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俺の初恋は若年性  作者: わたしはオジヘル
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145/173

暗黒な部分

女性は、朋子と同じで、言葉を使って意思を伝えることが出来ませんでした。けれども、朋子と違って、声を出すことは出来ました。


彼女はよく、奇声を発しました。どんな時でも、どんな時間帯でも、理由もなく、悲鳴をあげました。


悲痛な調子を響かせました。


食事している最中に、突然、「アア、アアアッ!」と言います。ベッドで昼寝していたかと思えば、部屋から「アア、アアアッ!」と聞こえます。


そこでまず、女性に行なわれていた介護の質から書きます。


OJTで女性のオムツ交換をした話です。


ノックして女性の部屋に入ると、小さな声を出していました。それは震える声でした。


田村君は、女性に対して、体をあっちの壁側へ傾けてくださいと摩るようにして促しました。


それからズボンのこっち側をおろそうとしたらです。


女性は田村君の手を抑えて、ズボンを下げさせないようにしました。


見ていた指導係の男性職員が笑いながら注意しました。


「大丈夫大丈夫。いつもこうだから。でもお尻ふきを使う時、気をつけてね。特に陰洗。この人、あまり叮嚀にしてあげると癖になるかも知れないから。」


注意されたとき、何の意味だか分からないで、休憩時間に尋ねました。


で、ここから先が、暗黒な部分です。


指導係の話だと、女性が声を出すようになったのは、あるパートタイムの夜勤者が、シフトに入りはじめてから。


夜勤者は六十代後半の男性で、ふたつみっつの老人ホームを掛け持ちして働いていた。


女性の悲鳴が聞かれるようになって、ふた月み月すると、ホームでは怪しい目で彼を見はじめた。

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