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第11話 『初めての戦闘』

 俺ら、ステークストさん、エレナ、イザベル、そして俺の計4人で東の国『カルコネア』に出発した。

 絶対に、お世話になった分、恩返しができるように頑張ろう。


 とりあえず、このアクト王国から出るまで1ヶ月かかる。

 そして、隣国の小国『ラトネア』により、必要なものを調達し、再び国から出てカルコネアに向かう。

 ラトネアで1ヶ月ほどかけて横断し、そこからカルコネアまで1ヶ月、計4ヶ月をかけてカルコネアに行く。

 さあ、歩き続ける日々の始まりだ。

 これも、冒険のひとつかな。

 できる限り、楽しもうの精神でがんばろう。

 


 アクト王国は簡単に出ることができた。

 とくに問題もなかった。

 何回か、検問をするときに髪色や顔立ちが違う俺を見て不思議がられたが、

 怪しい人物ではないと、自ら証明し、検問を通った。

 まったく問題はない。

 

 そして、アクト王国を出て少し歩いた。


「気をつけろ。この辺りにはゴブリンが出る。ゴブリンは襲ってくる。俺がいる限り問題はない。俺が全て切ってやる。」

「僕が魔術でサポートしてあげましょうか?」

「いらん、そもそも、お前の魔力は強力すぎる。2級火属性魔術師であるお前には加減が逆に難しい。さらに、周りにも被害が出る。いいか?余計なことはするな?」

「はい、、、」


 エレナがしゅんとしている。

 きっと、ステークストさんに尽くしたくて、いつも空回りをしているのだろう。

 てか、気分が下がって長い耳が下がっている。 

 いいなあ。かわいい。


「だが、アキト!お前は使う」

「え?2級はおろか、生成魔術はまったくなんですけど、、、」

「なにを言っている?お前は2級呪術師だろ?じゅ呪術を使って戦え。お前は何度かただ魔術を使っただけだ。戦い方は知らないだろう。よって、戦え。戦って、戦い方を知れ」

「わかりました」


 そうやって、話していると。

 イザベルから睨まれていた。

 イザベルの目はいつもは普通の人間のような丸い目だが、今日は目が猫のように眼光が縦になっており、目に力が入り、目の周りにしわがよっている。

 え、、、、こわ。


「ねえ、アキトくん。耳かして。イザベルね、ステークスト様が好きなの。きっとやきもちを焼いているんじゃないかな?」

「え?俺、男っすよ?」

「女子は男の子でもやきもちをやく時もあるんだよ」

「そうなんですか?」


 あー、そういうことか。

 だから、あんなに殺意のこもった目をしているのか。

 はっきり言って、怖い。

 てか、右手で腰につけた剣の柄の部分を持っている。

 俺を殺そうとしているのか?

 

 確か、あの人は1級撃心流剣士だ。

 ちなみに剣士にも5級から界級までの7界級ある。

 なので、彼女は上から3番目の階級に属する。

 魔術師と違い剣士には界級が必ず、各流派ごとに1人いる。

 そして、竜級は2人いて、1級に7人いる。

 それより下は増えたり減ったりだ。

 ゆえに、彼女は撃心流剣士で10本の指に入るほどの強さだ。


 そりゃ、簡単に骨を折れるわな。

 そんな人に恋心を持たれている、ステークストさんは、どんな気持ちなのだろうか。

 俺だったら、逃げる。

 そんなのは、相手にできる自信がない。

 指が何本あっても足りない。


 あと、イザベルはステークストさんを好いているのだろうか。

 やっぱり、助けてもらった時に一目惚れしたのか?

 もしかして、強さか?

 7万年も生きてきただけあって、彼の強さは異次元だ。

 それに惚れたのか?


 てか、エレナもステークストさんのことが好きじゃないのか?

 エレナも助けられたんじゃないのか?

 エレナが魔術師なら、剣士であるステークストさんと共闘したことくらいはあるだろう。


「エレナさんも好きなんじゃないんですか?」


 そんな話を小さな声で言った。

 あれ?なんか視線を感じるな。

 あ、、、、イザベルから見られてる。

 凄い形相だ。こ、、、怖い。

 さすが、猫の獣人、耳がいい。

 おいおい!少し剣を抜いてるじゃないか。

 剣の刃の光の反射が鋭く目に突き刺さる。

 

「僕?僕はそんなことはないよ。ステークストさんは好きだけど・・・」


 背筋が凍りそうなほどの寒気を感じた。

 イザベルさんが腰に力を入れて、襲い掛かろうとしている。

 いきも上がってるし、これはまずい。

 変なことを聞いてしまった。


「・・・それは、憧れと尊敬だから」


 寒気が一気に引いた。

 イザベルはもう俺を睨んでない。

 右手も剣から離していた。

 本気で、殺そうとしてたのか?

 さっきのはなんだったのだろうか。


「おい、なんの話をしている。さっさと歩け」

「はい!」


 おっと、この人の恋路の話を聞かれたか?

 まあ、どうせ、届かぬ恋だろう。

 ステークストさんはそんな人じゃない。

 喋る時に人と目も合わせられないような人は無理だ。

 でも、俺には、たまに目を合わせてくれる。

 気に入れられてるのかな?


 ステークストさんはあの2人に目を合わせてない。

 イザベルの眼光にもかわして、目を背けるくらいだ。

 あの目を離せるなんて凄いな。

 だって、離したら、指を折らされそうじゃないか。


「おい!出たぞ。ゴブリンだ」


 そんな愉快な話をしていたら、一匹のゴブリンが出てきた。

 野生のゴブリンだ。

 ついに出たな!

 俺の出番だ。


「いいか?アキトよ。呪術を使え。5級でいい。ゴブリン程度なら筋肉を硬直させる5級呪術で充分だ」

「はい!」


 よし、詠唱だ。

 確か、詠唱は、、、


「聖なる糸よ、絡みつきて相手を縛り上げん。我が意のままに動くものの動きを止めよ『束縛(バインド)』」


 すると、そのゴブリンの動きが止まった。

 否

 止めたのだ。

 ゴブリンの全身の筋肉は硬直し動かせない。

 魔力で反発すれば5級程度はすぐに弱者でもはじける。

 だが、ゴブリンの知能は低く、魔術は使えない。


 そうしたら、ゴブリンが後ろから2体出てきた。

 5級呪術は自分の狙った一体にしか、発動できない。

 どうしよう。

 俺が、止めてるのは一体。

 それ以上は無理だ。

 

「アキト、焦るな。自分で考えてみろ。しにはせん。俺がいるからな。」


 そうイザベルが言ってきた。

 なんと頼りになるのだろうか。

 今日から、イザベル姉貴と呼んでいいですか?


 落ち着け、考えろ。

 きっと何かいい方法があるはずだ。

 そうか、5級魔術だからダメなんだ。

 じゃあ、範囲的に呪術をかけるには4級呪術だな。


 ここで、言っておくが、魔術は級が上がることによって威力と魔力消費量が増え、そして、周りに与える危害が大きくなる。

 この、ゴブリンとの距離であるならば、4級呪術だ。


「聖なる糸よ。対象を縛り上げ、我が人形とし我の思うがままにその場に打ち付けろ。俺の視界のものの時を止めろ『拘束(コンファイン)』」


 すると、ゴブリン3体とも動かなくなった。

 石のように動かなくなり、瞬きすらしない。


「よくやった。その感じだ。呪術師は隙があればすぐに詠唱を唱えろ。相手の動きを奪うことだけを考えろ」

「了解です。てか、いつまで、止めておけばいいですか?」

「もう大丈夫だ。よくやった。おい、イザベル切ろ」

「了解」


 すると、イザベルはとてつもない速さでゴブリンの胴体を切った。

 光のような速さだ。

 俺の目にはまったく見えませんでした。


「そうか、お前は呪術師か。魔術の練習をしていると聞いていたが、得意なのは呪術か。お前、俺らと一生ついてこい。いいように使ってやる」

「おい、イザベル。無理に誘うな。ついてきたいやつだけがついてこらば充分だ」

「そんなこと言って、僕たちにいてほしいんじゃないの?」

「なにを言っている?足を引っ張る奴がいるか?」

「またまた〜」


 なるほどな。

 エレナはステークストさんの足手まといなのか。

 まあ、俺はついいて行ってもいいけどな。

 そのつもりだし。


「ええ、もちろん連れて行ってくれてもいいですよ?」

「そうか、話がわかるやつはいいな」

「勝手にしろ」


 てか、いい感じに呪術がかけられたな。

 俺の魔術練習もいい感じだったなのだな。

 それにイザベルの剣術もさすがだ。

 さすがは、1級剣士だ。


 よし、この調子で、ゴブリンの動きを止められるように頑張ろう。

 4級の呪術だけじゃなくて、俺は2級だって、3級だって使えるんだ。

 もっと、頭を使って、工夫して、場面に合った魔術を使って攻略できるように考えよう。


 その後、5回ほど、ゴブリンに遭遇した。

 その都度、俺が、呪術をつかい動きを止め、イザベルが切る。

 完璧なコンビネーションで進んでいった。

 てか、イザベルだけで完結している。

 

 呪術は相手を殺すことはできない。

 弱らせることしかできないのだ。

 そのため多くの呪術師は剣術も極める。

 自分1人で生き抜けるようにだ。


 だが、俺にはまだ、筋肉が育っていないのでできない。

 いつかはやろうと思っているがな。


 そんなこんなで、1日目が終わった。

 今日は野宿だ。

 日本人である、俺にとって野宿というのはあまり馴染みがない。

 キャンプをしない限りやらないからな。

 そして、風呂がない。

 これが嫌なのだ。

 お風呂に入りたい。

 お風呂が好きなんだ。

 お風呂スキーなんだ。


 屋根をエレナが土魔術で作り、イザベルが狩ってきた魔物の肉を食べる。

 あまり美味しくない。

 味付けをしていないし、野生のものだからだ。

 ただ肉の味だけを感じて食べる。

 あの宿の亀のお肉って相当美味かったんだな。

 アキトの食べログ評価☆0、1だ。

 まずい。


 てな感じで、アクトから出て1日目が終わった。

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