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第10話 『初めての街の外へ出発』

第二章 『カルコネア』

 魔術練習と勉強のルーティーンができてから、5ヶ月が経った。

 あれから、毎日同じことの繰り返しをしてきた。

 何度も逃げ出そうか考えてたが、なんとか自分に負けず耐えてきた。

 そのおかげで大きく成長することができた。

 それを全て、紹介しよう。


 まずは魔術だ。

 俺の体に込められる魔力の量は格段に増えた。

 元々、5級生成魔術を3回使ったら気絶していたが、

 今では、5級生成魔術を100回は使うことができる。

 ちなみに、級が1つ上がるごとに魔力の消費量は10倍ほどとなる。

 そのため今では、魔力量的には3級魔術を使うことができる。

 

 しかし、今はまだ、俺のスキルが追いついていない。

 なので、まだまだ威力も高くはない。

 ステークストさん曰く、10歳児レベルだそうだ。

 俺はあきらめないぞ!


 今は以下の通りだ。

 火属性:5級

 水属性:5級

 風属性:4級

 土属性:5級


 このように生成魔術の中であれば、風属性魔術が秀でている。

 しかし、俺は21歳。

 21歳の魔術師の平均的には、なにかひとつ3級以上にはなっているとのことだ。

 わかるよ。

 俺には、生成魔術は向いていない。


 それに対して、付与魔術は大成長をしている。

 元々、向いていると言われていたが、

 それに磨きがかかっている。


 今は以下の通りだ。

 治癒魔術:3級

 呪術:2級


 このように、特に呪術が成長している。

 付与魔術は普通、生成魔術の3倍ほどの魔力消費量ある。

 多くの人間が付与魔術に不向きだからだ。

 しかし、俺は、付与魔術に向いている。

 俺は、付与魔術を生成魔術の5分の1ほどの魔力消費で唱えられる。

 ようするに、普通の人の1回の付与魔術の魔力消費量で、俺は15回唱えることができる。


 さらに、呪術は俺に向いていて、1度やるとすんなりできてしまう。

 スキルと魔力量が揃っているため、呪術のみ2級を扱えるのだ。

 呪術師は珍しいため、国で重宝されるらしい。

 未来は宮廷呪術師かな。

 給料とかいいのだろうか?


 次は、勉強だ。

 

 まずは数学だ。

 数学は特に成長していない。

 強いて言えば、計算スピードが上がったことかな。

 元の世界でやってきているからな。 

 数学の授業中は、クライブも俺ができると知ってからは、よく受験をサボり、クライクの酒場に行って酒を飲んだ。

 やはり、酒は神だ。

 

 次は歴史だ。

 竜との対決や大戦争の類で面白そうなことはなかった。

 強いて言えば、1度魔王と人族の王が対立した大戦争が起き、世界が大きくかわったというのには少し興味を持った。

 戦争なんて、面白くともなんともない。

 でも、魔術と剣術の進化の歴史はとても面白かった。

 剣術の進化に欠かせない、2人の剣士の話とか、とても面白い。

 撃心流の始祖の剣術を極めた理由が、水心流の始祖の女に恋をしてしまったからだそうだ。

 妻がいるのに好きになってしまったのだとか。

 なんとも、少女漫画にできそうな話じゃないか。

 不倫になるのでは?、、、

 、、、と思ったそこのあなた!

 黙っていなさい。

 こういうのはロマンよ。


 最後に文字だ。

 スパルタのおかげで賢くなれた。

 教えてくれた、人語(じんご)、魔人語、獣人語、巨人語を話せるようになれた。

 人語のみ文字を書けるようになった。

 

 ちなみに、あの単語帳はよくできていた。

 人語で発音と意味が書いてあり。

 それに加えて、発音のコツや語源が書いてあった。

 あれだけの単語帳を作るのに何日かかったのだろうか。

 

 教え方はスパルタでキツく、指も20本ほど折られたが、 

 俺のために尽くしてくれたのはよくわかる。

 ちゃんとお礼を言わなきゃな。

 しかし、変に声をかけられないので、心な中で言おう。

 『ありがとう』


 そして、最近変な噂をよく聞く。

 なにやら、近隣の小国の1つの領が唐突になくなった、という噂だ。

 いきなり謎の白い光が出て、いきなり消えたそうだ。

 実際に見た人もいたそうだ。

 

 その国はこの国から北北東の位置にあった。

 今では砂漠のようになっており、人や動物、そして植物もなくなったそうだ。

 そして、その位置は俺が転移してきた場所だ。

 俺がきた時には既に砂漠だったので、きっと俺が来る前に起きたのだろう。

 少し早く消える瞬間に転移してきたら、2度連続で死ぬことになったのだろう。

 これは不幸中の幸いだな。

 

 以上、今までの努力の成果だ。

 だいぶ強くなって、賢くなったと思う。



ーーー



 これから、この街を出る。

 ステークストさんにも仕事があり、8ヶ月ほど仕事をしておらず、溜まっているとのことだ。

 たまに、王都に行ってたのも仕事だそうだ。

 なんの仕事をしているのかは知らない。

 まあ、きっと、だいぶ稼げる仕事だろう

 俺を養えるくらいだし。


 俺が、1人でも生きていけるとなってから、ステークストさんが

 「俺はお前を1人で生きていけるようには手を差し伸べた。しかし、この後は自分で決めろ」

 と言ってきた。

 しかし、俺の心は決まっている。

 ステークストさんのお手伝いだ。

 今まで、お世話になってきた分、恩返しをしなければ筋が通らない。

 

 よって、俺は、ステークストさんについていくことにした。

 ステークストさん曰く、ステークストさんの仕事はきついらしい。

 だが、それだけで、止めるはずがない。

 受けた恩は必ず返す。


 まあ、8ヶ月この街にいて過ごしてきた。

 そして、魔術と勉強をしてきた。

 きついこともたくさんあった。

 文字の勉強とか、、、、、、、

 文字の勉強だけだな。

 それ以外は、何かと楽しかった。

 おっと、感傷的になってしまった。


 てか、ずっと同じ宿にな泊まりしてきたけど、総額いくらくらいかかったのだろうか。

 確か、この宿は一泊するのに銀貨5枚だったはず。

 1ヶ月を30日として、考えると銀貨1200枚!?

 金貨にすると、120枚だ。 

 日本円で120万円ほど、、、、、、高い。


 さらに、俺につけていた家庭教師たちにもお金は払っていただろう。

 それを加味すると、、、、200枚以上だ。

 本当に、一生ついていこう。

 あの人の手助けをはいそれとできない。

 彼は、恩返しなどしなくていいと言っていたが、それでは俺の気持ちがおさまらないのだ。


 そして、お世話になった先生方にも感謝しなければな。

 これきり、会えるかどうかわからないが、会えたら、俺の方から声をかけよう。

 クライブとエレナとイザベル、、、『ありがとう』


 そう心で思い、俺は、宿を出た。

 外は、初めてきた時とは違い、少し肌寒い。

 冬の季節かな?


「では、行くぞ。アキトよ忘れ物はするなよ」

「はい!」


 と言っても、俺にそんなに荷物はない。

 持っているのは、初めての魔術練習の時にくれた杖とバックだ。

 バックの中には水筒や少量の食料が入ってる。


「おーい!ステークスト!僕らを忘れてるのか?」


 そう、大きな声でエルフが走ってきた。

 あれは、エレナさん??

 なんでいるんだ?


 てか、その後ろに、、、、もう1人いるぞ?

 あ!イザベルだ、、、、、

 お別れの挨拶かな?


「忘れてなどおらん。門で待っていろと言っただろう」

「そうだっけ?」


 やっぱり、見送りに来てくれるのか!

 ありがたいな。

 本当にいい子だな。

 アイドルのような子だ。


「俺らを置いていくのかと思ったぞ」


 ん?ちょっと待って?

 どういうこと?

 この人たちも一緒に行くの?

 てか、この人たちと、ステークストさんってどんな関係なんだ?


「すいません。ステークストさん、先生方とどんな関係なんですか?」

「こいつらが勝手につっ、、、」

「よくぞ聞いてくれました!僕たちはステークスト様に助けられたの。その時から、恩を返せないかとついて来てるの」


 なんとなくわかった。

 ステークストさんは必ず困っている人を見かけたら助けてあげるような人だ。

 だから、この人たちも昔ステークストさんに助けられて、ついてきたのだ。

 俺と同じだね!


「はあ、なんでもよいが。今は、仲間のような存在だ。信頼しあっている」

「そうなんですか!」


 だとさ。

 イザベルさんは無口だが、彼女もそうだろう。

 助けられて、恩返しでついてきてる。

 いい関係じゃないか。

 じゃあ、家庭教師代はないのか。

 この人たちは、ステークストさんのお願いだからやっていたのか。


「では、行くぞ。お前ら。次は、ここから、東の国『カルコネア』に向かう」

「わかりました」

「了解!」

「了解」


 かくして、俺らは東の国『カルコネア』に向かう。

 これから、移動するのだが、やっぱり歩くそうだ。

 どのくらいのか、エレナに聞いたら、4ヶ月ほどだそうだ。

 遠い!

 道中なにもなくいければいいんだけどな。


「おーい!俺を忘れてねえか?」


 出発して、門のところにある男が待っていた。

 あれは、、、、クライブか?

 クライブだ。

 特に彼からはなにも学んでないが、恩はある。

 酒を飲ませてくれた。

 あれは、心の生きがいとなっていた。

 大きな恩だ。


「おいおい、俺のとこに挨拶はないのか?」

「すいません、最後の授業の時に最後の挨拶を含めてしたつもりでした」

「まったく、忘れられたかと思ったぞ」

「すいませんね」

「まあ、いい。これを渡しに来たんだ」


 そう言って、木箱を渡してきた。

 なんだろうか。

 普通に考えて、別れの土産ってやつかな。


「これは、なんですか?」

「お前次第だ。それを使うのはお前の考え次第だ。そんな品だ。売れ残ったから、やるよ」

「最後の言葉は言わない方がいいですよ」

「そうか?でも、きっとよろこぶはずだ」


 今の言葉で、わかった。

 きっとあれだな。

 俺は、その箱を自分のバックの中に入れた。

 いつか使う時がくるかもな。


「では、ありがとうございました」

「おう!またきた時は、また飲もうや。奢るぜ!」

「期待してます」


 彼も本当にいい人だった。

 学ぶことはなかったが、一緒にいたいと思える人だ。


「よし、アキトいくぞ」

「アキト??お前のことか?」


 おい!ステークストさんそれはないよ。

 そんな『やっちまった』みたいな顔しないで。

 今からでも訂正してくれよ。

 でも、仕方がない、彼には言っておこう。

 それが礼儀だ。


「アキトは俺の本名です」

「てことはフィフティ・ストームってのは偽名か!」

「騙したつもりはないんです。すいません」

「誰も怒ってねえよ。よし!アキトな!しっかり覚えたぜ!

 じゃあ、アキト!、またな!」

「はい!クライブさんもお元気で」


 そうやって、クライブとは感想の別れをした。



 その後、先生方2人にも偽名を使っていたので、本名を教えた。

 2人は、あまり驚いてはいなかった。

 もしかしたら、前にステークストさんがドジを踏んだのかもしれない。


 ちなみに、ステークストさんは後で、『すまん』と謝ってくれた。

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