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第二十五話 天眼

今回は2話更新です

相手は強大、初めてから全力で行く!

「優奈さん、強化を!」

 俺は眼鏡を外しながら走り出す。

 星詠が叫ぶ。

「お前たちの全力を見せてみろ!」

 その目が赤く光る。

 星詠の背後にいくつかの()が生まれる。

 星詠が魔術の名を呼ぶ。

「【天星】」

 来る!遠見の魔術による、隕石やスペースデブリの召喚!

 窓から何かが飛来する。

 

 宇宙空間でのスペースデブリの速度は秒速約7〜8km。マッハ20以上に達する。

 宇宙空間から窓を通して地表に来た瞬間に大幅な空気抵抗がかかり、減速するとともに燃焼。

 減速すると言ってもライフル弾よりも尚速い速度で対象に飛来する。

 本来であれば避けることは不可能。

 しかし、黒峰刀也の眼はそれすらも見切っていた。

「【切断】!」

 

 俺の魔術で切り裂かれたデブリは俺の背後で燃え尽きる。

 星詠が叫ぶ。

「まだまだ行くぞ!」

 星詠の背後の窓がさらに増える。

 10を超える数の物体が俺の進行方向に飛んでくる。

 しかし俺はそれを避け、切り裂き、全てを凌ぐ。

 

 その時星詠が呟く、

「なるほど、そう動くのか。なら、()()()()()

 未来が変わる。


「優奈さん強化を!」

 俺は眼鏡を外しながら走り出す。

 星詠の元へと駆け出す。

 星詠が魔術の名を呼ぶ。

「【天星】」

 星詠の背後の窓から物体が飛んでくる。

「【切断】!」

 俺はその一つを切り裂く。

 俺の背後で俺に切り裂かれたデブリが燃え尽きる。

 しかし、その時横から別のデブリが飛び出してきた。

「ぐっ⁉︎」

 ナイフを振り切った瞬間を狙った迎撃不可能なタイミング。

「こっ、のぉっ!」

 俺は転がるようになんとか攻撃を回避する。

 しかし俺が回避した方向にまた別のデブリが襲いかかる。

「ぐぅあっ!」

 なんとか避けようとしたが避けきれずデブリが俺の左手に掠る。

 デブリの威力は強大で掠っただけで俺の左腕は吹き飛び、大きく吹き飛ばされる。

「黒峰くん、大丈夫⁉︎」

 優奈さんが心配の声を上げる。

 とんでもない威力だがこの程度のダメージなら再生できる。

 その時星詠が呟く。

「ほう?再生できるのか。ならもう少し削るとしよう」

「はっ?」

 星詠は更に追撃を仕掛けてくる。

 避けようとするがデブリの一つが俺の右足に当たる。

 俺の右足は吹き飛び、俺は地面に転がる。

 あいつは今俺が左腕を再生しようとした瞬間に「再生できるのか」と言った。

 操蛇さんが高度の星詠の魔術師は占いで未来が見えると言っても過言ではないと言っていた。

 しかし、いくらなんでも占いで再生能力を当てられるのか⁉︎

 攻撃を止めた星詠が説明する。

「不思議そうな顔をしているな。一ついいことを教えてやる。俺は魔眼持ちでな、魔眼の能力は【未来視】。近い未来ほど精度が上がるが、俺の眼にはお前たちの未来が全て見えている」

 俺も優奈さんも絶句する。

 未来が見えているなんてとんでもない能力だ。

 相手の攻撃は掠っただけで大ダメージ、それなのに、相手にはこちらの行動の全てがわかっているという。

 クソっ!こんなんアリかよ!

 それでも、やるしかない!

俺は体を再生し、立ち上がる。

「優奈さん!」

 俺は優奈さんに呼びかける。

 こちらの行動が全て知られているなら、知っていても尚反応できない速度で決めるしかない‼︎

「行くわよ、【瞬間強化】!」

 優奈さんが俺に全力の強化を施す。

 かつて操蛇さんと戦った時の持続時間が極めて短い【瞬間強化】だ。

 星詠との距離は約10メートル瞬きする間に詰められる。

 俺が走り出した時星詠が呟く。

「いい速度だ。しかし、無駄だな」

 俺の走り出しに合わせて星詠の魔術が飛んでくる。

 俺はその全てを切り伏せて星詠に接近する。

「うぉぉぉぉっ!」

 さらに星詠の魔術が飛んでくるがそれらは後方からの投げナイフに破壊される。

 優奈さんからの支援だ。

 しかし、俺が星詠の目の前まで近づいても尚奴は焦らず、ただ一言。

「見えているとわからぬか」

 俺がナイフを振るおうとした瞬間、上からデブリが降り注ぐ。

 デブリによって俺の右腕はナイフごと吹き飛ばされる。

 体勢を大きく崩した俺に向かって星詠が言う。

「終わりだ」

 俺の周囲にいくつもの窓が現れてそこからデブリが襲いかかる。

「クソがっ」

 俺が一言言った瞬間に俺という存在は跡形も無く吹き飛ばされた。



「はっ!」

 俺は教室のような空間で目を覚ます。

 どうやら俺は死んだようだ。

「お目覚めね」

 声がした方を見るとそこにはナビ子がいた。

 俺はナビ子に向かって愚痴を吐き出す。

「おいナビ子、あれって勝てる相手なのか⁉︎勝てるビジョンが全く思い浮かばないんだけど!」

 ナビ子は俺の愚痴に対して冷静に返す。

「ここは現実だけどゲームの世界でもあるわ。クリア不可能のゲームは存在しない。星詠未来にもまた攻略法は存在するわ」

 俺はナビ子に質問する。

「じゃあ、その攻略法を教えてくれよ」

 ナビ子は答える。

「全てを教えることはできない、私ができるのはヒントを出すだけ。だから一言だけ、あなたは1人で戦っているんじゃない」

 1人で戦っているんじゃない?

 いやまぁ、確かに俺は優奈さんと一緒に戦っているけれど、優奈さんは俺に確かな支援をしてくれていた。

 その上で敗北したのだが。

 俺は腕を組んで悩む。

 どうするか、ひとまず死に覚えで星詠の攻撃パターンを探ってみるか?

 優奈さんが殺されないように気をつける必要はあるがそれなりに有効だと思うが。

 悩んででいても仕方がない、やはりここはトライアンドエラーで攻略してみることにする。

「ナビ子、俺はひとまずリスポーンするよ」

 ナビ子にそう一言だけ言い残しリスポーンする。

 俺の意識が遠のいていく。

 そして俺の意識は完全に消え去った。



 客人が去った教室で1人ナビ子は呟く。

「物語のフィナーレは感動的な物であるべきよ。修行して、順当に強くなって終わり、なんてものではない。あなたはそれに気づけるかしら」

 全てを見下ろすその瞳に見えているものは感動的な終わり(ハッピーエンド)か、それとも終わりの無い迷宮(バッドエンド)か、それを知るのは彼女だけである。

 

 

 

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