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それは、高層ビルと高層ビルの間に小さく建てられていた。
○○金融とデカい看板が掲げられ、少しうす汚れた、うす茶色した二階建ての低層ビルだ。
そのビルのガラス製のドアを開け、俺は中に入る。独特の湿気臭い匂いの中、いかにもな人間が目の前の黒茶色いソファに座っている。その前にはガラス製の長方形のテーブルがあり、テーブルを挟み、もう一つ黒茶色いソファが対面を向いて置かれている。
「何だお前……」
「最近、男子大学生がここに来なかったか」
俺の姿を見て、いかにもな恰好をした人間は俺に尋ねる。今時パンチパーマをし、うす黒いサングラスをかけ、変な柄物のシャツを着て、ジャラジャラ首に、金属製のネックレスをつけている。
両手を広げ、両足を組んで、ソファの真ん中に座っている。
「最近、男子大学生が失踪したんだ。何か知らないか」
「俺じゃねぇぞ……何も知らん」
少し警戒した様子でそいつは、俺の質問に答える。
「こいつなんだが、見たことないか」
俺は、スーツの胸ポケットから失踪した男子大学生の写真を取り出した。
「スマホの履歴に、ここの電話番号があってな……何か知らないか」
「俺は知らねぇぞこんなやつ。何かの間違いじゃねぇのか?」
「そうか。わかった……」
俺は、終始そいつの様子を観察した。どうやら、様子を見るに、嘘をついているようには見えなかった。
「とりあえず、利用者名簿をもらえないか」
「ああ……」
一応俺は、事前に令状を取り、利用者名簿を見れるようにしていた。
名簿を見ると、失踪した大学生の名前は、利用者名簿の中にはなかった。
「確かに無いな……ん?」
そこに、『ユウキ』と書かれた名前がある。
「この、○○ユウキという名前の奴は一体何者だ」
「ん? そいつか? そいつはうちの大事な顧客様だよ」
「どういった人物なんだ」
「さあ……よくわからねぇが……確かどこぞの食品製造会社の社長かなんかだっけな……」
「なんでそんな人間が消費者金融なんかに……」
「俺も知らねぇよ! 勝手に来て、勝手に借りて帰っていったんだ」
「30万だけ?」
「あぁ……会社に何か建てたいとか言ってたっけな」
「どういうことだ」
その利用者は、わざわざ消費者金融から30万を借りていた。
「俺もよく知らねぇよ! そいつのとこに行って尋ねてくればいいだろ!」
「わかった……ありがとう」
「もう一度言っとくけど、俺じゃねぇからな!」
少し不安そうに、パンチパーマの男は俺に念押しした。




