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自宅につくと、俺はタクシー運転手に金を払い、玄関のカギを開け、女性を失踪した大学生と抱えて、自宅の中に入れた。
俺は、閑静な住宅街の一軒家に、一人で住んでいる。そこで一人、生活している。
「とにかく、どこに寝かせればいいですか?」
「そこの部屋のソファだ」
大学生がドアを開け、部屋の中にある3人掛けソファに失踪した女性を寝かせる。俺と大学生は3人掛けソファの後ろにある4人掛けのテーブルに対面に座る。
「それにしても、疲れたな……」
「はい……」
「何か飲むか」
俺は、4人掛けテーブルの椅子から立ち上がり、さらに後ろにある台所の冷蔵庫へ向かう。
「何がいい……」
「別に何でも……」
「じゃあジュースでいいか」
俺は、冷蔵庫の中にある缶のジュース2本を取り出す。近くのスーパーである時安かったため、箱買いしていたものだ。
「それにしても、なんでこの女性が神社にかくまわれていることを知っていたんだ?」
俺は、失踪した大学生にその缶ジュースの1本を渡しながら尋ねる。
「いえ……その……それは……」
「なんだ?」
「勘……みたいな……」
「そうか勘か……」
俺は残っているもう一本の缶ジュースを開け、飲む。
「……えっ!? ここはどこ!!」
すると、3人掛けソファで寝ていた失踪していた社会人女性が目を覚ました。
「目を覚ましましたか? ここは刑事さんの家です」
失踪した大学生は起き上がった社会人女性に声をかける。
「刑事さんの家? どういうこと……」
「君はずっと失踪していたんだ。足取りはよくわからないが、ある神社の奴らに捕らえられ、監禁されていた」
「違う! 私をあの場所に帰して!」
社会人女性は大声で叫ぶ。
俺と失踪した大学生は顔を見合わす。
「私、じゃないと……うっ!」
急に、失踪していた社会人女性が頭を押さえて苦しみだした。瞬間、女性の口から、とてつもなく野太い声が発せられる。
「ガエゼェ……ガエゼェ……」
すると突然、俺の耳に、本署にいた時に聞こえてきたあの、何かを引きずる音が聞こえてくる。
「なんだ……これ……」
俺は思わず、両耳を手で塞いだ。
床が、軽く小刻みに揺れ始め、俺たちはふらふらとその場に椅子から崩れてしまう。
すると、目の前の社会人女性が上を向き、白目を向いた。
「ガエゼエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!」
「……なんだ!?」
瞬間、目の前の社会人女性は俺たちの目の前からパッと消え、俺と大学生は立ち上がり、辺りを見回す。
「はっ!?」
揺れが収まった部屋の中で、俺と大学生は大声を上げる。
すると、自宅のインターホンが鳴り、俺は状況がつかめないまま玄関に向かう。
玄関のドアが開いている。その開いた玄関のドアの先に、あの俺を襲った、目出し帽の男たちが立っている。
「とうとう禁忌を破ったな!!」
男たちは、急に金属バットを振り上げて、俺に向かい走ってくる。俺はとっさに部屋に逃げる。
瞬間、男たちの動きが止まった。なぜか目出し帽を脱ぎ始め、金属バットを床に下ろして、呆けた顔で俺を見ている。
後ろを見ると、俺の後ろで、大学生が何かをぶつぶつ呟き続けていた。
再び両手を組んで人差し指をぴったりくっつけ、じっと前を見ている。
俺は目出し帽の男たちの顔を見る。すると、その顔は、失踪した大学生の友人たちの顔だった。
「えええい!」
大声で大学生は叫んで、目出し帽の男たちはそのままその場に倒れこむ。俺は、呆然とその様子を見つめる。
「行きますよ! 早く!」
大学生は、とっさに俺に叫ぶ。俺はそれでハッとし、大学生と一緒に、俺の自宅を出ていく。
どうやら俺たちは、奴らをほんとに怒らせたらしい。
「もうだめかもしれません。もう一回あの神社に行きましょう」
走りながら大学生は、俺に告げた。俺は、大学生に尋ねる。
「その前に、一旦、本署に寄らしてくれ!」




