これから話すお話のスタート
のっけから話の順序を間違いましたね。
かっこ良くのろけよう、真菜先生に格好をつけたい。そのように欲するあまり、いつもの悪い癖が出てしまいました。
真菜先生は昔の朋子を思わせます。もしStanley先生の奥さんでなかったら、材料提供に事寄せてアタックしたいくらいです。
真菜先生を感心させたい。感動させたい。好感度アップで攻略。真菜先生をゲット。僕の魂胆だったようです。真菜先生の分析だと、どのようでしょうか。
話には順序というものがあって、スタートから始まり、フィニッシュで終わります。
順を追って書かないと、またわけが分からなくなります。
というわけで、いったんスタートに話を巻き戻します。
これから話すお話のスタートは、去年です。
去年だから2025年です。
2025年の4月。4月の頭です。その、ある晩のことでした。
来年になったら死んじゃうとは少しも知らないで、田村君は夜桜見物していました。酔っ払い二人と酒を飲んでいたのです。中学高校の同級生です。
一人の酔っ払いが田村君に向かって言いました、
「おまえ朋子が好きだったよな。
いま何してるか知ってる?
老人ホームで暮らしてるんだって。
あの子が要介護。びっくりしたね。
ずっと独身なんだって。未婚の母。
朋子が未婚の母だよ。
しかも子供はどこに行ったか分からない。
おい田村、おまえ介護しに行ってやれよ。」
聞いた田村君は、いっしゅん酔いがさめました。その次に頭が真っ白になりました。彼は気を失っても良さそうでした。




