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第23話「紫煙の街、巫女は大正時代へ迷い込んで……。」
昭和のジュリアナ東京から、
コケて転がり出た卑弥呼。
――ヒール折れたんかいな。
「ここはどこや…?」
見渡せば、やたらとハイカラな空気。まるで外国? いや、日本や。
でも、なんか違う。
洋装の女たちが行き交う。
ボブヘア(ボブ・ディランの親戚ちゃうで)
ワンピース(ピース一服ちゃうで)
ハイヒール(モモコでもないで)
カツン、カツン、と舗道に鳴る音が、時代のリズムを刻んどる。
モダン焼きが「モヤ」なら、
この街、ちょい霞みすぎやろ(笑)
モダンガール――略して「モガ」
なるほど、ええ響きや。
なんやオシャレやんけ。
「ほな、大正へ街歩きや」
……大正??
弁天町どこやねん!
(それは環状線や)
大正マロン? 栗か!
……ちゃうわ、大正ロマンや!!
土の匂いをまとったまま、時の裂け目を、ひらりとまたいで――卑弥呼は来た。
電線きらめく、大正の街へ。
下駄やのうて、革靴が鳴る舗道。
カツ、コツ、カツ。
「さてさて……」
古代の巫女、
文明にちょっと戸惑い気味。
「さぁ、どうしたものやら…」
とりあえず、ハイカラに負けんよう、背筋だけはピンと伸ばしてみた。




