表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の初恋は若年性  作者: わたしはオジヘル
7/42

介護の仕事なんか

受講料なし、とはまあ、言葉のアヤ。一旦は全額負担します。とりあえず、テキスト代と併せて『初任者研修』の費用を納めなければなりません。未経験の人間を雇い入れる引き替えに、そこの収益事業たる『初任者研修』を受けさせる。しかも、研修終了後には正規入社する必要がある。正規雇用になって一定のあいだ働けば、お祝いに『初任者研修』に掛かったお金をキャッシュバックしてくれる。だいたい上のようなパッケージディールでした。


わたしの場合、当該ホームに嫌気がさして研修終了と同時に再びハローワークのお世話になりに行ったので、キャッシュバックの特典を棒に振りましたけれども、でも、勤務初日から高齢者福祉の本当を目の当たりに出来たことが、かえってこんにちのテレジアと自分との為には祝福でした。『初任者研修』が無駄だとするネット上の書き込みが、いかに正確だったか思い知る期間──ホームでパート勤務した数か月は、そのような期間ともなりました。


なにせ、『初任者研修』で聞く授業と、ホームで見る実際と、あたかも天と地です。前者によれば、ホームで暮らす方々は大事なお客様、この国が今ある有難さを思う時、尊敬と感謝の念を捧げべき方々。その大事なお客様を遇するのに、後者はと言えば、「危ないから立たないで!座ってて!」と怒鳴る正規雇用の介護員たち。「毎日々々同じことを何回言わせるのよ、あなたは」と、尊敬と感謝を込めて、ホームでは“あなた”と呼ぶのでした。


「介護の仕事なんか、国語を運用する力を欠いた者でさえ務まるわざだ。それこそ、どこの誰にさせたって同じ。他には雇ってくれない落伍者に残された最後の道が介護の仕事であろう。賤業だ。底辺だ。一生あの賃金で働かせれば十分」と世間でも大方そう評価しているらしいゆえ、すすんで従事する人は多くない。なるほど、と今更のように頷かされます。


そんなホームと言い条、数か月にわたったOJTがせめてもの救い、対要介護者の場面で用いる基礎の色々を学びとる機縁となりました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ