第19話 『神を自称する者』
第三章 『デザーム大陸からの帰還』
なんだ?何が起きているんだ?
さっきの青年はなんだったんだ?
そして、ここはどこだ?
俺は、死んだのか?
いや、誰かに殺された記憶もないし、傷もない。
なんだろうか。
空を飛んでいるような、吹き飛ばされているような。
白い空間にいるような感じがする。
意識がはっきりしていない。
魔力が切れた時と同じ感じだ。
そう、魔力が切れた時は貧血のようなめまいがする。
一旦、整理しよう。
俺は、森に授業で扱った魔物を森に返しに森に行った。
森の前で、いきなり、空の色がおかしくなって、
金髪で白い服を着た青年が、急に襲ってきた。
ステークストさんが、その青年と戦い、危険を察したのか、転移魔法?を俺らにかけたんだ。
じゃあ、ここは転移魔法でできる空間みたいなものか?
展開が急すぎる。
あの青年は誰なのか。
なぜ襲ってきたのか。
そして、ステークストさんの呪いとはなんだ?
何が何だか。
ーーー
「ヤァ、こんにちは」
急に誰かに声をかけられた。
意識がはっきりしていないから、どんな見た目なのかわからない。ぼやけている。
人のような見た目なのはわかるが、顔は全くわからない。
誰だよ。
「私かい?私は『神』だよ」
神、、、、
ついに出たか。
異世界系の漫画には必ず出てくるからな。
で?なんの神なんだか。
「私はね、この世界の全ての神様だよ」
この世界の神。
いや、、、それよりも
なんで俺が喋ってないのに、なんで、こいつは返答できてるんだ?
「それはね、君の意志に喋りかけているんだよ」
そういうことか。
よくありがちな神の能力だな。
「ありがち?なんのことだい?もしかして、ここじゃない世界の常識かい?」
!?
なんで、、、、
俺は、誰にも転移者であることは話したことはない。
ステークストさんであっても、転移者であることは隠していた。
それで、なんで知ってんだ?
「ふふふ。言っただろう?私は君の意志に喋りかけているんだ。
君の記憶や考えていること、全てがわかるんだ」
そういうことか。
じゃあ、一ついいか?
なんで俺の前に出てきた?
「もちろんだよ。五十嵐アキトくん。私は君を助けるために君の前に現れたんだ」
助けるため?
なんのことだ?
さっきの金髪の少年と関係あるのか?
「関係はある。彼に頼んで、君に僕の一部を含んだだ指輪を君につけてきてもらった。その指輪によって、君の意志に喋りかけることができているんだ」
あぁ、そういうことか
「わかってくれたかい?」
お前は、俺の敵ってことか。
「ちょっと、ちょっと!なんでそうなるのさ!」
お前はアホか。
さっき、俺は、お前に頼まれた金髪の青年に殺されそうになったんだぞ?
ステークストさんが転移魔術で俺を飛ばしていなかったら、あのレイピアで刺されてただろう。
きっと、死んでた。
「アホって、、、ひどいなぁ」
聞くぞ?
なんで、俺を殺そうとしたんだ?
「殺そうとした?なんのことだい?私は、その青年に指輪をつけてきてほしいとお願いしたんだ。だけど、そこに、あの忌々しい古代族がいたから殺し合いになったんだ。たまたまね。」
なんと、言い訳がましい。
言い分が自分勝手だ。
都合よく解釈してやがる。
てか、忌々しい古代族?
ステークストさんのことか?
ステークストさんは全く忌々しくなんかない。
誰かと勘違いしてるんか?
殺そうとしてきたってのは、俺の勘違いだったということか?
「そうそう」
殺そうとしたんじゃなければ、なんで、俺に接触してきた?
「君に、助言するためさ。これから、うまく立ち回るための!」
ほう?助言ね、、、
俺の元の世界のことを見たのならわかるだろう?
『甘い話には裏がある』
これは常識だ。
「へぇ。いいのかい?いい助言かもしれないよ?」
そういうやつが1番信用できんな。
言え。
何が目的だ。
「目的ね、、、、それは言えないな」
なんでだよ。
信頼してほしいなら、やはり、それぞれを理解し合おうとすることが大切なんだぜ?
「んー。そうだね。これだけは言ってあげるよ。君はステークストってやつに騙されているんだよ」
は?それこそ、信用できない。
あの人にどれだけ助けられたか、記憶をみたお前ならわかるだろう?
信用してほしいなら、もっともな嘘をつけよ。
「信用するかは君次第さ。じゃあ、聞きたいのはそれだけかい?」
いや、まだある。
金髪の青年が言っていたステークストさんの呪いってなんだ?
「私に聞くべき質問じゃ、ないね」
教えてくれないのかよ。
「じゃあ、本当にこれだけだね?最後に君に助言をあげよう」
はぁ。助言ね。
「なんだい?助言はいらないのかい?」
いらないとは言ってないだろ?
なんで、こんな俺に助言なんかするんだ?
「『なんで』って、、、そればっかじゃないか。うるさいな。
君に助言をする理由?
それはね、面白そうだからだよ」
そうかい、神は高みの見物をするってことね。
何が面白いんだか。
どうせ、神はずっと変な部屋にいて、暇なんだろう。
神は俺らを弄んで楽しんでんのか。
クソみたいな奴らだな。
「なんか、つれないじゃないか?助言だよ?助言!神様に教えてもらえる機会なんてないよ?」
本当の神様だったらな。
お前は違うだろう。
「いいかい?聞いといた方がいいよ。聞かないと君はすぐ死んじゃうかもしれないよ?」
はぁ、助言がしたいなら、勝手にしろよ。
「していいのかい?僕を信用しないんじゃなかったのかい?」
それと、これとは話が違う。
人から得られる情報はできる限り、得るのは大事だからな。
「ほぅ、それはいいことだね。じゃあ、助言を授けよう。カルコネアに5年は戻らない方がいい。冒険者か何かをやって、食い繋ぎなさい」
5年?5年で何があるんだ?
「助言は以上!」
おい!ちょっと、待てよ!
ちゃんと話せ!
「さらば〜」
そう言って、煙のようになり、自称『神』は消えていった。




