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ある失踪事件  作者: 正騎
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18/22

18



 神社につくと、辺りには雨が降っていた。俺は失踪した大学生に尋ねる。


「この神社に人はいないみたいだが……」


 辺りは物音ひとつせず、雨音しか聞こえない。


「違うんだよ刑事さん!」


 失踪した大学生は、さっさと神社の鳥居をくぐる。奥にある本殿へと走っていき、俺は後を追う。


 本殿につくと、目の前のさい銭箱をよけ、階段を上がり、勢いよく両開きの引き戸を開ける。


 すると、暗い畳敷きの真ん中に、薄暗い下に伸びた階段が見えていた。


「なんだこれ……」


「いくよ」


 失踪した大学生は、勢いよく階段を下りていく。俺はその後を追いかける。


「刑事さん、拳銃は持ってる?」


 大学生は、階段を下りながら後をついていく俺に尋ねる。


「いや、持ってきていないが……」


「そっか……」


 大学生は、自分のズボンの尻ポケットから何かを取り出す。見るとそれは、改造拳銃だった。


「ヒロム君それ、君だめだよ。そんなもの持ってちゃ……」


「今はそんなこと言ってる場合じゃないよ刑事さん。気を付けて!」


 いきなり、階段を走って降りていく。俺は、何とか追いつこうと必死に後を追っていく。


 かなり、長い階段を下りて行った。ただただ目の前は下に続く階段しかなく、自分たちは、もうこのまま下の階に、つかないんじゃないかとさえ思った。


 すると突然、地面が見え、俺と大学生は下の階についた。失踪した大学生が目の前にある大きな両開きのドアを開ける。


 その先は、大きな高い天井の部屋だった。中は広くてかなりスペースがあり、部屋の左右の壁の明かりにより、部屋の中がかすかに見える。真ん中に、長方形の台のようなものが置かれている。


 その台の上に、仰向けに倒れた、人影が見える。見るとそれは、第二の失踪者である、社会人の女性だった。


 その女性は、全身真っ白い服を着て、仰向けに倒れている。


「おいしっかりしろ!」


 俺はすぐさま台に近寄り、社会人の女性に呼びかける。意識はないようだが、呼吸はしているようだ。


「とにかくここから運ぼう」


 俺は失踪した大学生に告げ、社会人の女性を両手で抱きかかえる。そのまま、元来た道を走る。


 何かやばい感じがしていた。


 何かわからない、やばい。


 いったいこれは、何だ。

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