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第18話 『謎の青年』

 今日は授業で扱った魔物を森に返しに行ってくる。

 エレナはもちろん、ステークストさん、イザベルもついてきてくれるそうだ。

 エレナがステークストさんについてきてくれとお願いしたら、二つ返事でOKをもらったそうだ。

 そして、ステークストさんがいるところにイザベルあり。

 ステークストさんが行くと言ったら、「俺も行こう」と言ってきた。

 

 イザベルは扱いやすいな。

 ステークストさんを挟めばイザベルを簡単に動かすことができるだろう。

 ステークストさんもイザベルの好意には気づいているだろうが、普通にイザベルを使ってる(・・・・)。

 普通にサイテーだ。

 俺が女の子だったら、ステークストさんは好きにならない。


「じゃあ、行くぞ。遅いと、魔物が活性化する恐れがある」

「はい。でも、魔物の数が多くて、運びきれないんですよ」


 森にいる魔物の多くは夜に活性化する。

 そのため、夜とは正反対の昼の12時ごろに着くように出発する。

 それでも、活性化しないってだけで、森を侮ってはいけない。

 細心の注意をはらう必要がある。


「あー!アキトくん。僕を頼ってよ。僕も運ぶよ。ほら、イザベルも」

「断る」

「えー!」

「ありがとう!エレナ!」

「じゃあ、俺も持とう」

「ステークスト様、大丈夫です。俺、、、、私が持ちます」


 ほんとにイザベルは単純だ。

 エレナもイザベルに慣れてる感じだな。

 イザベルはステークストさんのためなら、自分の命を絶つくらいの覚悟がありそうだ。


「よし。行くぞ」

「はい」

「はーい」

「御意」


 虫籠のような入れ物に入った魔物を持って、出発した。


 魔物を森に返しに、一度カルコネアを出る。

 国の中に放ってしまったら、住民に被害が出てします恐れがある。

 また、その被害によって、国の兵や雇われた冒険者によって狩られてしまう。

 魔物であったとしても、できるだけ長く生きてほしい。

 痛い思いをして死ぬなんて可哀想だからな。


 門をくぐって外に出る。

 カルコネアは入る時も出る時も検問がある。

 善人のみ中に入れて、悪人を検問で暴くって感じだ。


 俺はこの世界の人間ではない。

 そのため、顔立ちも周りと比べると全然違う。

 検問官に不思議な顔をされてしまう。

 俺の検問の時は、他の人と比べて、少々時間をとらせてしまう。

 まぁ、仕方のないことだな。

 


 さて、これから検問だ。


「おい。そこの若いの、ちょっと顔を見せろ」

「あ、、はい」


 今日もいつも通り、怪しまれている。


「お前、最近の噂の白い光の消滅と、白い光の人間に心当たりはあるか?」


 白い光の噂、、、

 このことは知っている。

 近くの小国が白い光と共に消えてなくなった、という噂だ。

 でも、白い光の人間とはなんだ?


「いえ、わかりません」

「じゃあ、いい。お前は、ここらあたりの顔立ちじゃないからな、疑ってしまった。悪いな」

「すみません。白い光の人間とはなんですか?」

「ああ、白い光が起きて、国の消滅の後に空から人が降ってきたことを目撃したって人がいるんだよ。まあ、ただの噂だ」

「そ、、、そうなんですね」

「さっ、行った行った。後ろがつまってんだ」

「すみません」


 そうか。そんなことがあったんだな。

 いや、、、待てよ。

 その降ってきた人間って、、、、俺?

 あまり、深く考えないようにしよう。

 俺のせいだってなったら、なんの責任も取れないからな。


「おい、アキト。はやく来い」

「あ、、、はい」


 そのまま、森を目指して歩いた。

 森まで1時間ってとこか。

 のんびり雑談でもしながら歩くか。


「アキト、、、、あの噂はあまり考えるな」

「え?」

「深く考えるな」

「はい、、、」


 ステークストさんも俺のせいだと思っているのだろうか。

 でも、ステークストさんのいう通り考えないようにすべきだ。

 それが1番だ。


「なんの話なの?」

「あっ、エレナ。なんの話でもないよ」

「ムー」


 エレナが頬を膨らませている。

 教えてくれなくて、少し怒ったみたいだ。

 『プクー』っていう文字が似合う顔だ。

 かわいい!


 イザベルはだんまりだ。

 ステークストさんが話さない限り、イザベルは話さない。

 イザベルはステークストさん以上に無愛想だ。



ーーー



 そんなこんなで森の前にきた。

 なんか、雲行きが怪しくなってきた。

 雨でも降りそうだな。

 さっさと、魔物を返して、街に帰ろう。


 てか、、、、ん?

 空が、、、、黄色だ。

 いや、赤、、、、

 青、、、

 白、、、、


 空の色が変に変わっている。

 何が起きているのだろうか。

 とりあえず、雨が降りそうな感じではない。


「おかしいな。ふぅ」


 ステークストさんが不思議がっている。

 不思議そうな、、、怒ってもいるような。


「おい。アキト、イザベル、エレナ。何かがおかしい。魔物はここにおいて街に帰るぞ」

「そうだな」

「うん」

「え?」


 ステークストさんはもちろん、エレナもイザベルも真剣だ。

 何が起きているんだ?

 

「ほら、アキトくん。魔物を下ろして、行くよ。早く!」

「あ、、、、はい」


 エレナが真剣だ。

 この人は滅多なことがない限り、こんな声は出さない。

 よほどのことだろう。


「よし。もど、、、、お前ら‼️構えろ❗️」


 ステークストさんがいつもより、殺気を放ち、大声を出した。

 ステークストさんとイザベルは剣を放ち。

 エレナも杖を構えた。

 

 あ、俺も、杖を、、、、あっ、宿に忘れてきた。

 どうしよう。

 いや、大丈夫だ。

 この人たちがいるから。


「アキト!すぐに構えろ」

「いや、、杖が、、、」

「、、、、ん?アキト!伏せろ❗️」


 俺はステークストさんのいう通りしゃがんだ。

 その瞬間に俺の上に光のようなものがが走った。


『カン!』


 剣が交わる音がした。

 

「おい。誰だ。名を名乗れ」


 ステークストさんが今まで以上に殺気を放っている。


「うぅ。またお前か、、、」


 そこには、真っ白な服を着た金髪の青年が立っていた。

 その青年は、レイピアのようなものを持ちステークストさんに向けていた。


「なぜ、我らの邪魔をする?古代族」

「聞こえなかったか?名を名乗れ」


 ステークストさんと金髪の青年が睨み合い、殺気を飛ばしていた。

 足がすくんでしまう。

 動いたら、殺されそうだ。


「言っておこう、お前の呪いは我には効かんぞ?」

「黙れ。もう一度だけ問う。名を名乗れ」


 呪い?なんのことだ?

 人違いでもしているのか?

 

「我の名を教える必要はない」


『カン!』


 レイピアとステークストさんの剣が交わる。

 戦いの始まりだ。

 エレナは気をうかがっている。

 イザベルは今にも飛んでいきそうだ。


『シュン』


 睨み合って、距離を取る。


「アキト!エレナ!イザベル!お前らを、別の場所に飛ばす。転移魔法だ」


 え?ん?転移魔法?

 そんなのあるの?

 それを今俺らにかけるの?

 話の流れをつかめていない。


「いえ。ステークスト様。俺も戦う」

「いや、足手まといだ。素直にいうことを聞け」

「断ります」

「ふぅ、仕方がない。エレナ!アキトを頼んだ」

「・・・・・・わかった」


「待て、我を忘れるな。そこの男よ。我について来い。そうすれば、こいつらは殺さない」

「ほう?『古龍』の二つ名を持つ俺を殺せるのか?」

「ふん」


 何?『古龍』?

 なんのことだ?


「いいかアキト!カルコネアに自力で戻ってこい。じゃあ、エレナ、アキト」


 そう言って、ステークストさんは俺とエレナに手を向けて、魔力を放った。

 すると、俺らの下に魔法陣ができて、周りが白い光に包まれた。

 そして、気を失うような感じで意識が飛んだ。

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