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ある失踪事件  作者: 正騎
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4



 俺が神社に訪れた時、そこでは雨が、ポツポツと降り始めていた。


 俺は神社の神主を呼び、失踪した大学生の話を聞く。


「ええ……その学生さんならこの神社にいましたよ」


「いったい何を……」


「何か調べたいことがあるとかで」


 失踪した大学生は、どうやらここで何かを調べていたらしい。


「結構な境遇の方でねぇ……若くして母親を亡くしたとかで」


 失踪した大学生は、幼くして自分の母親を亡くしていた。


 そのあと、親戚の家をたらい回しにされ、ものすごく辛い思いをしていたらしい。


 結局、父親の元に戻り、一緒に暮らしていたそうだが、失踪するまでの間、あまり親子の関係は良くなかったようだ。

 

「色々話されてるんですね」


「ええ……」


 俺は少し、この神社の神主が怪しく思えてきていた。


「ありがとうございました」


 感謝の言葉を述べ、俺は神社をあとにする。


 すると、すれ違いに、白い半そでシャツを着た筋骨隆々の体格のいい男が神主に近寄って行った。


 神主に何やら耳打ちをする。


「そうか……」


 神主は静かに呟いている。


 俺はその様子をわざと無視し、神社を出ていった。


 鳥居を出ていき、すぐさま鳥居横の青々と生い茂っている草の茂みに隠れる。


 すると、さっきの体格のいい男が後を追うかのように鳥居から出てきて、左右をキョロキョロと確認し、左へ向いて走っていった。


 俺は、そいつの姿が見えなくなると、姿勢を低くして草の茂みから出ていく。神社には、神主はいなくなっている。


「あの男、いったい何者だ……」


 あとをつけてやろうかと思ったが、わざわざ危険を冒す必要もないと思い、失踪した大学生の父親のところへ行くことにした。


「今は父親のところが先決だな……」


 俺は低い姿勢のまま、右へ走る。


 失踪した、大学生の父親の家へ向かう。

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