CⅩⅩⅤ NOKIAK (廻魂)
「ヴェレリオが死んだぞ。
本気でお前は何を考えている?肉なんて俺たちならいとも簡単に生み出せる。なんなら食事すらも必要ない体だぞ?」
6人しかいない〈蠍部隊〉のうちの1人、ゼフィロスはリーダーであるフルカスへの怒りを露わにする。
なんせ、意味もなく1人味方が倒れたように見えるような行動をフルカスが取ったからだ。
「肉に関しては、民間人の生存率を下げるためです。彼らは邪魔です。こんな環境にゴミのような人間が大勢いるだけでアスモデウス様の環境が汚される。私たちだけでいい。この大穴にいるのは。」
そして彼は続けて、
「アスモデウス様の復活、それが我々が望む1番の悲願。ゼフィロスさん、あなたもそれはわかっているでしょう?
儀式をまさかぶっつけ本番で行うとでもいうのでしょうか?」
医薬品と同じだ。
『理論上は問題ない』では販売できない。
ラットやマウスといった小動物に対して実験を行い、その上で安全性が確認できたら人間の協力者を募り報酬を渡した上で試験的に投与を開始してさらに安全性が確認されてから然るべき手順を踏んで販売される。
逆にいうと、ラットやマウスなどで危険が発見された場合その薬は一度仕組みを見直す必要がある。
それは薬に限った話ではない。
「アスモデウス様の復活で万が一があったらいけません。ヴェレリオさんを被験者第一号として実験を行います。それに、これで一つ確実になったことがありますしこれはこれで成果としては大収穫なのです。」
そういうとフルカスはヴェレリオの復活………“廻魂の儀”の準備を進める。
「その大収穫ってのはなんだ?ヴェレリオに何か仕掛けを施してたのは知ってるがそこから情報を得たのか?」
フルカスはヴェレリオを監視する術式をこっそり施しており、ヴェレリオがサタンやハヤトと戦闘していた際の状況を全て把握している。
そう、つまりは
「この前、器にしようとしていた女性を覚えていますか?」
「確か、隣にいた男が〈神器〉を使って守ろうとしていたやつか?人の身に余るとも知らずに」
「ええ。あの男ですが………〈魔神〉化しました。〈最高神〉サタンの仕業でしょう。〈神器〉の扱いも自由自在ですし、サタンの協力があると思った方がいいでしょうね。サタンとあの男は私たちの大きな障害になります。早急に事を片付けた方がいいでしょうね。」
そう言いながらフルカスは儀式の準備を完成させる。
「〈廻魂の儀〉。開始」
禍々しいオーラの中に、人影が現れる。
その中から現れたのは………
「なんだ?ここは」
「お帰りなさいヴェレリオさん。ここは〈余墳の禍根〉最下部。〈狩人の特権〉です。」
サタンに殺されたはずの男だった。




