第二十二話 美少女との朝
日曜日投稿間に合いませんでした!!すみません!!そして、今回短めです・・・。
前回のあらすじ:第二王子主催のパーティーに参加。第三王子と遭遇し、第二王子に協力することを主人公は決断した。
※タイトル付け忘れてたので付け直しました(3/6)
「ふわぁ・・・ああ」
大きな欠伸をして俺は体を伸ばす。現在時刻は不明だが、朝なのは確かだ。部屋のカーテンからの外からは光が照らしている。ぐーっと伸ばした手をベッドに下し、ふに、と柔らかいものに触れる。
「・・・?」
首を傾げつつ、ふにふにといじる。・・・そういえば、俺はなんでベッドにいるんだ?
ギギギ・・・と油の切れたブリキ人形のような挙動で心地よい触り心地を提供してくれる何かを確認する。そこには・・・全裸のクーが寝ていた。女子は柔らかい・・・ってそんなことを考えてる場合ではない!
即座にクーに布団をかけて、再度ギギギ・・・と己の状態を確認する。全裸だった。
さて、と・・・。
なんでこうなったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!
クーに手を出したことが師匠にバレたら本気で殺される!?!?師匠のドM性を利用して大半の部分は手綱が・・・というかアドバンテージとかはあるが、ことクーに至っては容赦ないのは知っている。恐らく、師匠のことだ。クーのためにであれば、ためらうことなく世界をも敵にするだろう。
いやいやいやいや待て。よくよく考えろ!!昨日の出来事を!!そうだ、昨日は第二王子主催のパーティーに参加していた!!全滅していた立食コーナーもコックたちの尽力によって戻った。まあ、その全滅させた張本人である少年が再び八割近くを食いつくしたわけだが。そのあと、口直しにドリンクを飲み、・・・・・・・・・・・・あれ?
・…………………………………………………………………………………………………………………………………………・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?
・・・あれあれあれ?
おかしいな?その後の記憶がないぞ???
ジュースにしてはちょっと苦みを感じたような気がするが・・・まさか、あれ、酒か!?
おおう、ウェーイトウェーイト。俺は前世ではそこそこ酒に強かったはず・・・いや待て。今の俺は子供だ。もしかして、それも関係して一気に酔いが回って・・・クーと全裸でベッドに入り・・・そして・・・。
・・・。これは、あれか。俗に言う詰みという・・・いや待て。まだ待て。そうだよ、まだ終わったとは決まっちゃあいない。証拠隠滅・・・というか、せめて服さえ着ておけば四歳児が同い年の女の子と添い寝してただけの微笑ましい光景になるじゃないか。よし、そうと決まれば服を着せればいい!!
部屋を見渡せば脱ぎ捨てられた服の山があった。その中からパンツを取り出し穿くっ・・・て、俺が穿くより先にクーに履かせないと意味ないじゃないか!?俺だったら起きてるから着替えてるっていう言い訳が聞くけども、裸の少女がいたらほぼ確じゃん!?
服の山からクーのパンティを探し出す。握った瞬間、それを顔に近づけ匂いを嗅ぎたいという欲求を全力で阻止しベッドへ近づくってしまったぁ!!これ中身が成年じゃん!!これでパンツ穿かせてたら事案発生っていやいやいやいや。俺は四歳。セーフだセーフ!
ふうはあ、と息を荒くしながらパンツをクーの足に通す。足の付け根は見ないように必死に足元だけを見る。両穴通ったな?これをあとは目を瞑って上まで上げれば・・・。
トントン・・・ガチャリ
「ラーデンス様、起きていらっ・・・失礼しました」
ドアを開けてすぐさま立ち去ったのは俺の専属メイドであるミリアだった。ってか、今物凄くマズいシーンを見られた・・・?
「ちょっと待てー!」
####
「なるほど。つまり、ここで間違いはなかった、といいたいわけですね?」
「そ、そうです。僕は何もしていない」
あのあと、急いで部屋から出てミリアを部屋に連れてきた俺はミリアに必死の弁明をしていた。
「では、あの時は何をしていたのでしょうか?」
「えと・・・」
ミリアの割と困る質問に俺は口の端を引くつかせた。
「私の見間違いでなければ、ラーデンス様はパンツを両手に脱がせていたように見えたのですが」
「違う!逆だ!!穿かせていたんだ!!」
俺は素直に答えた。だが、ミリアの視線の温度がぐっと下がった気がする。
「穿かせていた・・・?つまり、その前は穿いてなかったということですね?」
ピキリと俺は固まる。・・・しまったー!!!
だらだらと流れる冷や汗を感じながら俺は答える。
「や、そ、そんなことは・・・なかったってーかー、なんてーかー・・・」
「あったんですね?」
じぃっ、とこちらの目を見つめてくるミリアに俺は観念した。以前の件から見ても賄賂は成立しないしな。
「・・・実は」
観念した俺は昨日のパーティーのことから話し始めた。そして、飲み物を飲んだところで記憶がなくなったところで全てを察したようだった。
「ふむ、なるほど、そういうことですか」
「ええ・・・そんな感じです」
「メイドの誰かが子供用のジュースと、大人用の飲み物を間違えてしまったようですね。後できつくしかっておきますので・・・」
「え?ああ、いえ・・・そこまで気にしては・・・」
「では、しかし。問題が残りますね」
「問題・・・?」
「はい・・・」
そう言って、ミリアは俺を見た後にベッドでまだ眠るクー(着衣済み)を見る。俺は察した。
「え、えーと・・・」
「ラーデンス様は少し外でお待ちください」
「そ、外・・・?」
「ええ。今から行うのは男性にはお見せできませんから。・・・私が言うまで入ってこないでくださいね?」
怖い笑顔を浮かべるミリアを前に俺は急いで廊下を飛び出る。・・・そして、気づいた。
・・・パンツしか穿いてない・・・。
####
「ラーデンス様、お入りください」
「は、はい!」
廊下を通る人々に見つからないように光学迷彩の魔法を発動した。この魔法、本来は奇襲用に作ったんだけど・・・。作ったときはこんな想定してなかったわ・・・。
それはそれとして、ミリアから許可が出たので部屋に入る。一見何もないようだが・・・?
「えっと・・・?」
「ご安心ください。ラーデンス様とスーラン様はただ、同じベッドで寝ていただけです」
「ええ・・・?」
いきなり言われても困るんだがって顔をしたのが分かったのかミリアは続けるように言った。
「確認しましたから」
確認しましたからって、何をだよ・・・と思った俺は、先ほど俺を外に出して部屋の中でミリアが行ったことが男に見せられないことということを思い出した。つまり、そういうことなのだろう。膜の有無を確認したのか。
「あ~・・・よかった・・・」
そこまで理解が及んだとき俺は安心して地面に座り込んだ。結構脱力しているあたり、俺も師匠の怒りが怖かったらしい。まあ、当然か。普段の態度を見ればある程度は予想できるのだ。
「安心なさるのはよろしいのですが、ラーデンス様」
ミリアは俺のことをじっと見て言う。
「お召し物を・・・」
俺はパンツ一丁であったことを思い出した。
「・・・えと、すみません」
「いえ、これはこれで・・・」
「え?」
とりあえず、ミリアに謝ってみたものの何か不穏な気配を感じたような気がした。木のせいかもしれない。
「いえ、なんでもございません。お召し物を準備いたします」
ミリアは俺がその気配について追及する前に退室していた。服を探しに行ったのだろう。・・・今日はどんな服を着せられるんだ・・・?
「んん・・・」
後ろから聞こえた声にビクッとして振り返るが、どうやらクーが寝返りを打っただけのようだ。ふぅ・・・とため息を漏らしたとき、俺は気づく。
今の俺はパンツ一丁だ。これからクーを脱がしにかかり決戦を始めようという格好にも見えるかもしれない。・・・未遂であっても師匠には殺される。
俺はそこからミリアが来るまでの一時間、再び恐怖を味わっていた。一体一時間何をしていたのか、俺は問いかける暇はなかった・・・。
「まあ、それはそれとして」
ようやく帰って来たミリアにいつもの通りに服を着せてもらい、人心地ついた俺はミリアに話しかけた。ちなみに、今日の俺の格好は、町民が着るような、普通のズボンと普通のシャツだった。俺がこの城に来た時の服だな。
「今日の予定は何かあるんですか?」
「いえ、本日のご予定は特にありません」
ミリアの返事を聞き、俺は「う~ん」と唸る。なんだかんだ言って、城に来てからは毎日何らかの用事があったから、今から何しようという意見が瞬時には思い浮かばなかったのだ。ちなみに魔法の修練は(夜に意識がちゃんとあるときは)行っているので大丈夫だ。・・・王都に来てからまともに修練した回数が少ないような気がしたが、大丈夫のはずだ。
「何をしようかな・・・」
正直な話、この城の中はほとんど見たことがある(王族の私室や、倉庫やキッチンなどを除いて)ため、城を散策しようと言う気は起きない。少なくとも今日は、だけども。そんな風にうんうん悩む俺にミリアはポツリと告げた。
「街に出られてはいかがですか?」
それを聞いて俺はぽかんとしていただろう。まさに目から鱗の話だった。というか、考えが足りなかっただけなのだが。しかし、そうか。そうだよな・・・城に一時期滞在しているからって、そこで全てが終わるわけじゃない。城下町を見るのも立派な観光だろう。
「そうだ、折角だし王都の師匠の家も行ってみるか」
俺はそう呟いて頷き、ミリアに言う。
「そういうことなので、本日の予定は町に散策ということにします、ミリア」
「ええ、いってらっしゃいませ」
そうはいったものの、一人で行くのは寂しい。そうだ、折角だからクーを誘っていくことにしようか。
そう考えた俺は、クーに近づこうとするが目の前にミリアが立ちはだかる。
「・・・えっと?」
「一体何をなさる気でしょうか」
おっと、なんかミリアの目が性犯罪者を見るようなそれになっているぞ?
「いや、クーも誘おうかと思いまして」
「ああ、なるほど。ですが、嫁入り前の女性の肌を男性が気安く触るのはいかがなものかと」
「いや、触らないと起こせないし・・・」
「いえ、その役目は私が務めさせていただきます」
そう言ってミリアは優しくクーの体を揺らす。そうすることしばらく
「・・・ん~?」
クーがゆっくりと目を開く。その表情はボーっとしていて目は半目の状態だった。
「おはようございます、スーラン様」
「ん・・・おはよう・・・」
ミリアのあいさつにゆっくり返事をするクー。そして、そのまま俺の方へと顔を向けた。瞬間、ボッと音が出そうなくらい赤くなる。そして、ベッドの中へ潜り込んだ。
「って、ええ?!」
なんだ、あの反応・・・。昨日まるで何かあったみたいじゃないか・・・!!
「・・・ああ、そういうことですか」
俺がドキドキしていると、ミリアが何やら思案顔でぼそっと呟くのが聞こえた。今、なんていったんだ・・・?
「とりあえず、ラーデンス様もう一度、外に出てもらえますか?」
「え・・・、ええ?」
先ほどのことからミリアに任せた方がいいと俺は判断し、再び外へ出た。
「お、ケイン君。ようやく出てきたじゃないか」
師匠と遭遇した。
コマンド!!
→逃げる
逃げる
逃げる
逃げる
ケインは逃げようとした!しかし、回り込まれてしまった!!
なんてこったいマンマ・ミーア!!
「おいおい、いきなり逃げることはないじゃないか?キミにはちょっと聞きたいことがあるだけなんだから」
安心させるかのように笑みを浮かべる師匠。だけどね、師匠。一点だけ間違ってるんだ。目が笑ってない。いくら安心させたいからって目が笑ってなけりゃ台無しだよ!!
「じゃあ、とりあえず質問。クーを知らない?昨日から帰ってきてないんだけど、さ?」
うわおいきなり直球質問、怖い!!
「く、クーですか・・・な、なぜそれを俺に聞くんです・・・?」
居場所は知ってるが、いうわけにはいかない。流石に一緒のベッドで寝ていたと知られていたら命の一つや二つ、覚悟せねばなるまい。・・・命は一つしかないけど!!
「いやね?昨日クーは王宮魔法使いの弟子や妹弟を集めたパーティーに参加したんだよ。それは君も知ってるよ、ね?」
コクコクコクと俺は頷いた。傍から見たら怪しいかもしれないがこの時の俺にはそこまで考える余裕はなかった。
「で、その後は・・・?」
「し、知ら・・・」
「ラーデンス様、スーラン様がもう入ってきていいとおっしゃっています」
ミリアがドアを開けて俺の言葉をさえぎると、師匠の目がきらりと光った。
「へぇ、ボクがここにいるってことは、部屋の中には他のスーランがいるってわけだ。だけど、残念だけどスーランなんて家名、ボクの家以外ないんだよね。ケインくん、これ、どういうことかな?」
がたがたがたと俺は震えていたが、生憎と答えることはできなかった。




