↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生物語〜二度目の人生は剣士となる方向性  作者: 飛鳥
六章 グリンダム〜変異種編
95/129

六章1〜“抜刀術”

 あれから数日経った。

 何を隠そう今日は出発の日。


 先日ナタリアに俺とエイルーナで会いに行った。

 ルシエル達に頼むので、探してもらっておいて悪いが紹介の事は無しでという謝罪。

 もしかしてキャンセル料とか取られるのだろうかと不安になった点もあったが、特に金銭の要求はなかった。


 ナタリアは相変わらずルシエル達に頼むのは大丈夫なのかという心配の声とあったが、結局自分には関係ないが…などと自分から話を終わらせた。

 それでも丁寧にルートについての情報は俺たちに教えてくれた。

 少し申し訳ない気分になったが、ナタリアからすればお金は貰ってるので問題ないらしい。


 武具の整備品を買いにラウズのオヤジさんの店に顔を出した。

 少し話をして、俺たちの目的を伝えた所、息子さんが去年から学園に通っているらしい。

 学園に着いたら手紙くらい出して欲しいと伝えてくれとの事だ。

 それくらいは当然だろう!



 装備の準備は万端のはず…。

 護衛のルシエルは案内人も必要ないとの事だが、ナタリアからの情報をまとめて伝えておいた。


 迎えた出発の日だが、俺たちの故郷でもないし、家族がいるわけでも特別仲のいい知り合いがいるわけでも、ましてや街を救った英雄でもない。

 つまりは見送りなんてない。

 漫画では目的地までに通過する街では、問題を解決したり、誰かとすごく仲良くなって見送られたりするが…まぁこれが普通だろう。


 そもそもこの街に来て何をしたか思い出すと、本当に何もしてない。

 冒険者登録だけ済ませて、飯を食べて武器を揃えて誘拐にあった。

 うん、何もないな。


 今更だが攫われた場所から戻ってきた時に、レイスは一緒に捕まっていた子供達を役人に引き渡したらしい。


 昨晩のうちに用意を済ませていた俺は、朝からいつも通り中庭を借りて剣を振る。

 日本刀はいつも俺が扱う剣に比べて少し軽い。

 振る感覚も変わってくるのでしっかり体に馴染ませなければならない。

 ついでに居合いもやってみるが、なかなかイメージ通りにいかない。

 どうしても剣先が綺麗に走らない気がする。

 練習が足りないが、間近で居合いというものを見た事はないので、やはりイメージとの誤差が出ているのかもしれない。

 ルシエルがもしかしたら出来たりしないだろうか?ダメでもやってみて貰ったら俺より上手くいけば明確なイメージが持てるかもしれない!

 それならエイルーナにもやってもらおう!俺よりセンスあるからな!


 いつもならエイルーナが素振りに付き合ってくれるが今日はいない。

 昨日からずっと出発の準備に誰よりも忙しく動き回っている。

 今日も俺が起きた頃には既に居なかったから何やら出て行ったのだろう…頭が下がるな。


「…俺…こんなことしてていいのかな?」


 エイルーナの忙しさを思い出して何か非常に自分が悪い奴に見えてくる。

 すると宿からルシエルとメリエルが出てきた。


「おはよう」

「おはよっレオ!」


 ルシエルからの返事が無いことよりメリエルの距離感の詰め方に一瞬たじろぐ。

 あれから特に話した訳じゃないのだが、レオと呼ばれてすこし動揺してしまっている。

 まぁミシェイルレイスもそう呼んでるし、そう呼んでくれて構わないんだけど、いきなりだとびっくりしちゃうだろっ!まったく。


「あー、おはよう」


 なぜかワンテンポ遅れて返事が帰ってきた、こっちもこっちで返事に困るのは間違いない。

 きっとこの姉弟はB型だと思うの…。

 えっ?B型への偏見?そうかもしれない。


「あっ!そうだ、ルシエルは居合いって知ってる?」


 俺は先程考えていた事を実行するチャンスだと思った。

 少なくともこの2人は忙しそうには見えないしな。

 一応刀をルシエルに見えるようにしてそう問いかけると、ルシエルは眠たそうに刀を見つめて考えている。


「いや、知らねぇなぁ、獣族の剣か?それは」


 そもそも刀自体が珍しいのか、俺の手から刀を取って鞘から抜き放ち、銀色の刃を見つめながら質問を返してくる。


「一応ベースはそうらしいが……少しアレンジしてるらしい」

「なるほど…」


 俺にとってはアニメやゲームで同じみの日本刀なのだが……。

 それよりラウズさんも言っていたが、刀はどうやら獣族の武器らしい…つまりは獣族なら居合いの技術があるのかもしれない。


「…それより居合いってなんだ?」

「俺も詳しいわけじゃないんだが…抜刀術ともいうんだけどさ」


 俺はルシエルから刀を回収し、2人から数歩離れて刀を腰に構える。

 そこから踏み込みと同時に鞘の中で刃を走らせて、刀を抜き放ちながら振り抜く。


 刀が空を切る音だけが響く気がする。

 その音にビクッとするように肩を震わせるメリエルが、俺をまじまじと見ている。

 たまたまだろうが、今日一の出来だった。


「なるほど、理にかなった攻撃だ」


 納得したように一人で頷くルシエル。

 さっきとは打って変わってルシエルは興味を示しているのがわかる。

 というか普段どれだけ興味がない感じなのかがわかるなこれ…、エイルーナが見たら怒りそうだ。

 自分相手にどれだけ適当に相手されてるのかがわかるからな。

 俺だってちょっとだけショックだ。


 するとレイスやミシェイルも荷物を持って宿から出てきたところだった。


「おはよぉ」

「おはよう」


 それぞれが挨拶を交わしてる間に、エイルーナも戻ってくるだろう。

 そろそろ出発だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ここまで読んで頂きありがとうございます。 稚拙な文章ストーリーではありますが、 気に入って頂いた方は 『感想』『評価』『ブックマーク』『レビュー』 して頂けると嬉しいです。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。