CⅩⅩⅩⅩⅧ ⅠⅩ NEHIJAMUSARAK (烏丸事変 ⅩⅠ )
「よぉ魔王、そこにいる娘と、そいつが持ってる神の駒、さっさと渡してくれねぇか?」
突如現れたフードの男はレイナを指さし、〈色欲〉の神の駒を求める。
「てめーらが〈蠍部隊〉か……」
大鎌を持った2人組のフードの男。
彼らの目的は〈色欲〉の神の駒。
ここまでくれば〈蠍部隊〉でない理由を探す方が難しいレベルだ。
「悪いがこいつは魔王軍の捕虜でな。てめーらには渡せねーよ」
そう。今となっては仲間としての対応を取っているがサタンが目覚めたばかりの頃に抵抗軍と敵対していた時にレイナはサタンが捕虜として捕まえた人間だった。
今はその建前を貫きたかったのだが、
「ほぉ、だとしたらお前の部下は頭がどうかしているのか?
捕虜が〈神化〉する瞬間を見逃したのか何なのか知らないがそんな状況はありえないだろう?」
見逃したも何も、〈神化〉させたのはサタンだ。
確かにそれはおかしな話だ。どうしたものか………
「ね〜ね〜!
さっさとそこのレイナ?とかいう女を殺せば済むんじゃないの〜?
レイって女からフルカスが奪い損ねたって言ってたけど………フルカスが名前を間違えたのか君たちが偽名使ってるのか知らないけどどうせこいつでしょ?」
後ろで黙ってたもう1人のフード男が騒ぎ出す。
ただ、1つ不思議な点がある。
フルカスというのはおそらくレイから神の駒を盗んだ〈蠍部隊〉のメンバーたろう。それはいい。
フルカスはレイから神の駒を奪い損ねたと言っていたらしい。
レイは、〈傲慢〉、〈嫉妬〉、〈強欲〉、〈暴食〉の神の駒に加えて自分の〈慈愛〉の神の駒も持っていた。
おそらくフルカスはその〈慈愛〉の駒を〈色欲〉と勘違いしているようだ。
それもまぁいい。
だが、それならなぜここに〈蠍部隊〉がいるのか。
本来、フルカスとか言う男の考えに従うなら〈色欲〉の神の駒を持っている(と思い込んでいる)レイのもとに行くべきだ。
レイナは今回巻き込まれるはずがないのだ。
まぁもちろん、レイナが神の駒を持っているわけではないと思っていたらそうではないが。
都合の悪いことに〈蠍部隊〉はレイナを変装しているレイだと勘違いしているようで。
「わりーが、何があってもこいつの持ってるはテメーらには渡さねーよ。
生物兵器……いや、神造神剣。戦う準備しろ。レイナ、テメーは下がってろ。」
「言われなくともな。」
「わかったわ」
「そっちがやる気なら、こっちも手荒な真似は避けられねぇか」
「じゃ〜さっさと殺そ〜よ〜」




