114_快感ティータイム
「ど どうぞ・・・・・・ 根源ダンジョン特産 根源緑苔ティーで ご ございます」
リッカは緊張の面持ちでお茶入のポットとカップのはいったカートを引いてくると一つづつ丁寧にそれを僕たちの目の前においていく
詰め所の中はどういう仕組みなのか外とはうってかわって自然光のような光が窓から差し込み景色もまるで地上のものを見ているような色合いだ
「なんじゃ? ラスト 外がそんなにめずらしいのか?」
「え だって 外の魔気の色が・・・・・・」
「かっか この窓はじいさんがリッカ達のためにスキルプログラミングによって外の景色を自在に操れるようにしたものじゃ 今は外の景色の色を変えて映しておるだけだがその日の気分によっては地上のあらゆる部分のリアルタイムな景色や脳内で考えられた景色までもが楽しめるようになっておるそうじゃぞ」
「おお」
(爺さんすげぇぜ あとで仕組みを見せてもらって僕とアルミちゃんの愛の巣のスパイスにさせてもらおう)
隣りにいたアルミちゃんは窓の方をぼーっと見ていた僕の思考を読んでいたのか少しだけ赤らんで背中の大剣を前に回して触り始めた
「ラストはこのお茶初めてだろ 少しずつ飲むんだよ」
アルミちゃんは上気したような頬のままおだやかな笑顔を見せながら僕に語りかけた
僕はこの時まだアルミちゃんの少しずつ飲めという意図がわからずきっとお茶の温度が高くあぶないのだろうという警告に受け取ってしまっていた
ゴク
僕は一口お茶をいただく
(うーん おいしい アルミちゃんは少しずつ飲めといったけどやけどするほどは熱くなさそうだ・・・・・・)
ゴクゴクゴクゴク プハー
「お おい ラスト そんなに一気に飲んだら・・・・・・」
旅の喉の乾きもありアルミちゃんが僕を止めようとした頃にはカップの中は空になっていた
・・・・・・あ れ なんだ・・・・・・ これ・・・・・・ なんだか おかしいな・・・・・・ 意識の外で祖母とナベちゃんの話し声が聞こえる
「よいよい 少し休ませてやれ まぁ 30分もあれば目を覚ますじゃろう・・・・・・」
その瞬間僕は万華鏡のような色とりどりのトンネルを抜け不思議な世界へとトリップしていた
どうやら根源苔は魔気の根源ダンジョン下層の濃い魔気で育った植物のため魔族や僕たち魔王因子を持つものにとって弛緩と快楽を与えるようだ
「ふふ ようこそ おにいさん」
「そのまま そのまま・・・・・・キャハハ」
寝転んでいる僕の耳に小さな妖精たちが楽しそうに息を吹きかける 妖精と言ったのは元の世界で絵に描かれるような人形の妖精であり ここ異世界での形のない妖精ではなかった
明らかに僕の思考から飛び出してきたものだろう
そして妖精たちは僕の体に取り憑いていく・・・・・・筋肉は弛緩と収縮を繰り返し快楽の渦が広がっていった
・・・・・・
「お おきた? なにかにやけていたけどどんな夢をみていたんだ?」
そこにはソファーに移動させられた僕を心配そうに眺めているアルミちゃんの姿があった
「え あ・・・・・・」
僕は口ごもったたがアルミちゃんには僕の夢の中での出来事までは読むことは出来なかったようだ
「なんか すごく顔色良くなったね ラスト だいぶ疲れてたのかな」
アルミちゃんが言うように確かに体全体の疲れがとれたようだ 全身に魔気が宿っていることもあり今ならどんな強い敵とも戦えそうだ
「ラスト 動けるかのぅ そろそろ宝物庫へ移動しようかとおもっておるのじゃが・・・・・・」
「あ ばあちゃん ごめん・・・・・・ 行こう サキさんたちもすみませんでした」
僕が祖母に受けごたえサキさん ナベちゃん カンナさんに頭を下げると3人は少しだけ笑みを作り問題ないと言ったふうに座ったまま少しだけ片手を上げた
・・・・・・
詰め所から数十メートル先にある宝物庫の作りはあまり装飾もなく簡素でありどこか懐かしい感じにさえ見えた
「なんじゃ? ラスト不思議そうな顔をして」
「いや ばあちゃん この宝物庫 この世界ではあまり見かけない形だなとおもって」
「かっか うむ なかなか目のつけどころがよいな これは日本にいたときの木材建築技術を応用したものだと爺さんがいっておった なんでも魔気のこさや湿度 気温によってつかっている資材は膨張収縮し中の状態を一定に保つそうじゃ 建材自体は弱いがその為にエリア全体の守りや強度をあげておるのじゃそうじゃ」
(やっぱり じいちゃんすげえな・・・・・・)
僕たちは宝物庫の中へ入りその絢爛豪華な品物を眺めながら歩く
「ばあちゃん これどのくらいの価値があるの?」
「かっかっか 価値? そんなものはありゃせん ただ 集めたものを置いとるだけじゃ 処分せにゃならんの」
「ふーん そうなんだ」
「ラ ラミス 様 処分だなんてそんなことを お おっしゃらないでいただきたいものですわ」
ナベちゃんが焦ったように口を挟む
「ラストちゃん ラミス様は価値がないと言われましたがこの中にあるものすべてはこの世界において一級の品ばかりでございますのよ 人間達から見れば国宝級の魔道具や神器ばかり・・・・・・ お金に替えればいったいどれくらいのかちがつくものやら・・・・・・まったくラミス様はなにもわかって・・・・・・」
ナベちゃんはブツブツとひとりごとのような事を僕に言いながら歩く
「おお そうじゃ 価値のあるものもあったわい ラスト アルミ ちょうどよい お主たちにこれをやろう」
祖母は壁側に置いてあった小さな光る石が埋め込まれ紋章が対になった指輪を手に取りそれを僕とアルミちゃんの目の前に差し出した
「ばあちゃん これは?」
「かっかっか これか? これは・・・・・・あれじゃ リストとの思い出の品でのぅ 妾とリストはその当時よく離れて旅をすることがあってのう 魔王と勇者・・・・・・相反する者たちがおたがいの波長を合わせて遠距離で交信することは困難を極めた・・・・・まあ 秘匿なものでなければ通信の手段はあったものの・・・・・・そこは あれじゃ 恋人同士の会話と言うかの?いろいろ他の者に聞かれたくないないようなものもあろう かっか そこで2人だけの会話を楽しめる指輪がこれじゃよ リストはもともと魔道具であったこの指輪にスキルプログラミングで光魔法と闇魔法の相互変換で思念通信を可能としたのじゃ 副産物として強固な暗号変換が行われ秘匿な思念通信が可能になったと言っておったな・・・・・・まぁ 難しいことはぬきじゃ これを装着しておけば離れておるときお互いを確認することが容易になるのじゃよ かっか」
「うわぁ ありがとう ばあちゃん」
「ラミス様 ありがとうございます」
「なになに 2人とも 仲良くのう かっか」
僕は祖母からもらった指輪をアルミちゃんに渡しそれを装着した
「ラ ラミス様・・・・・・ 有翼の巫女像・・・・・・ その 奥にあ あります」
リッカは歩きながら祖母に恐る恐るといった感じで巫女像の場所を告げた




