CⅩⅩⅩⅥ Ⅸ sraW aitlA (アルティア大戦 Ⅸ )
〈破壊神〉の神の駒でできるのは〈破壊〉のみ。
〈最高神〉の神の駒でできるのは術式行使や防御、神化などの〈創造〉。
こう言えばこちらが有利なように見えるかもしれないが、
〈破壊神〉は破壊しかできない分、破壊に対する能力はかなり高いと見ていいと思う。
現状、〈破壊〉発動のトリガーすら何か分かっていない状態だ。
何をどこまでどういう条件下で破壊できるのか………それが分からない以上対処のしようがない。
ただ確実に言えるのは、接近戦には持ち込めない。
接近すれば確実に何かを"壊され"やすくなる。
〈軟体化〉した俺の体は無限に再生するし内臓や血液なんかも不要だが、"命"や"魂"そのものを破壊されたらひとたまりもない。
〈紫之迅槍〉や魔法や術式、何が壊れるか見当もつかない今は接近を控えるべきだ。
「〈闇からの贈り物〉ッ!!」
俺が取り出したのは〈超魔光輪〉。見た目は両肩と両足の付け根に付ける4つの輪っか。
これを取り付けて「〈神器解放〉」と唱えた瞬間、俺の右手は虚空に消えた。
そしてどこからともなく、〈破壊神〉の身体の近くに現れたのは俺の腕。
背中から刺すように魔鋼の槍を突きつける。
〈紫之迅槍〉でいきなりなり〈破壊神〉への攻撃を試す度胸はなかった。
仮にも魔鋼。
なかなかの硬度があるはずだし俺の魔力でかなり強化してあるというのにこの武器は刺さった瞬間一瞬で破壊された。
〈最高神〉の神の駒の術式の一つに〈黄金の光〉があった。
あれは自動で自分の体を修復するという、ある種の〈創造〉だ。
なら〈破壊神〉にも自動で身の回りにあるものを破壊するような能力があってもおかしくないということだ。
「とんでもねぇ術式を使いやがる………これじゃ遊霊もぶつけられねぇ………」
「あの、ユウキさん……」
ハヤトが〈操刀〉を持ちながらオドオドしているので、
「それはまだ使うな。失敗すれば〈蠍部隊〉との戦いでお前が活躍できなくなるぞ。」
元々ハヤトを神化させたのは〈操刀〉を使えるようにするため。
その〈操刀〉を失った状態で、〈遊霊〉一本でまともに戦えるのかという話だ。
俺と違って原動力にも限度はあるし、神になってほんの少ししか経っていないハヤトは原動力に余裕はない。
戦闘不能になれば〈蠍部隊〉に殺されるか実験台にされるかそれよりひどいかだ。
「こンな地形だと戦いにくいことありゃしねぇナ。
とりあえず、ぜンぶぶっ壊すか。」
2秒もかからなかった。
その時"こちら側"の世界は完全に黒の更地になり、その場にいたのは〈破壊神〉、〈魔王軍〉及び〈四神〉、そしてなぜか〈蠍部隊〉。
アルティア体力もイリジス体力も巨人島も〈余憤の禍根〉も何もかもが無くなってそこにはただ、黒が広がっていた。




