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第二十話 魔法使い

本当に申し訳ございません、またもや話が抜けておりました

 俺たちと四元との戦いが始まった。

 「2人とも、行きますっ!」

 俺たちはそれぞれ戦闘態勢をとる。

 俺と祈闘さんは一気に駆け出し、四元を挟み撃ちにする。

 次の瞬間には攻撃が当たるというところまできた時、四元が動く。

「その属性は風、その形を壁に限じ、我が敵を跳ね除けよ!」

 それは詠唱だった。

 四元の魔術が炸裂する。

「【風壁(ウィンド・ウォール)】!」

「ぐっ!」

 俺と祈闘さんの目の前に暴風が巻き起こる。

 たまらず俺たちは吹き飛ばされる。

 続けて四元が動く。

 四元は地面に手を置き、詠唱する。

「まだまだ行くぞ!その属性は土、その形を棘に限じ、我が敵を刺せ!」

 四元が魔術の名を呼ぶ。

「【土連棘(アース・スパイク)】」

 四元を起点に俺たちのいる方向に土の棘が次々と生え始める。

 だが幸いなことに真っ直ぐかつそれほど速度も速くないので俺たちは難なく避ける。

「次は俺たちの番だ!」

 また風の壁を出されては敵わない。

 俺は眼鏡を外し、魔眼を解放する。

「行くぞっ!」

 俺四元の方へと突き進む。

 四元が言う。

「同じ手を繰り返すのか?」

 四元が詠唱する。

「その属性は風、その形を壁に限じ、我が敵を跳ね除けよ」

 四元が魔術の名を呼ぶ。

「【風壁】」

「しゃらくせぇ!」

 俺は風でできた壁を切り裂く。

 俺が壁を切り裂いたことで四元は驚く。

 このまま決める!

 切られる直前、四元が動く。

「こっ、のっ!」

 俺と四元の間に風が生み出される。

 四元が僅かに吹き飛び、俺の攻撃はギリギリで空を切る。

 すぐに距離をとった四元が言う。

「驚いた。魔術を切れるのか!」

 その顔はどこか嬉しそうだ。

「それが君の魔術か?いや、それならば最初の時も切っていただろう。ならば、今さっき取った眼鏡が関係しているはず。つまり、君は魔眼持ちでその効果か!」

 四元は早口で捲し立てる。

 今の一撃でそこまで見抜くのもすごいが、それ以上に興奮がすごい。

 少し落ち着いたようで四元が少し照れながら言う。

「いや失礼、俺は魔術が大好きでね。色々と研究しているんだ。もちろん魔眼についてもね。君の魔眼は興味深い、魔術の破壊という能力は魔術、魔眼を含め、聞いたことが無い。あぁ、実に興味深い、今すぐに君を研究したい!」

 またもや四元のテンションが上がっている。

 俺は四元に言い返す。

「あんたが今すぐにリタイアしてくれたら研究できるぜ」

 四元はすぐさまに落ち着き、答える。

「……悪いがそれはできない相談だ。故に仕方ない」

 四元の魔力がさらに上がる。

「私も少々本気を出すとしよう」

 ここからが本番というわけか。

 だが俺たちだってただ見ているだけではない。

 四元の後ろに人影が迫る。

「私も混ぜてください」

 祈闘さんが四元に全力の殴打をぶつける。

 四元が反応する。

「甘いっ!【土壁(アース・ウォール)】!」

 土の壁が地面からせり上がり、祈闘さんの攻撃を防ぐ。

 壁は破壊されたが四元には傷一つついていない。

 四元が祈闘さんに気を取られている内に俺も四元に追撃を与える。

 しかし四元はこちらにも反応する。

「おっと、危ない」

 四元が大きく飛び立つ。

「なっ⁉︎」

 驚くことに四元は空に立っていた。

 よく見ると四元の足元に風が発生している。

 風の足場によって空中に立っているように見えるのだろう。

 四元が話す。

「我が四元家の魔術は地水火風、四つの元素が世界を構成するという理念を元にその四つの元素を操ることで意のままに事情を引き起こす。そんな我々【四元魔術】使いはとある呼び名が付いている」

 四元の周りに赤、青、黄、緑の色をした魔力球が生み出される。

 四元が続ける。

「指先一つで世界を変える、まるで御伽話の魔法使いのような姿からついた名は……」

 四元の周りの魔力球が矢の形に変わる。

魔法使い(ファンタジア)

 地水火風、四種類の矢がそれぞれ五十本ほど降り注ぐ。

 これはまずい!

 俺たちは全力で逃げる。

 途中で優奈さんを回収し、四元から距離をとる。

 土の矢は容易くコンクリートを破壊し、水の矢は僅かな隙間を通り抜け、火の矢は着弾した箇所に燃え広がり、風の矢はどの矢よりも速く飛んでくる。

 俺たちはなんとか近くの住宅に隠れる。

 いくらが被弾してしまったが俺ならば問題は無い。

 祈闘さんと優奈さんはどうにか無事なようだ。

 くそっ、空から弾幕を張れるなんてとんでもないな!

 四元が魔術の矢をばら撒いたあたりはまるで爆発が起きたような状況になっている。

 以前として四元は空を飛んだままだ。

 このまま上空からちまちま攻撃されていては埒が開かない。

 俺は優奈さんに話しかける。

「優奈さん、俺に瞬間強化をかけてください。俺が四元を引きずり下ろします」

 優奈さんは数秒考えた後答える。

「そうね、お願いするわ」

 祈闘さんがそれに続く。

「なら私は黒峰さんが四元を引きずり下ろした時に追撃を仕掛けます」

 作戦は決まった。後は実行に移すだけだ。


 俺は勢いよく住宅から抜け出す。

 俺は優奈さんに呼びかける。

「優奈さん、お願いします!」

 優奈さんはそれに答える。

「えぇ、行きなさい!【瞬間強化】!」

 優奈さんから魔力が供給され、俺の体は風を切る。

 俺は四元の近くの住宅を駆け上がる。

「【魔切断(マジック・ディバイド)】!」

 俺は四元の足元を狙ってナイフを振るう。

 四元が呟く。

「狙いは良い。だが、少々真っ直ぐすぎたな」

 俺の背後から赤い光が胸元を貫いた。

「がっ」

 俺は地面へと勢いよく落下する。

「黒峰くん‼︎」

「黒峰さん‼︎」

 2人が悲鳴を上げる。

 倒れ伏した俺の胸元からは大量に血が流れ、地面を紅く染めている。

 四元がゆっくりと地面に降り立つ。

「すまない、できれば殺したくはなかったが俺だって負ける気は無いのでな」

 まずい、心臓は再生できない。

 どんどん意識が遠のいていく。

 俺は掠れた声を出すことしかできない。

「ちく……しょう……」

 そこで俺の意識は落ちた。




 俺は教室のような空間で目を覚ます。

「あら、目が覚めたわね」

 もう聞き慣れてしまったナビ子の声が聞こえる。

 俺は顔を上げる。

「くそっ、俺は死んじまったのか」

 ナビ子が答える。

「えぇ、あなたは四元学人の魔術に胸を貫かれて死んだわ」

 空中ではうまく避けることもできないのであれではどうしようも無い。

「なぁ、ナビ子。俺はどうすればよかったんだ?」

 俺はナビ子に質問する。

 ナビ子がいつものようにヒントをくれる。

「そうね、あなたが死んでしまったのはあなたが直接四元の魔術を切りに行ってしまったのが原因よ」

 俺はナビ子に反論する。

「けど、あのまま空を飛ばれていたら結局負けちゃうだろ」

 俺の反論にナビ子が答える。

「ばかね、あなたは1人で戦っているんじゃないでしょう?」

 そう言われて俺は思いだす。

「そうか!優奈さんに感覚共有をしてもらえば優奈さんでも魔術を切れるのか!」

 俺は喜びの声を上げる。

 そこにナビ子がさらに付け足す。

「本当はあなたがナイフを投げて魔術を切れればいいのだけどあなたはまだできないのでしょう?」

 ナビ子に痛いところを突かれる。

 そう、優奈さんは当たり前のようにナイフに【魔切断】を付与して使っていたが、俺にはまだできない。

 元々ナイフを体の延長としてイメージして魔術を使っているためナイフを投げてしまうと体を離れた途端にただの魔力で強化したナイフになってしまうのだ。

「ともかく!これで突破口が開けそうだ。俺はリスポーンするよ」

 話を切り上げ俺はリスポーンすることにする。

 ナビ子が俺に話しかける。

「ねぇ、なるべく死なないようにするのよ」

「え?あ、あぁ」

 ナビ子の言っている意味がわからない。

 そりゃぁ死ぬ気は無いが、いったいどういうことだろう?

 そんなことを考えているとだんだん意識が遠くなっていく。

 俺はリスポーンした。




 声が聞こえる。

「そうかならば仕方ない、戦うとしよう」

 今回も無事にリスポーンすることができた。

「2人とも、行きますっ!」

 俺は眼鏡を外し、最初から全力でいく。

 前回と同様に俺と祈闘さんで四元を挟み撃ちにする。

 俺と祈闘さんがあと一歩で四元に届くといったところで四元の詠唱が完了する。

「【風壁】!」

「効かねぇよ!」

 俺は風の障壁を切り裂く。

「何っ⁉︎」

 魔術が切られたことに四元は驚く。

 俺はそのまま四元に追撃する。

「はぁっ‼︎」

「ぐっ!」

 四元は転がるように避けるが脇腹を僅かに裂かれる。

 四元はたまらず距離をとる。

「驚いた、まさか魔術を切るとは」

 休む暇は与えない。このまま追い詰める!

 俺はさらに追撃を仕掛ける。

 空を飛ばれれば優奈さんに対処してもらうつもりだが、【感覚共有】は負荷が重いため、できればやらせたくはない。

 故に連続攻撃によってこのまま押し切る!

 四元は風で動きを補助しているのか飛ぶように俺の攻撃を避ける。

 祈闘さんも攻撃を仕掛けているが魔術の壁によって防がれてしまっている。

 頭に一際大きな頭痛がした。

「ぐっ……」

 俺は一瞬動きを止めてしまう。

「止まったな」

「あっ!」

 俺が動きを止めた隙に四元は飛び立ってしまう。

 四元が話す。

「全く、息つく暇も無い連撃だったな。おかげで冷や汗をかいたよ。お礼と言ってはなんだがもう少し本気を出すとしよう」

 四元の周りに膨大な数の魔力球が生み出される。

 まずい!あれがくる……!

 さすがに今から優奈さんに感覚共有をして四元の浮遊の魔術を切ってもらうのは間に合わない。

「2人とも逃げてください‼︎」

 俺たちは全力で逃げ出す。

 四元が叫ぶ。

「もう遅いっ!」

 合計200、四種類の魔術矢が降り注ぐ。

 俺たちは前回と同じで近くの住宅に身を隠す。

 今度は俺も無傷で避けられた。

 相変わらずとんでもない威力だ。

 早速俺は優奈さんに作戦を話す。

「優奈さん、【感覚共有】をして四元の浮遊の魔術を切ってくれませんか?おそらく俺だけだと迎撃されてしまうので」

 優奈さんが答える。

「そうね、ずっと浮かれてるとなす術が無いものね。わかったわ。やりましょう」

 優奈さんが魔術を使おうと集中する。

「【感覚共有】」


 魔使優奈の見る世界が変わる。

 これにより彼女もまた魔術を切れるようになる。


 優奈さんが言う。

「それじゃあ、行くわよ」

「はい!」

 俺たちは勢いよく住宅から飛び出す。

 優奈さんが叫ぶ。

「行きなさい!【瞬間強化】!」

 俺の体がさらに強化され速度を上げる。

 俺が住宅を駆け上がると同時に優奈さんがナイフを投げる。

 四元が反応する。

「くっ!」

 2方向からの攻撃に四元は対処できない。

 四元は俺の方を狙うがその攻撃はわかっているため容易に防ぐ。

 優奈さんが投げたナイフが四元の足元に当たり、魔術を切る。

「何っ⁉︎」

 四元を浮かせていた魔術が消え、四元は落下する。

 そこに祈闘さんが追撃を仕掛ける。

「はぁっ!」

 四元に攻撃が当たる直前、四元が魔術を使う。

「舐めっ、るなぁ!」

 四元は上空に向かって風の魔力を放出する。

 これにより四元は加速し、祈闘さんの攻撃を避ける。

 普通であればその後四元は勢いよく地面に叩きつけられるはずだがまたもや四元が魔術を使う。

「水よっ!」

 水の魔力球が生み出されクッションとなって落下の衝撃を和らげる。

四元に距離をとられてしまう。

 四元が言う。

「ふぅ、危ない、危ない。失念していたよ、そう言えば魔使家の魔術師は使い魔の魔術を使えるのだったな。高位の使役魔術師しかできないはずだが候補者なのだから当然と言えば当然か。であれば、こちらも全力を出さねばなるまい」

 四元がとうとう本気を出すようだ。

 四元がまだ出していない手札と言えばおそらく秘奥!

 さすがに2人も他家の秘奥は知らないようだった。

 出される前に叩く!

 俺は一気に駆け出す。

 同時に四元が詠唱する。

「火よ水よ風よ土よ、結合し、反発し、遍くを無に帰す力となれ‼︎」

 俺がナイフを振るう時、四元が俺に右手を向けた。

「【四元家秘奥・(ゼロ)の魔力】」

 四元の右手から半透明な魔力球が生み出される。

 魔術であるならば俺の【魔切断】で切れるはず!

 このまま押し切る!


 俺の考えは甘かった。四元は俺が魔術を切れるとわかっているはずなのに何故秘奥を使ったのか、俺はその考えに至らなかった。

 俺のナイフが魔力球に触れる。

 その瞬間、閃光が瞬いた。

 響き渡る轟音、視界を白い光が染め上げ、俺の体は大きく吹き飛ばされた。

 俺の体は住宅の壁にめり込むことでようやく止まる。

 ナイフを持っていた俺の右腕はナイフごと消し飛んでいた。

 

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