CⅩⅩⅣ NAKAWIANOYM (妙な違和感)
〈蠍部隊〉。
〈七人の邪神〉の1人、アスモデウスの直属の配下であり、魔法研究にかなり長けている集団だ。
人間の死体そっくりなものを魔法で無から作り出すような能力を持つ狂った集団だが、以前は防御魔法がなければ近距離戦はかなり厳しいものだった。
しかし今は、杖の上部に鎌のような巨大な刃物を付けることで近距離戦にもある程度対応できるようになっている上、防御魔法に頼らず自分を守るため反撃用の魔法も複数編み出している。
もちろん、火を出すような簡単な魔法なら最初から使えるのだが、彼らが使っているのはそんな生ぬるいクソ雑魚魔法ではない。
「ハヤト、一つ違和感がある。」
「どうしました?〈蠍部隊〉じゃないんですか?こいつ」
「人数が増えてたら知らねぇけど、幹部とリーダーだけで、下っ端を大量に抱えるようなに大所帯ではなかったはずだ。
それに、あいつらはなんで民間人から食料を盗んでるんだ?自分で魔物を狩ることもなんなら無から肉すらも作れるような連中が。」
そう。これは大きな違和感だ。
生物兵器をとても精密に再現した死体もどきを作れたのだ。
肉をそのまま魔法で出せてもおかしくないのだ。
それが無理でも、そこら中に蔓延る猟狼を狩ればいい話。
猟狼を命がけで倒して手に入れた肉を一般人から盗むというとんでもない行動をとる理由があるのか、ただの気まぐれか。
「ま、どっちにしろ僕はあんたらを殺す。」
ハヤトは〈操刀〉を伸ばして攻撃対象を〈蠍部隊〉のみに設定したうえで振り回す。
ただ、フードの大鎌使いの見える方向には刀を振らない。
それと正反対の方向、つまり自分の背後に振りかざす。
「ハハハ……流石に気づかれましたか。
まぁ、"私"が死んだところで……この大穴を……いえ、この世界を!!……支配するのはアスモデウス様だ………」
死んだ男の名を口にしながら死んでいった彼は何か含みがありそうな言い方で俺たちに話をしていた。
「大丈夫だ、ハヤト。例えアイツが復活しても俺が確実に仕留める。
もちろん、〈蠍部隊〉も。」




