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ある失踪事件  作者: 正騎
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15/22

15



 気味悪い部下の部屋でたたずむ俺のスマホが突然鳴る。


「はい……」


 するとその声は部下だった。


「お前、今どこにいるんだ!」


「先輩、大変なことがわかりました……」


「何……?」


「あの神社のことで俺たくさん、調べてたんです。それで、あることが分かったんです……」


「今どこだ。そっちに今行くから……」


「先輩、純粋な恐怖って何だと思います?」


「純粋な恐怖?」


 俺は、困惑していた。部下との会話の際中、部下の後ろのほうで、何か大勢の讃美歌のようなものが聞こえている。


「俺、純粋な恐怖って、死なんだと思うんすよ……」


「何言ってんだ。とにかくその場所教えろ! 今そっちに……」


「先輩、純粋な恐怖より怖いことってあるんですね……」


「いいから、そっちの場所教えろって!」


「……先輩、やっぱ調べちゃいけなかったんですよ」


 そこで、部下との通話は切れた。


 後日、部下の遺体が発見された、


 S区にある雑居ビルの屋上から飛び降り自殺を図り、地面に叩きつけられて死んでいたらしい。


 いったい、この場所に何があるというんだ。そして、あの神社と何の関係があるんだ。


 俺は、遺体安置所に横たわる部下の遺体の前で、最後の部下の言葉を思い出していた。


”先輩、やっぱ調べちゃいけなかったんですよ”


 俺は政治家にも捜査をやめるよう言われていた。そして今度は部下にまで。


「……でも、やるしかないだろ」


 呟く。俺は、この事件に決着をつけようと必死になっていた。

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