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2022年3月6日

 13時過ぎ頃、先ずきよのちゃんがやって来た。空き家にはアムアムと握り丸が。ステファニーは、お昼頃、居るのは確認していた。

「悲しいけどだんごはもう帰って来んかもしれんぞ。これは猫界の掟っていうか本能なんやけど、全く同じ空間にオス二匹は成り立たんのじゃ。見たところだんごと握り丸もう1年くらい一緒に居るんやねぇか。俺10年以上前に猫飼うとったんじゃ。子猫のときは二匹のオス一緒に存在しうるんやが、成猫になったら縄張り争いで負けた方は姿を消さざるを得んのや」

 きよのちゃん、「それ真実なら悲しい!うちのだんごともう会えんの?」

「まぁきよのちゃんアムアムと握り丸はここにおるがな」

「この〜握り丸ぅ、お前のお陰でだんご居なくなったんや。靴投げるぞ」と靴を脱いだが、「やっぱりかわいそうかな」と振り上げた手を下ろした瞬間、ざざっと枯れ草を押し退けて逃げた。

「握り丸!」ときよのちゃん、追い掛けて行く。


 俺も住宅街を一周して家の敷地に戻る。

『あれっ?話し声が聞こえる』


「ねぇ猫じいは?」

 あいちゃんだ。

「俺はここに居るぞ〜」と車に乗る。

 あいちゃん、「ねぇ猫じい、今日はドライブ遠くに連れてってよぉ」

「お前ら昼御飯は食べたんか?」

 二人揃って、「食べたぁ」

 あいちゃん、「猫じい約束したよね。かなえちゃん許して仲良くしたら好きなところ連れてってくれるってぇ」

『あっちゃ〜、確かに言うたわ』

 約束は守らねばならない。

「どこに行くってか?」

 あいちゃん、大きな期待を込めた声で、「海〜!」

「この辺で海っていうたら門司やが。眺められればええんやな」

「だめ〜、浜辺に下りて海の水に手を入れられるところ〜」って、そんなとこあったかいなと首を捻る俺。

「門司港レトロで勘弁せいや」

「あそこは下りられん」とあいちゃん。

 めかり神社はよく行くが、あそこなら海の直ぐ近くまで行ける階段があるし、手を伸ばせば水に手を入れることは可能だ。

「ならめかり神社に行くか?一応手は浸けられるわ」

 あいちゃん、「神社ぁ?」と、気乗りしない顔。


「お前ら金持っとるんか?」

 きよのちゃん、「うちは持たないけどあいちゃんは6千円持ってるよ」

「おうラッキー!あいちゃんに奢って貰おう」

「うち!4円しか持たな〜い」と惚けるあいちゃん、かわいい。

 俺はカニカキロードから森を抜けて門司の清見に出、高速の門司港インナー下からめかり神社に行こうと考えていた。


 走行中の車の中、あいちゃん、「ねぇ猫じい、中学生になったら海水浴連れてってぇ。うちらの水着見れるよ。かなえちゃんはどうか知んないけど」

「そうか、そんなら角島連れてってやるよ」

 きよのちゃん、「山口県の海水浴場最高だよ」

 俺、「ただし条件がある。お前ら三人ともちゃんと親の許可取って来ることや」

 あいちゃん、「うちらは何とかなるって思うけど問題はかなえちゃんやぁ」


 ラムーに行くときの山手の住宅街から、門司に抜ける4車線の県道25号線との交差点に至って、左折して合流せずに、そのまま直進して左折、一車線の旧道に出る。

 あいちゃん、「この辺走ったことあるよ」

 先のガソリンスタンドを右折すればカニ・カキロードだ。

 あいちゃん、「猫じいうちの言う通りに走って。この前うちが言ってた公園がこの近くにあるから」

「もしかしてあのガソリンスタンド曲がるんやないか?」

「分からんけど…」

「やっぱり曲がる」

「あそこの大きな公園」

「あれ、俺がこの前ここやないかって言うた公園やないか」

 あいちゃん、「ここ遊び道具がたくさんあるぅ。猫じい海の帰りに絶対ここによってね。マリア(きよのちゃんのこと)と遊びたい」

 長閑な田園風景の中、俺は安全運転を心掛けて車を走らせる。

 きよのちゃん、「うちここ来たことない」

「うちはあるよ。山口に行くときお父さんここを通ってくれたよ」

 俺が、「4月になったらここレンゲソウが咲いてめっちゃ綺麗やど。レンゲソウで髪飾りも作れるけんな」

 きよのちゃん、「ここのレンゲソウの話マミーから聞いたことあるぅ」

 あいちゃん、「レンゲソウって?」

「何かあいちゃん見たことないんか?咲いたらここにまた来たるよ」


 海が視界の右手に現れて、左手には石灰岩の殺伐とした鉱山。そのコントラストに、きよのちゃん、「凄い景色ぃ!」

 やはり女の子はかわいい。これか男の子だったら、「これが何?」くらいの反応だろうが、めっちゃ感動して喜んでくれる。二人、足をバタバタさせながら燥ぎ捲る。俺としてもわざわざ連れて来た甲斐があるというものだ。

 遠くに見えるのは北九州空港の連絡橋。カニ・カキロードは一車線から二車線道路に変わる。この先を右折して工場地帯を抜け、フェリー発着港を視界の右に見ながら走る。

「お前らデカいフェリー見たことあるか?」

「な〜い」の返事に、ちょっと阪九フェリーの大極殿風のターミナルに寄ってみようかなと思ったが止めた。それより思い出した。この先の右側に海岸に下りれる公園があったことを。


 猿喰大橋を渡ったら…、二人、「海〜!海岸!下りれそう。猫じいここに止まってぇ」

「おう俺もそのつもりやったわ」

 今日は日曜日、駐車場には結構車が停まっている。二人が降りるときドアを隣に当てないように注意して停めたが、右側は車間が狭くなってしまって、「お前ら左側から降りれや」

「うん分かったぁ」


 この猿喰海岸、家族でよく来た。海岸には下りなかったが。印象的なのは、俺が糖尿病で人生で二回目の入院をした14年前、外出許可が出てランサーエボリューションを飛ばしてここに来たことだ。写真も撮った。

 手摺まで寄って海岸を俯瞰したら、ありゃ、海岸線にずっと鉄柵が伸びている。俺ら三人一応海岸に下りた。

「まぁこれくらいの高さなら越えて入れんことはねぇな。あいちゃんその捻挫した足で越えられるか?」

 あいちゃん、「猫じい大丈夫だよ」

「危険っていうのはあくまでも海の突端まで行ったときのことやろ」と、きよのちゃんがまず乗り越えて、次にあいちゃん。俺は最後に越えたが、ちょっと背中を捻ってしまった。じじいは辛いわ。


 砂浜に入ると気になるのは靴に付いた砂。まだ俺が四駆に乗っていた頃は、車中砂だらけになっても水で洗い流せるように、フロアに初めから開いている丸い穴を塞ぐ蓋を抜いていた。ハスラーはそんな訳にはいかない。乗る前に二人に靴を脱がせて俺が叩いて砂を落としてやるしかない。

 還暦過ぎのじじいから見たら、多量のゴミが漂着した汚い砂浜をただ歩いているだけだが、きゃぴきゃぴのこいつらには貝殻の宝庫にでも見えるのではないか。貝殻を拾い集めながら歓声をあげている。

 あいちゃん、「ねぇ見てマリア(きよのちゃんのこと)、こんなのがあったぁ」

「うんうちもかわいいの拾ったよ」と返すきよのちゃん。

 俺も童心に帰って拾ってみた、「こんなのはどうか?」

 きよのちゃん、「猫じいそれ大き過ぎる」

「だめか!」


 波打ち際に近づくきよのちゃん。俺も付いて行く。この辺りはさすがに抜かるんでいる。

「穴がある。アサリガイがいるかもぉ」ときよのちゃん。

 きよのちゃん、「棒がないかなぁ?」

 俺は岩で組まれた防波堤の上に乗る。

「こっちの海の水はめっちゃ綺麗やぞ」

 きよのちゃん、答えて、「うちらも行ってみるぅ」

 やって来た二人。きよのちゃん、「ここに棒がいっぱい刺さっとるやん」と一本抜くと、再度波打ち際に。

「マリアうちも行く」と棒を手にしたあいちゃん。

 俺も一緒に波打ち際へ、「どうやきよのちゃんいそうか?」

「この穴の底に居ると思うんやけど」と棒で掘り返す。

「だめか!いない」とがっかりのきよのちゃん。

「もうそろそろ上がろうや」と俺。


 車の後ろのコンクリートの段差に座った二人に、「お前ら靴脱げや。砂落としたるけん」

「もう海は堪能したやろ。さっきのセブンに寄ってトイレ行こうや」と誘う俺に、あいちゃん、「まだトイレしたくない。それよりもう一ヶ所、海に行きた〜い」

「何じゃまだ行くんか?これから先やったら門司少年自然の家しかないぞ。お前ら行ったことあるやろ」

「猫じいそこでいい。行きたい」


 門司少年自然の家は、学校から、確か1泊で連れて行って貰っていた筈だ。覚えている。息子も行った。カニ・カキロードのトンネルを二つ潜った先を右に曲がる。ここも長閑な風景だ。

 あいちゃん、「ここインド!インドだよぉ」と燥ぐ。

 あいちゃんの夢はインドに行くこと。そのためにお金を貯めると言っている。目指す職業は看護師だ。かなえちゃんは何故か、薬剤師。きよのちゃんは明確な目標はまだ決めてないようだが、大学で心理学を勉強したいとか言っていた。三人とも偉いわ。俺は五年生で事故って障害者になってしまったため、目標も糞もなかった。惨めなものだ。

 あっと今思い出した。この前の車の中でのきよのちゃんとのやり取りを。

「俺は過去に帰ってもう一度人生やり直せるとなっても戻りたくねぇわ」

「どうして?うちは戻れるなら戻りたいよ」ときよのちゃん。

「俺はもう60年以上人生やってきてこれと同じこともう一回やれと言われてもご勘弁や。疲れた。でも過去の一瞬に戻れるとしたなら事故る小学校五年生の3月20日やな。ぶっとい柱に自分の身体ば縛り付けて絶対外に出れんようにしたる」

「猫じいもいろいろと考えることあるんやね」ときよのちゃん。


 海岸に続く細い道を走りながら、きよのちゃん、「ここ覚えてるぅ」

 あいちゃん、「ここに来たのは五年生のときだよ。まだ1年しか経ってないのにぃ」

 青い空と青い海。さきほどの猿喰海岸より海らしい海だ。漂着ゴミも目立たない。上手い具合に潮が引いている。沖の方まで伸びるかのような黒い岩石海岸。

 二人、足をばたばたさせて、「猫じいここに下りるぅ」

「待て。一応自然の家の前でUターンしてから停めるわ」

 車が隅に二台停まっている。岩場で何か採集しているらしきおやじの姿。防波堤の上から海岸までの段差が結構ある。きよのちゃんが下りた。自分も下りようとするあいちゃんに、「あいちゃんはここは止めとけ。向こうに段差がないところがあるけんそこから海岸に行こう」

 きよのちゃんも、「あいちゃんは捻挫の足が酷くなったらいけんけん猫じいの言う通りにして」


 岩場を海の方に向かって歩く。

 俺は、「この海岸何でこげん黒いんか?」

「分からないよ」ときよのちゃん。

 あいちゃん、「マリアぁ待ってぇ。そんなに早く歩けない。うち捻挫してるんだからぁ」

 俺はあいちゃんに充分に注意を払って後ろから付いて行く。この前義足屋に行って調整した成果か、今日はちゃんと歩ける。こいつらについて行ける。昨日のように痛かったら到底無理だっただろう。こう言わざるえを得なかったかも、「俺は車に乗っとくけんお前ら遊んでこいや」と。


 きよのちゃん、「クラゲがいるぅ」

 あいちゃん、「えっ!どこどこ」と交わす足を早める。俺もちょっとだけ早める。

 俺にクラゲの知識などあるわけないのに、「おっこれは間違いなく毒クラゲや。あいちゃん触るとヤバいぞ」と、いい加減なアドバイス。

 きよのちゃん、「うち魚捕まえたいんやけど…、いな~い」

 岩礁歩きが終わったら砂浜歩きだ。だいぶ歩いて車が遠くに見える。

 きよのちゃん、「うわ〜、もうこんなに歩いたよ」

 俺なりに、『この足でよう歩けたものやな。でもこいつらほんとにかわいい』

 門司少年自然の家が正面に見える。孫だろう、子供を連れた婆さんが砂浜をこっちに向かって歩いて来る。今日は日曜日、海辺には自然と人が集まる。俺はウインドブレーカー兼用の黒い厚い上着を着ているが、暑い。左ポケットにスマホ、右ポケットに車のキーを入れている。きよのちゃん、ここで何か拾ったようだ。

 砂浜が終わったら再び岩場だ。ここでも数組、何か採集している。

 俺は、「きよのちゃんまだ行くんか?」

「行くよぉ」と元気に答えるきよのちゃん。

 あいちゃん、「うち足捻挫してるぅ。戻るときはもう岩場は通らないよねマリア」

 岩場と砂浜の境目、クラゲがたくさんへばり付いている、「おうクラゲの子供クラ子やな」と俺。

 きよのちゃん、「もう猫じい、小さかったら何でも子を付ければいいと思ってるんやから」

 住宅街の猫に「子」を付けたのは、「くろ子」と「いも子」。


 車まで戻るときは、あいちゃんの希望通りというか、俺も望んだが、海岸と道路の境目の歩き易いところを通った。海岸から道路に上がり易いように誰かが大きな丸太を掛けている。

「あいちゃんここなら捻挫しとる足でも軽く上がれるぞ」

 あいちゃん、「猫じいナイスぅ!」

 三人、道路と海岸の境の堤防に腰掛ける。

 俺は、「あいちゃん靴抜いで」と、ぱたぱたと叩いて砂を落としてやる。

 きよのちゃん、「うち凄い貝殻見つけたよ」と砂と泥にまみれた三枚の貝殻。

 あいちゃん、「マリア汚れてるよ。洗って来たら?」

「うんそうする」

 きよのちゃん、「猫じいのタオル貸して」って、俺がいつも首に掛けているタオルを要求する。

「じじい臭いっぱいなんにええんか?」

 軽く、「いいよ」と受けとって海辺に向かう。

 あいちゃん、「マリア〜、猫じいのじじい臭で窒息しないように気を付けてね」って、『あいちゃん酷ぇなぁ』

 でも、俺は今、猛烈に感動している(漫画巨人の星飛雄馬のセリフ)。小学校六年生のかわいい女の子が臭くて汚いじじいの首に掛けっ放しのタオルを全く気にせず使うとは。


 きよのちゃん、「猫じいはい」と渡してくれたのは、丸い平べったい貝殻?クラゲの背中にあるような、五枚の花弁のような模様が入っている。俺は、「これほんとに自然が作り出したもんなんかのぉ」と訝る。

「五年生で来たとき確か先生がこれ自然の物だって教えてくれたよ」

「でもよくちょうど三枚あったな」と俺。

「うん。うちとマリア(あいちゃんのこと)と猫じい仲良し」と、屈託なく笑うきよのちゃん。

 車までの移動中、「お前ら手ぇ出せや」と二人で300円小遣いとして渡した。

 あいちゃん、「猫じいありがとう」

「一人150円で何か買えるか?」

 あいちゃん、「ちゃんと買えるよ。これ猫じいの今の全財産?

「ちゃうわ」と200円を見せた。


 帰り、新門司工場地帯の駐車場がデカいセブンイレブンに止まった、「俺トイレ行って来る。お前らは?」

 あいちゃん、「まだしたくないよ」 戻ってきた俺、こいつらに受けるかなと、「トイレに張り紙してあったわ。壁におしっこ描けないで下さいって」

 無反応!くそっ、こいつらじじいの戯言扱いか。行き道、帰り道、二人ずっとあいちゃんのアイパットミニの面白動画に興じて俺は除け者、ただの運転手。まぁいいか、こいつらかわいいし。

 あいちゃんが言っていた公園に車を停めた。俺は降りずに、「お前ら行って遊んで来い」

 あいちゃん、「うんありがとう猫じい」

 戻って来た二人、きよのちゃんが、「うちも足挫いたみたい」

 俺は、「大丈夫か?」と、足のマッサージでもしてやろうかと思ったが止めた。不要なボディタッチは誤解を招く。


 こいつらの御用達、トライアルに入った。俺がやった二人で300円を食べ物に変えるために。

 戻ってきたあいちゃんに、「買えたか?」

「うん大丈夫だよ」

「でも猫じい、うちらがブスだったらここまでしてくれないよね」と訊かれても、返答に窮する。

「かなえちゃんのことか?」

「ぶすえもん!」

 あいちゃんがかなえちゃんにつけたニックネームは、ぶすえもん。でもかなえちゃん、ちっちゃくてめっちゃかわいい。ブスとかは俺に言わせれば謙遜だ。本人も時折ブスを意識した発言なんかしているが。でも少なくとも、あいちゃんときよのちゃんは自分がかわいいこと十分に意識している。事実だが。とにかく、三人ともかわいい。


 住宅街に帰って来た。都合3時間くらいドライブして遊んだか。

「この時間やったらステ、腹空かして寄って来るんやないか?」

 と、予想した通りだった。二人、ステにエサをやりながら愛でる。あいちゃんがステファニーにエサをやりながら撫でていたとき、ぷっとおならの音。それに驚いてステファニーが逃げてしまった。

 あいちゃん、「マリアぁ、もういつでもどこでも屁をこくのは止めて。ステが逃げてってしまったよぉ」

「仕方ないよう。うちの生理現象なんやから」ときよのちゃん。これ、男の子が居たら絶対しないんだろうなと俺は笑いを噛み殺す。

 俺が思うに、きよのちゃんのかわいさはアイドル並みだ。同学年の男の子、きよのちゃんのこんな生態、絶対に知らないだろうな。もしかして、知っているのは俺とあいちゃん、かなえちゃんの三人だけか。


 ステが飽きてどこかに行ったあとは、二人後部座席でアイパットミニに興じ出した。

 俺がだんごロスのきよのちゃんに、「だんごの動画見るか」と俺のスマホを向けた。

 あいちゃん、「猫じいそれユーチューブだよね」と意味深な言い方。

 動画を切ったとき、狙っていたのか、あいちゃん、「猫じいのアカウント、チビ??75??」

「う〜ん、番号が読み取れなかった。猫じいねぇ教えて」

「お前らが中学になったらな」と誤魔化す。

 うっヤバかった。実を言うと俺の動画にはアメブロのリンクを貼っている。見られたらアメブロまで行ってしまう。今書いている、「あいちゃんかなえちゃんきよのちゃん」を本人たちに見られるのはやはりまずい。主観的に書いているから。

 あいちゃん、「いいもん。必殺、検索!」

「ヒットぉ!猫じいのアカウント特定!チビ◯◯75◯◯でしたぁ。あいちゃん天才!」

『うわっちゃ〜、やられたぁ!』

「嫁の下手なビアノ、ありんこの底力、猫じいのタイトル面白い」

「じゃぁ猫じいチャンネル登録したげる。ぽちっとな」

 きよのちゃん、「マリア(あいちゃんのこと)、あとで猫じいのアカウント、ラインで送ってね。家族で見るぅ。知り合いにもどんどん宣伝してあげるよ」

『俺としたらありがた迷惑なんやが。それよりアメブロのリンク即行で消してしまわねばならない』

 二人がアイパットミニの他の動画に興じているうちに1/3ほど消したが、あとは二人が帰ったあとで大至急、消してしまおう。

 車に戻って来た俺に、「猫じいの『住宅街の猫たちの恋の季節』って面白い」

 きよのちゃん、「だんごかわいい。戻って来てくれないかな」


 門限前、「お前ら今日は充実した1日やったな」

 二人、嬉々として、「うん。猫じいのお陰」

「じゃぁまたねぇ」と住宅街の路地に消えて行く二人。願うは明日は仲良く三人揃って来てくれや。

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