159/173
「ありがと。」
聞き終わると、伯母様は頭をさげて、
「ありがと。」
田村君は狐にでもつままれたかと思いました。
「言ったでしょう?あの子はあなたを好いているって。へそ曲がりで一途だから、嫌いな人の前ではニコニコしないの。」
田村君は、二度と朋子にあえない覚悟で白状しました。施設に電話をいれられクビになるつもりでした。
なのに、伯母様のこの反応は、いかなる道理か。
「朋子にしたって施設を気に入っていない。がっかりしているはず。入居した始めこそ良かったけれど、今では大違い。だからあの子、笑わないでしょう?職員の人たちの機嫌を取ることをしないのよ。ちょっぴり損な性格ね。」
以来、頻繁にファミレス・デートするようになりました。
一人がお茶を飲んで待っていれば、もう一人がやって来るのでした。




