あいつも俺に近づけまい。
だが、、、、
取れない。
はずせない。
外そうとしても、ピクリとも動かない。
逆に取ろうとしたら、締め付けてくるくらいに。
あの自称『神』が取れないようにしているのだろう。
まったく、いやがらせにもほどがあるだろう。
今は、取れなそうだ。
はぁ、また自称『神』が俺の前に現れる日がいつかくるのか。
できるだけ、あいつとは話したくない。
敵なのだから。
てか、俺はなんでこんなところにいるんだ?
ステークストさんが金髪の青年と戦って、
そして、俺に転移魔術?をかけたんだ。
そうか、だからこんな辺鄙な場所に来ているのか。
俺、、、、?
俺、、、ら?
俺らのはずだ。
エレナも確か、ステークストさんに転移魔術をかけられていたはずだ。
エレナはどこにいるんだ?
俺がここにいるってことは、エレナもこの辺りにいるのか?
てか、いてほしい。
俺1人でどうやって生き延びるんだよ。
エレナがいれば安心のはずだ。
さて、、、、どこにいるんだろうか?
多少のずれもあるだろうから、ここにいないかもな。
でも、近くにいるかもしれない。
よし!探そう!
「おーい!エレナ!」
俺は、転移してきた場所から大声で名前を呼びながら、エレナを探している。
30分くらい探しただろうか、、、、
転移してきた場所から、半径2キロあたりを探した。
正直に言おう。
エレナはいなかった。
どこにもいなかった。
人の影すらなかった。
もしかすると、ランダムで転移しているのかもしれない。
そうだったら、だいぶきついな。
どうやって、カルコネアに戻ろうか。
俺の元には金になりそうなものもない。
あるのは、杖くらいだ。
困ったな。
でも、なんとかしなくてはな。
とりあえず、人を探さなくてはな。
ここはどこなのか。
カルコネアはどの方面か。
誰かに聞ければいいのだが。
お金のことも考えなければな。
戻るためにはお金が必要不可欠だろう。
戻るっていうか、生活するのにもお金がかかる。
食べ物や住むところに相当なお金がかかるのだから、どうしたものか。
さて、どの方面に進むか。
まだ、昼間だからいいのだが、夜になったら魔物が活性化してしまう。
昼間のうちに村か街、国を探してそこで一夜を乗り越えたい。
村じゃなくても、人に会いたい。
じゃあ、どの方向に進むか、、、
太陽の方向に進めば、南か?
てか、ここが北半球とは限らない。
いや待て、カルコネアはアース大陸だ。
アース大陸は世界の中心部にある大陸だ。
ってことは、目指すのは中心部だ。
中心部に行くのならば太陽の方向に進めばいい。
真上に太陽が来るようなところが赤道であり、世界の中心なのだから。
北にいれば太陽は南を指し、南にいれば太陽は北を指す。
この世界もまんまるの世界だったらいいのだが。
流石に物理学的に大丈夫だろう。
では、太陽に向かって出発だ。
太陽に向かって、2時間ほど経ったが、、、
まだ、何もない。
ずっと、地割れしたような辺鄙な大地だ。
歩きづらいし、景色がずっと同じだからつまらない。
こんな場所だから、魔物もいない。
魔物がいないのは、俺にとって好都合だ。
暇だ、、、、暇
ただただ、歩いているのは本当んつまらない。
誰か、俺の隣で歩いて、話をしてくれ。
水属性魔術が使えるため、水は確保できている。
だが、食べ物がない分、腹が減った。
朝食から何も食べていないからな。
まぁ、水があれば数日は生きられるそうだし、当面は大丈夫だが。
はやく、人を見つけたい。
てか、エレナは大丈夫なのだろうか。
いや、エレナは無詠唱で魔術が使えるし、大丈夫だろう。
エレナも俺のことを探してくれているのだろうか。
こんなバカでかい世界で1人の人間を見つけるのは相当難しいのは、俺でもわかる。
太陽の方向に歩き始めてから、10時間ほど経った。
すっかり、夜だ。
まだ、景色は変わらない。
腹が減って仕方がない。
水で腹を膨らましてなんとか耐えてるが、、、、
こうも暗いと方向を見失いそうだ。
今日は休むとしよう。
岩を枕にして、今日は寝よう。
こっちにきてから、一度も魔物を見ていない。
魔物に襲われることは、ないだろう。
ないよね?
ないと信じたいんだけど。
念のため、土属性魔術で今日寝る家を作った。
流石に、繊細な土属性魔術は使えないため、豆腐のような家になった。
マイ○ラで、こんな建築をしたら、センスなしの烙印が押されることだろう。
できるだけ目立たないように、狭く、低い、俺1人だけ入れる家を作った。
そして、大きな岩に見えるように少し加工して、、
完璧だ。
どう見ても岩だ。
これだったら、魔物も気づかないだろう。
俺は、その岩に入って、寝ようと寝転がった。
壁と屋根があるため、床は、普通の大地だ。
硬い!
異世界に来ても、布団で寝てきた俺にはクソみたいな環境で寝ることになった。
寝ずらいな。
でも、今日は我慢だ。
では、みなさん!
おやすみなさい。
ーーー
『トッ トッ トッ』
俺は、何かの足音が聞こえてきて、目が覚めた。
あれ?何かが迫ってきている。
何が近づいている。
魔物か?
なんだ?何がきたんだ?
怖い。
ここは、ただの岩です。
気づかずに通り過ぎますように。
『バァーン』
俺の岩が吹き飛ばされた。
え??
なんの魔物だ?
俺は、ステークストさんに作ってもらった杖を取り出し戦う準備をした。
しかし、俺の岩を吹き飛ばしたやつを目に入れたとき。
その時には、もう俺の喉に大きな斧のようなものを向けてきた。
人間だ。
それも大男だ。
3メートルほどの大男だ。
魔物ではない。
『貴様は誰だ?』
その大男は魔人語で声をかけてきた。




