CⅩⅩⅢ RAEPS SSYBA (猟狼へ刺す針)
「村長……もう村を出ていかれるのですか?」
「あぁ、俺はユウキさんに力をもらった。だからここでじっとしててもな」
そう言って村のみんなに別れを告げたハヤトは村を俺たちと一緒に去る。
「そういえば、殴り込むって言ってもどこに行くんですか?まさか拠点の位置が割れてるなんてことはないんでしょう?」
ハヤトの質問はごもっともだ。
俺は〈蠍部隊〉がどこにいるかなんてのは知らない。
ひとまず“噴出”の現場に向かおうと思っていた。
が、俺は一つの情報を村で手に入れていた。
「浅い浅いこの層にはいないらしいが、下の方には食料品や貴重品を人から奪って生計を立ててるクソ野郎どもがいるらしい。そいつらの拠点がこの穴の最下層にあるんだってよ。ひとまずそこを叩いて情報を得る。搾り取る。」
そして、1日歩き続けた。
最下層へは、3分の1ほど近づいた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「なぁ、あれなんだよ?」
フードを被った大鎌使いが通行人の胸ぐらを掴んでいる。
どうやら、貴重な食料を奪っているようだ。
大量の肉を運ぶ商人か何かだったのだろうか。
運んでいた荷車から大量に漁られた物品はその大鎌使いが持ち去ろうとする。
「〈神器解放〉」
ハヤトの攻撃が飛んでくるも、
「無意味………だとぉ?」
何も反応がない、と思った瞬間ーー
「………ッ⁉︎〈遊霊・白銀・拡散〉‼︎」
突如こちら側へ瞬間移動した。
否。すでに大鎌使いはここにいた。
「蜃気楼を使うのは正解でしたね。サタンをも欺く能力なのですから」
再び避ける。その“鎌の力”で。
「それ、ただの鎌じゃねぇな!杖の役割も噛んでる!魔法も使えて近距離での肉弾戦にも応じることができる、かぁ成長したなぁ〈蠍部隊〉も!!」
「え?」
「ユウキさん?そいつが……?」
「あぁ間違いねぇ。ハヤトが戦った時こうじゃなかったってんなら明らかに俺たちに対する対策は練られてるぞ。一筋縄じゃいかねぇ強敵だと思えよ。ハヤト‼︎」




