CⅩⅩⅩⅩⅨ ⅡⅩ NEHIJAMUSARAK (烏丸事変 ⅩⅡ )
ゼフィロスは俺を、アウルスは神造神剣を狙い鎌を振るう。
「〈Ⅲ・小槍羽〉!」
鎌を小槍羽で受け止めるも、小槍羽は溶けるようにして消えていった。
それもそのはず。
ゼフィロスとアウルスの鎌にはすでに仕掛けが用意されていた。
魔法や術式を壊す魔法が、鎌の刃の部分に小さく刻印されていた。
そのため小槍羽や聖槍は通じない。
ということは。「俺の攻撃であいつの鎌は相殺できねーってことか?」
「神造神剣!分身を殺されねーようにしろ!」
術式の効果を打ち消すその鎌に触れた場合、生物兵器の分身がどのような扱いになるのかわからない。
分身が消え、本体に戻らなくなるだけならまだマシだ。
最悪の場合、死ぬかもしれない。
すでに大勢のメンバーが死んでいる今、口に出してこそいないもののサタンはかなり辛い思いをしている。
いや、辛いなんてもんじゃないだろう。
玄武や白虎はともかく、コ●助や花丸は転生したばかりの"ユウキ=サトウ"が頼りにしていた大事な仲間だ。
魔獣の殲滅は着実に進んでいる可能性が高いとはいえ、犠牲を払いすぎている。
何千年もの時を共に過ごした神造神剣を今ここで失うのは、サタンにとって大きな負担になりかねない。
それだけは絶対に避ける。
しかし、〈色欲〉の神の駒とレイナを渡して帰ってもらうわけにも行かない。
〈蠍部隊〉の狙いは〈色欲〉の神の駒にあるアスモデウスの魂の"残滓"だろう。
ハヤトから聞いた話だと〈蠍部隊〉はアスモデウスの復活を望んでいるようだ。
計画の一環でテストに使われたハヤトの彼女が捨てられ、アスモデウスの"器"として使えなかったと言われたらしい。
"器"探しは終わっている可能性がある。
神の駒に眠る魂のほんのごく一部の欠片を使い、〈神の魂の眠る石碑〉には入っていない部分の魂を辿り、そこから復活させることができれば………という考えなのだろう。
最近習得した、〈闇への贈り物〉でレイナから神の駒を預かると、俺は宣言した。
「〈蠍部隊〉!テメーらの思惑通りに事を運ばせるなんてことは絶対にしねー!
テメーらは今日ここで俺に殺されて死んでもらう!」




