CLⅦ ⅩⅩ NEHIJAMUSARAK (烏丸事変 ⅩⅩ )
「え…!?ユウキさんも〈真淵〉を?」
〈真淵〉とは、〈紫之迅槍〉の……というより〈神器〉に込められた能力なのだが、
武具の本質を最大限引き上げるという覚醒技のようなもの。
〈紫之迅槍〉の場合は全ての身体能力の大幅上昇、スピード大幅アップ、さらに思考速度も向上。
リアルに殺せ●せー的な動きができるというわけだ。
俺も、ということはハヤトも何かしら掴んでいると見ていいだろう。
「ハヤト、お前まさか………〈操刀〉の〈真淵〉を!?」
〈操刀〉は折れている。
このままだと使うことはできないだろう。
まだ〈操刀〉の〈真淵〉は見たことがないため断言はできないが、〈神器解放〉の時の能力から考えれば剣の修復など、できてもおかしくないように思える。
「〈真淵〉………解放!!」
その瞬間、今までゲームに出てきそうなファンタジーな見た目をしていた〈操刀〉は日本刀のような形になり、刀身はしっかりと長くなっており、剣として使えるような姿になっていた。
リーチどころか、見た目まで自由自在らしい。
神しか扱えないという難点はあるとはいえかなりぶっ飛んでいる性能である。
〈操刀〉は刀身を伸ばし、〈破壊神〉を斬るために“リーチ”が指示される。
〈破壊神〉の〈破滅の闇〉に綻びが生じたとはいえ恐らくまだ〈操刀〉では斬れない。
「遊霊・実狼・赫・拡散‼︎」
ヒビの入った位置に目掛けて大量の遊霊をぶち込む。
当然〈破壊神〉もそんな真似は許さない。
「そンな技、さっきだって見てンだゾ?
俺がさっきと全く同じ技に引っ掛かるような雑魚に見えンのか?」
〈破壊神〉は実狼を飲み込もうと闇魔法でできた球体を生み出す。
「逆に、テメェはこっちが無策でお前に殴りかかってるって思ってんのか?」
こんな行動なんか想定内だ。
正直、こうしないほうがおかしいとまで思っていたまである。
「遊霊・虚狼・赫・拡散‼︎」
闇魔法は解術する。
ただ威力を出せばいいというものでもないのでここは虚狼の出番。
実狼にはしっかり〈破滅の闇〉のヒビを叩いてもらう。
ーーーバリィィン、と。
確かに割れた音がした。
〈破壊神〉は今を持って完全に無防備な人間と化した。
「スゴい……ちゃんと割れた⁉︎」
「んなこと言ってる場合じゃねぇぞ!再展開される前にさっさと殺せ!」
「分かりました!」
ハヤトが〈操刀〉を〈破壊神〉に振りかざし、ついに暴虐の神はこの世から消えた。
ーーーそして、烏丸事変は幕を下ろした。




