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きょうだいの仲
思い出したのか「お釣りちょうだい?」と手を出すあなた。眩しそうにしながら、「帰りの電車に乗るお金がなくなっちゃった」といって笑うあなた。ちょうどそのニコニコ顔で。そうやって車椅子の上から送ってくるニコニコは、34年前ミスタードーナツ店内で向かいの席上からよこして僕を困惑させたニコニコと少しも変わっていない。
あなたは一年上の妹。僕は一年下の兄。ミスタードーナツの日以来、そう思われた。僕は一人っ子だからきょうだいの絆というものを知らない。甘えたり甘えさせたりする楽しみを知らない。あなたとなら出来ると直感した。あなたとはきょうだいの仲。
なんせあの日、僕にとって驚きだったこと、それは、かつて僕らが同じ駅同士だったと、その事をあなたの口から聞いたんだよ。ミスタードーナツの駅──僕らは中学まであそこの駅を使っていた。通学するのにいつも同じ駅で乗り降りしていたんだね、テレジアと五十助は。




