第11話 コードネーム《S-9》 file 武田直昭
銀行強盗の悪戯者との戦闘から数日、直昭(以下俺)は他の9人のメンバーと共に約束していた野球観戦を見に行った。前回行こうとしていたところで出動要請があったため俺以外は楽しむことが出来た。しかし、俺の保持している能力によって先の未来まで見えてしまうため試合結果が大体分かってしまい心中あまり楽しむことが出来なかった。
俺の能力は未来予測。この能力は文字通り自分自身が見たい未来を見ることが可能である。しかし、スポーツ観戦などでこの能力を使用すると結果まで見えてしまい、面白さというものがなくなってしまうため能力の使用には気を付けているものの自然と見えてくるようになってしまうのである。だが、悪戯者との戦闘では効力を発揮する。なぜかというと、未来を予測し対象の悪戯者がどのような未来を迎え、どのように排除されるのか見ることが出来る。しかし、対象が強力でメンバーの誰かが死んでしまうなどした場合、事前に対策できるため戦闘において重要な役割を果たしている。
「試合終わったけど次はどうする?」
「今日はもう暗いしな~飯食って帰るか!」
「そうね!どこ行く?」
と野球の試合後10人で歩きながら夕飯の話をしていた。すると俺の能力が発動した。映像には夕飯を食べずに悪戯者と戦っている映像が見えた。この後出動がかかるのだろうかと予測していた。
「皆、今俺の能力が発動した。この後悪戯者排除のため出動する」
「そうなのか直昭?」
「あぁ隊長。飯を食うのは良いが出動要請がかかったらすぐに行けるようコンビニ飯にしよう」
「えぇ~直昭それ本当?こんな時間に悪戯者の出動なんてあるのかな?」
萌と隊長の靖治は悪戯者の出現にあまり俺の言葉を信じていなかった。しかし、時間帯・場所・日付などを教えた結果、多祥なりとも信じてくれた。俺の能力には差がある。わずかなズレで予測は変わるため明日になる可能性だってある。信じられないのは無理もない。すると基地から通信が入った。
『東京都水道橋にて炎と氷を司る悪戯者の出現を確認。S部隊は所定の場所へ集結せよ』
「了解。現在我々は東京ドーム周辺を歩行中。悪戯者の出現場所を教えてくれ」
『現在悪戯者は都営三田線水道橋駅にて活動中。近いようなら早急に任務を開始せよ』
基地司令の命令によってS部隊は走って都営方面の水道橋駅まで走っていった。
「直昭、疑ってしまって申し訳ない。今は悪戯者排除のため頑張るぞ!」
「私もごめんね直昭」
「大丈夫だ。今は急ごう」
悪戯者出現現場へ駆け足で向かった10人は水道橋駅の階段を降りていった。階段を降りると6人の悪戯者が炎と氷を用いて暴れていた。人質などはいないため活動しやすい。
「森一、能力妨害を使用せよ」
「了解!」
《そこにいるのは分かってるんだよ!英雄!》
物陰に隠れながら監視していたが彼らにバレてしまった。バレたことにより炎と氷を用いていた悪戯者のメンバー2人が炎と氷を混ぜた能力を使って攻撃してきた。
《炎氷球!おらぁ!》
「隠れろ!」
「危ね!っ!痛っ!」
能力を使用を開始していた森一の腕と足に炎氷球が当たってしまい火傷と凍傷が同時に発生した。軽度であったため今後の活動に影響を及ぼすことはないが大事を取って後退させた。代わりに靖治の完全防備と水崎の重装甲で守備を固めて攻撃に躍り出た。
「孝!身体掌握!」
「任せろ!これでどうだ!」
すかさず孝は身体掌握で相手の動きを封じる。しかし、再度俺の未来予測ではこの戦いは厳しい戦いになると予測してきている。俺たちが負けるはずない。
結果的に孝の身体掌握の効果によって相手の筋肉を掌握し動きを封じることに成功した。しかし、火炎陣などを敷かれるなどの攻撃を受けるが靖治の完全防備
で防ぎ、悪戯者の攻撃が停止した。
「総員!敵を捕らえろ!」
「了解隊長!」
すると再び俺の脳には再び未来を見せてきたが勝つ未来が見えた。今の攻撃によって未来予測が変わったのだろう。最終的に悪戯者全員を確保することができ任務を終了した。しかし、任務成功は良かったものの森一が負傷したため手当てを施した。幸い今後の能力の使用・活動への支障はないと未来予測が予測した。
「S部隊隊長より基地司令へ。悪戯者の完全排除完了」
『了解。負傷した者は速やかに治療を開始せよ』
その後、俺たちは基地へ戻り健康診断を行い身体に異常が無いか確認したり、能力が正常に保てているかどうかを計測した。俺の未来予測は正常であり安心した。
「ありがとな直昭。お前のお陰で助かった。これからも俺らの未来を予測していってくれ」
「分かった!そっちも頼むぞ隊長!」
「おうよ!任せとけ!」
健康診断終了後、俺は靖治とグータッチし、今後も結束していくことを誓った。俺の能力にはまだまだ成長途中である。これからも延ばしていきたいと俺は思っている。
次回10月20日投稿予定




