115_最終回 混沌の終焉
「おお これじゃの もっと傷んでおると思ったがそれほどでもなかったかのう・・・・・・」
祖母は有翼の巫女像を手に取るとそれをまじまじと眺め少し考えたあと続けた
「・・・・・・ラストや この像はアスモとイシューが友の弔いの為につくったものだといっておったな」
「うん イシューさんはそう言ってた」
「ならば この像はあやつらに返してやったほうがよかろう・・・・・・」
祖母は少しだけ表情をゆるめて像を僕の方に手渡した
「でも ばあちゃん 毒霧の森のほうはどうするの?」
「うむ この像はよく出来ておる・・・・・・さすがは当時神のエリート候補と魔王候補が力を合わせてつくったものではあるのう しかし 所詮はその頃学生であった2人が作ったものじゃ 今 見ると結界としては少々不安なところがあってのう・・・・・・故に新しく巫女像に変わるものを妾とラストで作ろうとおもっておる・・・・・・少々難儀ではあるがてつだってもらえるかのう・・・・・・不思議なのは巫女像の結界のパワーの源じゃのう・・・・・・魔気の根源並のパワーを感じるわい・・・・・・まぁここまできたのじゃ 最下層までおりて根源近くの岩石でもけずってくれば良いかもしれんが・・・・・・」
「・・・・・・ばあちゃん そういえば・・・・・・マナボードの板さんからイシューさんが巫女像のコアになるマナボードの欠片をわたされてたよ」
「なんと・・・・・・この巫女像のパワーの源はマナボードの欠片であったか・・・・・・なるほど納得じゃわい かっか ラスト悪いが巫女像と引き換えにその欠片を手に入れてきてはくれんかのう?見ての通り妾はちょっと神たちには苦手意識があってのう・・・・・・」
「わかった ちょっと聞いてみるよ」
僕は巫女像を祖母から受け取るとその巫女像をスキルプログラミング フォルダ化によって構築された閉じた空間へとそっと置いた この空間はモンスター集団攻撃の際の整列にも使ったことがあるのだが生活においての移動可能な分別倉庫としての活用が便利だ 実のところ戦闘で使うより生活に使うほうが使用頻度は多い
「よし 皆の者 これでダンジョンでの目的は果たした 早急に地上へと戻り新しい毒霧の森の結界を作成しようぞ」
祖母はかっかと笑い踵をかえすと片手をあげ皆に帰還の命令を出した
・・・・・・
「ありがとう ラストくん・・・・・・ほう それでは毒霧の森の結界は元魔王であるラミスと君が行うということでいいんだな」
イシューは僕から巫女像を受け取ると懐かしそうにそれを眺めながらそういった
そしてしばらくすると手にとった巫女像を隣りにいたうちの父に渡す 父 アスモディウスは珍しくだまったままそれを懐かしそうにしばらく眺めていたが机に像をおいて僕に向かってぼそりとこういった
「・・・・・・ラスト たのんだぞ」
そして巫女像をもう一度イシューへ手渡すと上機嫌に高笑いを始めた
「はっはっは イシュー今日は久しぶりにあったんだ昔のように町にくりださねえかぁ 大人には大人の楽しみ方ってもんがあんだろ なぁ 俺さぁ 城下にあるいいサキュバスの店しってんだよ な な いっしょにいこうぜ」
パタパタパタ・・・・・・
どこからかスリッパでかけてくるような音がする ガチャリとドアがあいた 母だ
「アスモー・・・・・・ アスモディウス クローズ!」
父の周りに業火の如く光るエフェクトが出現したあと 父はどんどん小さくなっていく
「そんんなぁ イシュー た たすけて・・・・・・」
そして母は眠っている美少年を抱きかかえるとバツが悪そうにイシューとミカエルに苦笑いを見せながら部屋を出ていった イシューとミカエルは互いに見合ったあと苦笑いを浮かべ静かに退出していくうちの父に小さく手をふった
父がアスモディウスに戻っていたのは久しぶりに旧友に会わせてあげようという母の配慮からだったのであろう
「ラストくん 巫女像は私が持ち帰って修復をしておく 然るべきときが来たらまた連絡するとお父さんに伝えておいてほしい 板さんからもらったこのマナボードの欠片は君に渡しておくよ 毒霧の森のほうはこれでなんとかなるだろう」
イシューはそう言って巫女像を机からとると大事そうに布で包み懐へとしまった
・・・・・・
宝物庫探索を終えた僕たちは地上へ戻り 神たちと別れたあと 皆もとの生活へと戻っていった
その後 祖母と僕そして現魔王であるアガレスちゃんは協力し 巫女像の代わりとなる結界を作成し これを毒霧の森の毒霧のコントロールに使うこととなった
父たちの作った巫女像との違いは今回作った結界では毒霧の森の毒霧は魔王アガレスにより噴出の時間 濃さ 強さまでがコントロールできるようになったことだ とはいえ 毒きりの発生は完全には抑えることは出来ず定期的に開放するというのが通常のサイクルとなるらしかった
カンナさん ナベちゃんはキッチン王国城下にあるナベちゃんの宿屋で働いている
タマちゃんはその後ナバと旅を続け 数年後タマちゃんの魂の分離が成功したというサキさんからの知らせが祖母と母へと届いた
祖母 母 父 梨花はナベちゃんの宿屋のすぐ近くに家をたて暮らしている
そして僕は・・・・・・
「ははは ラスト 触鬼は岩陰へ隠れたぞ 左へ回ってくれ」
「了解! アルミちゃん!」
・・・・・・アルミちゃんと楽しみながら触鬼を狩っている
ダンジョンから帰った後2人で触鬼を乱獲し大量に素材を町に流通させてしまったため価格の暴落と町の混乱を招き母や祖母から注意を受けたため今はスローペースで狩りをしているのだ
僕たちは今後ナベちゃんの宿の近くに小さな家を立ててそこで素材や薬草のお店を開き暮らすことになっているがいつになるかはまだ未定だ
僕はアルミちゃんとこの世界でゆっくりと過ごしていく
終わらないこの世界を生きるのならばこのくらいのスローペースでいいだろう
見て頂いてありがとうございました




