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107_焚付

「ナバ・・・・・・姉ちゃん・・・・・・」


「おっと ごめんなあ グレモちゃん もうだいじょうぶだでぇ もう あのおっとろしい亀はおらんでぇ」


 ナバはピタッと止まって僕からうざ絡みをやめるとグレモの隣へと瞬間移動した


「どうしただぁ グレモちゃん・・・・・・」


 ナバは少しだけ浮かない顔をしていたグレモちゃんを覗き込んだ


「・・・・・・ううん なんでもない ありがとう ナバお姉ちゃん」


 ナバに話しかけられ安心したのかグレモは一転して笑顔になるとナバの左腕に組み付いた


「さ 行こうか・・・・・・グレモちゃん ここから山の向こう側に降りる道はあるのか?」


「・・・・・・道はわかんない ただ この山を向こうへ下ると小さな町がある・・・・・・」


「従魔 ロルカ!」


 アルミちゃんは自分の従魔を足元へ呼び出しグレモの指差した方を向くと難解な短い言葉をささやきその方向へ従魔を飛ばした


 ・・・・・・


「なるほど・・・・・・クレスト村か・・・・・・丁度いい ラスト ナバ そこで少し物資を調達していくぞ」


 数分後アルミちゃんは帰ってきた従魔から情報を聞き出し従魔を消すと岩場から立ち上がりあたりを見回した


「クレスト村っていうのがあるだかぁ? うちい聞いたことがないなぁ・・・・・・なぁなぁ アルミちゃん ところでうちらぁ どこに行きょうるだぁ?」


「あ ああ そういえば言ってなかったな・・・・・・今僕が魔王軍からの嫌疑によって追われているのはこの前言ったとおりだ・・・・・・ラミス様と戦闘中の神の軍勢ともこのまま出会うのもまずいだろう・・・・・・王都には一人信頼における人間がいる ここは一度王都へ入り潜伏して様子を見ようと思っている」


「信頼のおける人間って?」


 ナバからの質問にニヤリとしながら信頼のおける人間がいると答えたアルミちゃんになにか違和感を覚え僕はその人のことを聞く


「フフ ああ スマン 君達の知らない人さ いや よく知っている人か・・・・・・まぁ 会ったらわかるかもな・・・・・・」


(さっぱりわかりませんよ)


「ラスト あそこから沢がある あそこにおりれば川があるはずだ そこをつたって行けばいずれクレスト村につくだろう そこで必要物資を調達する いこう」


 アルミちゃんは僕達がよく知っている人の事をはぐらかせたまま歩き始めた


 ・・・・・・


 僕達が麓についたのはそれから2日後の朝のことだった


「っち もうここまで 追手がやってきているのか・・・・・・」


 アルミちゃんの言葉で僕は眼に魔力を宿らせ村の入口の方をみると魔族兵たちが2.3人見えた どうやら関所を構えアルミちゃんを捕らえようと考えているようだ


「どうすっだぁ? アルミちゃん・・・・・うちい もう腹が減って 腹が減って・・・・・・」


 ギュルルルル


 そういったナバはお腹を壮大に鳴らし僕達をニヤリとさせたがこれは確かに深刻な問題だ


「そうだな・・・・・・ここで僕は面が割れているからな ラスト すまないがちょっと行って食料と物資を調達してきてくれないか? 幸いお金はたくさんある」


(えー 僕一人で?)


「あ ああ まかしときなよ アルミちゃん」


「・・・・・・すまないな ナバはグレモちゃんの様子を見ておいてもらわないといけないからな・・・・・・」


 僕は昔のアルミちゃんの前で盛大に格好をつけ親指を立てて返事をしたもののその心は見抜かれていたようだ


 ・・・・・・


「よっしぃ ラストちゃん これで ええでー どっから見ても商人さんだわぁ」


 僕が鎧を脱ぎ軽装になったのを見計らいナバがその辺で集めてきたたくさんの小枝をアルミちゃんの持っていた大きめの布に巻いて渡してきた

 僕は枝を町に売りに行く行商人を演じながらクレスト村へと侵入する手はずだ

 余談だがナバが小枝を集めたのには理由がある・・・・・・この世界では魔法は存在するものの一般人はその魔法を永続的に使用することができない

 生活での燃料は薪が主流でありたくさんの商人が薪を納入する

 小枝はこれらの薪の焚付に使われる為需要があることと 見た目がかさばり大きくなることから怪しまれにくいというのがその理由である


「ジェムラートもあったら買ってきてーな な あと 酒がちょっとのみたいわぁ」


(この緊迫時に・・・・・・・)


「いててて ギブ ギブ わりぃ ラスト わりぃって ギブ」


 僕はナバの背後をとったあとコブラツイストを決める ナバは決まってない方の手で僕の体を叩き降伏を宣言した


 ・・・・・・


「次!よし 次!」


 村へ入る検問では簡易なチェックが行われている


(このスピードのチェックなら 兵士たちに与えられている情報は三眼族 女 剣士 というくらいだろうか?)


「次!」


 僕の番だ・・・・・・


「荷物を開いてみせろ!」


(ったく 高圧的だな・・・・・・はいはい わかりましたよ すぐ見せますよ)


 僕はなるべく反抗的な態度を見せないように眼力と体の力を抜いて黙ってこれに対応する

 開いた所で入っているのは小枝だけだこれならなんの疑いようもないだろう


「これをどこへ持っていく?」


(げげ そ そんなこと聞くのか?・・・・・・あー えっと)


「へ へい この先にあるイモン様の家の焚付でございます」


(適当にこの世界にありそうな名前をいっちゃった・・・・・・)


「そうか あそこの家か・・・・・・ごくろうごくろう よし 行け」


(お ラッキー)


「へ へい」


 僕は開いた袋の薪を整理しもう一度背中にしょってその場を立ち去ろうとする


「ちょっとまて!」


 魔族兵が僕を呼び止める


(やばい ばれたか?)


「へ へい」


「あれだ あの家は イモン ではなくて リモンだ お前の訛りかもしれんが気をつけるんだな」


「へ へい ありがとうごぜます」


(お いいやつ?・・・・・・)


 僕は足早に村の中へと入っていった


 ・・・・・・


 村は割と活気がある感じである町と言っても遜色はないようだ


(あっそういえば 試練の途中だったな・・・・・・)


 僕は一度精神を箱の外に戻す ナバにもアルミちゃんにも異常はなく粘土も形を変えていることはなかった


 ・・・・・・


(さてと まずはこの小枝をどこかにおろさなくちゃな・・・・・・)


「おい こっちにもまわってこいよ きゃはは」


「きゃははははは」


 広場の中で遊んでいる子どもたちの姿が見える なにか学校のようなものだろうか?僕はさほどきにすることもなく民家のほうへ歩いていく

 民家の裏庭あたりを見てそこに焚付がおいてあればもっている荷物をそっとおいておくつもりだった


「!」


 子どもたちの遊んでいた広場の裏手側を通り過ぎようとしたとき一枚の看板が目に入る

 そこには”食料を提供していただける農家様へ いつもありがとうございます”と書いてあるようだ

 どうやら寄付のものを置くバックヤード的な所らしい

 僕は食料が山積みになっている隣にそっと焚付をおろしておいた まぁ少し位役に立つかもしれない


 身の軽くなった僕はもう一度露天の立ち並ぶ通りを目指した


「いらっしゃい にいちゃん どうだい?新鮮なドロップ品あるよ」


 露天の店主が気さくに僕に声をかける


「あ っと それと それをください」


 僕は頼まれているものを足早に購入していく


「にいちゃん 魔獣が空にいるらしい少しだけ姿を隠しておいてくれ・・・・・・」


 店主は小声でそう言い残すと露天のカウンターの下に隠れてしまった


(ん あれは・・・・・・アルミちゃんの従魔か?)


 僕は露天街を離れ人気のない裏道へと入った










































































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