CⅩⅩⅩⅩⅡ Ⅴ NEHIJAMUSARAK (烏丸事変 Ⅴ )
京都駅ビル地下商店群エリア。
地下鉄改札口や駅周辺の階段から入れるこの地下街は飲食、ファッション、様々なジャンルの店が連なっている。
この商店群の西エリアにいるのは巨大な〈狐〉。
黒い体にオレンジの模様が所々あるその狐は5本の尻尾を揺らしながらこちらを向いている。
とはいえ、報告で聞いた〈豚〉ほど大きくはない。
動物園にいるライオンくらいの大きさだ。
まぁ〈狐〉にしては巨大であることに間違いはないが。
「犬、おそらく俺よりも小回りがきくだろう?あの〈狐〉の背後に回ることはできるか?」
コ●助が背後から奇襲した場合〈狐〉は俺に背を向けるかコ●助に背を向けたままにするかどちらかの選択を取らざるを得なくなる。
コ●助の〈獣神〉の術式でもいいし、俺の剣でもいい。
とにかくアイツを切り刻めば、勝てる。
「……わかった。やってみるが……失敗したらリカバリーは頼むぞ。」
大きく助走をつけながら〈狐〉の方へ向かっていくコ●助は大きくジャンプをして〈狐〉の背中を越えて反対側で着地。
「よし!行けたぞ!攻撃開始でいいか?」
挟み撃ちにされた〈狐〉だが、まだ何かを隠しているのか余裕の態度だ。
どちらを見るでも攻撃するでもなく、ただ鎮座している。
「あぁ!斬り込むぞ!」
その合図と同時にコ●助の爪が〈狐〉に攻撃を仕掛けた瞬間のことだ。
狐の体の模様と同じオレンジの色をした瘴気が、〈狐〉の傷口から溢れてきた。
「おい、犬!〈狐〉から離れろ!
〈狐〉が………化けるぞ!」
JRホームにいる分身からの情報だが、もうレイは神の駒をなくしている。
「ね、ねぇみんな?
〈嫉妬〉と〈暴食〉の神の駒と………研究のためにユウキから預かってた〈傲慢〉と〈強欲〉の球体………入れてたポーチごとなくなってるんだけど…………」
そして、室町小路広場の分身が今見た光景は……
玄武が毒に侵された姿。
確実に先代魔王よりも格上の術式を扱うだろう。
「神造神剣!どうする?このまま放っておいたら強くなるのは確実だぞ!」
その言葉が出たその瞬間には〈狐〉が自分の体を金属のように硬い羽毛で覆い始めた。
「これは………長期戦になるな………」




