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よもやまストーリー  作者: 妻戸裕次


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23/24

第23話「紫煙の街、巫女は大正時代へ迷い込んで……。」

昭和のジュリアナ東京から、

コケて転がり出た卑弥呼。

――ヒール折れたんかいな。


「ここはどこや…?」


見渡せば、やたらとハイカラな空気。まるで外国? いや、日本や。


でも、なんか違う。

洋装の女たちが行き交う。

ボブヘア(ボブ・ディランの親戚ちゃうで)

ワンピース(ピース一服ちゃうで)

ハイヒール(モモコでもないで)


カツン、カツン、と舗道に鳴る音が、時代のリズムを刻んどる。


モダン焼きが「モヤ」なら、

この街、ちょい霞みすぎやろ(笑)

モダンガール――略して「モガ」


なるほど、ええ響きや。

なんやオシャレやんけ。

「ほな、大正へ街歩きや」


……大正??

弁天町どこやねん!

(それは環状線や)


大正マロン? 栗か!

……ちゃうわ、大正ロマンや!!


土の匂いをまとったまま、時の裂け目を、ひらりとまたいで――卑弥呼は来た。


電線きらめく、大正の街へ。

下駄やのうて、革靴が鳴る舗道。


カツ、コツ、カツ。

「さてさて……」

古代の巫女、


文明にちょっと戸惑い気味。

「さぁ、どうしたものやら…」


とりあえず、ハイカラに負けんよう、背筋だけはピンと伸ばしてみた。

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