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2022年3月5日

 スシローで回転寿司を食って帰って来て、ランサーエボリューションとハスラーの汚れを拭きとってやったが、11時頃、後ろから、「わっ!」と俺を驚かす声。ジャージの下といつもの上着を着たきよのちゃんだった、「猫じいびっくりしないから面白くな~い」

 わざとらしく、「あ~、びっくりしたぁ」と俺。

 きよのちゃん口を尖らせて、「もう遅い」

「きよのちゃん豪く早いやねぇか」

「うん。どうしてもだんごに会いたくて。早く来れば会えるかなって思って」

「ほうか、ばって昨日から俺もだんご見てないんや」


 きよのちゃん、住宅街をだんごを捜しに行く。

「居ない。誰(猫のこと)も居ない。ステも居ない」とがっかりのきよのちゃんに、「さすがに時間が早過ぎるんやねぇか」

「お前ら昨日は仲良く帰ったか?」

「うん」

「かなえちゃんに自転車返したか?」

「坂のところで返した」

「今日はかなえちゃんは?」

「かなえちゃんは土日は無理だよ」

「えっ、この前土曜日に来とったぞ」

「たまたまやろ」ときよのちゃん。

「あいちゃんとはラインで連絡取ったか?」

「とってないよ。11時やからまだ寝てるかも」

「違いねぇ」と俺。


 昨日義足屋に行って痛い義足のソケットに手を加えて貰ったが、効果が表れない。体重を支えると痛いのであまり動きたくない。きよのちゃん、手持ち無沙汰に、昨日作った猫缶の生餌とカリカリ餌を混ぜた特製餌、再び練っている。

「お昼ご飯食べたか?」

「食べてない。猫じいラムーに連れてって」とお願いされて、二つ返事で、「ええよ」

 俺、前に、女の子一人だったら車に乗せないとか能書き垂れていたが、慣れてしまった。それに乗せるときは後部座席だ。フィルムで後部座席は見えない。事故にだけは最大限の注意だ。

「ばってよぉお前ら、かなえちゃんと二人でいるときはめっちゃ仲良いのに三人になると途端に仲が悪うなるな」

「だってぇ、三人やったらマリア(あいちゃんのこと)とうちで固まるからかなえちゃんが邪魔になるぅ」と笑う。

 俺は、「そういうもんかのぉ?」


 ラムーでは交差点近く、駐車場入口の一番端に止まった。

「到着。なら行って来いや」

「猫じいありがとう」

 帰って来たきよのちゃん、弁当を手に持っている。

「それこの前あいちゃんが買った海苔明太弁当やん」

「美味しそうやったから食べてみたかった」

「猫じい、唐揚げいるぅ?」

 今日は朝の体重が66・8あったにも関わらずスシローで回転寿司を食った。体重が気になるところだが、きよのちゃんの好意、断る訳にほいかない。

「おう貰うわ」

「箸ないけど」

 俺は他の唐揚げに手が当たらないよう注意して1個取った。


 住宅街を上がりながら、きよのちゃん、「猫じいは毎朝コーヒー飲むの?」

「ああ飲むぜ。俺と嫁は朝7時に起きてファミマに行って朝のコーヒーブレイクじゃ」

「朝7時って早い!」ときよのちゃん。

「俺ら夫婦、一日に二食しか食わねぇけん昼飯は10時前後なんじゃ。ファミマには8時半頃まで居る。今日はほんと久し振りにスシローで寿司食ったわ。貧乏やけん二人で二千円以内に収めるんやけど、あいちゃんに言うたらケチ臭いって笑われたわ。あいちゃんが言うには家族とお父さんの親友で行って3万払ったげな。お父さん底なしの食欲のごたるな。そいでちょっと太っとるとか言よった」

 きよのちゃん、「うち、あいちゃんの家族とあいちゃんのお父さんの親友でびっくりドンキーに行ったんだよ。うちちゃんとお金払うつもりだったけど奢ってくれたよ。あいちゃんのお父さん背が高くてイケメンだよ。あいちゃん、お父さん大好きっ子」

「そうやな、あいちゃん自分で言よったわ。うちはファザコンやって」

「お母さんよりお父さんが好きなんやない」ときよのちゃん。

「俺、きよのちゃんに聞きたかったんやけど、女の子って年頃になったらお父さんの下着と一緒に洗濯されるん嫌なもんなんか?」

「えっ、そんなことないよ。うちパピー大好きだもん」

「そうか、単なる都市伝説やったんやな」

「猫じい、子供、1人目が女の子だったらどうした?」って訊かれても答えようがないな、『男の子ができるまで挑戦するとか言うときよのちゃん、気分悪くするやろうからな』

「まぁ1人出来れば満足したんやねぇか。俺の死んだお袋、男の子が続けて二人出来たけんどうしても女の子が欲しいで挑戦したら、三人目も男の子でがっかりしとったわ。四人目はさすがに諦めた。ばって俺の母方の伯父はどうしても男の子が欲しくて四人目に挑戦したが女の子やったわ」

 きよのちゃん、「男三人兄弟ってさすがに辛いよね」

「ああ。今は断絶状態じゃ」と俺。


 家に帰った俺ときよのちゃん、車に乗ったり降りたりしながらだんごとステファニーを探す。

「ステぇ、ステぇ」

 隣のジジイとの境界、俺の家の東側の庭に入ろうとしたとき、きよのちゃんが、「ステ居たぁ」

 と見ると、空き家の玄関前に。でもステファニー、俺らを完璧に無視。どこかへ行ってしまった。

 きよのちゃん、「うちこの空き家のうしろの家が怪しいって思うんよね。もしかしてだんご監禁されてるかも。それかどこかの家の飼い猫になってたりして」

「だんごば監禁したり飼い猫にするんは難しいやろ。立派な野良猫やし子猫のときならともかくもう成猫やからな」

 きよのちゃん、「でもババア(俺の家の斜め前の家の住人。かわいいきよのちゃんがほんとにババアって言ったのかな?ちょっと疑問?もしかして俺の記憶違いかも)だったら黙って家に入って来るんやから飼い猫に出来るよね」

「いや無理やろ。家の中に入っただんご抱えて出しとるばってん抱え方はきよのちゃんと同じや。飼い猫のような抱き方は出来とらん。だんご俺の家にも何度か入ったばってんドア閉めたら出せって暴れたぞ」

「もう、それにステもうちらによそよそしいし」

「この時間やったらまだ腹減ってないとかとしれんな」

「もう誰も(猫)居らんし」ときよのちゃん、車の中に。


 暫し、俺が相手をしてやる。

「ねぇ猫じい、ロシアとウクライナの戦争って日本にも影響あるの?」と時事問題を訊いてきた。ここは分かりやすく噛み砕いて説明してやらねばなるまい。

「うん大きな影響あるぞ。今回のロシアの戦争は完全な侵略戦争や。強力な武器で有無も言わさず隣の国を攻撃しだした。そいで他の国は戦争を止めろでないと経済的に痛い目にあわせるぞとは言うとるが、口だけで実力行使が出来んっていうかしないんや。何でって下手にちょっかい出そうとしたら核兵器使うぞって脅されて手も足も出ん。黙って罪のない人が殺されるのを指を銜えて見とることしかできんのじゃ。ロシアは北海道と近いやろ、ウクライナの方を持って日本生意気やって北方領土からミサイル打ち込まれて安保条約結んどるアメリカに助けば求めようとしたとして、下手に掛かってきたらアメリカ本土に核兵器打ち込んだるぞって脅されたら、果たして動いてくれるやろうかってこと。ウクライナも助けてやるって数十年前約束しとったんに、ロシアに核兵器使うって脅されたら見捨てたけんな」

 きよのちゃん、「えっ、それって真面怖い!」

「そうやな、俺らジシイは残り僅かな命やけどあいちゃんやきよのちゃんかなえちゃんにはまだ人生がたっぷり残っとる」

 小学校六年生の女の子にも心配掛ける糞ロシアのウクライナ侵攻、プーチン、完全に狂っている。願わくば、彼女たちが生涯を全うする間、世界は平和であって欲しいのもだ。


 きよのちゃんが、「猫じい、今まで付き合った人は何人?」

「嫁の他には1人やな」

「うちのお姉ちゃんは二人だよ」

「真ん中のお姉ちゃん、上のお姉ちゃん?」

「上のお姉ちゃん。中学二年から三年まで付き合って別れた彼氏と高校三年で付き合い始めた今の彼氏」

「18歳で二人たぁ羨ましいな。あっとお姉ちゃんが受けた広島大学の合格発表日は確か8日やったよな。受かったら遠距離か?」


 と、きよのちゃん、「あいちゃんだぁ!」

 あいちゃん、日豊線に沿った住宅街の路地から姿を現した。今日は杖代わりの傘は使っていない。びっこをひきながらやって来た。車に乗ってきたあいちゃん、「ねぇ猫じい、ラムーに連れてってぇ。お弁当買う」

「えっ、ラムーさっき行ったばっかりだよ」ときよのちゃん。

 俺は、「分かった。他ならぬあいちゃんの頼みや。断れねぇよ」

「ありがとう猫じい。じゃぁ家に行ってお金取って来る」


 あいちゃん、今日はこの前と違う唐揚げ弁当を買ったようだ。焼き鳥も買って来ている。豪勢だな。

 あいちゃんのお気に入りのステファニー、愛想が悪い。きよのちゃん、「強風のせい?」

 車の中でお昼ごはんを食べたあいちゃん、「あるあるCityにコロナワクチン打ちに行かんといけんけん4時前には帰るぅ」

 今日の俺、頭が重い。頻りに首を回す、『こりゃセデス飲んで暫く寝らんと治らんかもしれんな』

 俺、あいちゃんにもきよのちゃんと同じ質問をしてみた、「あいちゃんかなえちゃんと二人で居るときは仲良いのにきよのちゃんが入って三人になると仲が悪くなるよね」

「だってぇ、マリア(きよのちゃんのこと)と二人の方が楽しいんだもん」とあいちゃん。


 きよのちゃん、「かなえちゃん、昨日もカイカイしたよ。猫じいこれ真面ほんとやから。片手で自転車押してたけどもう一方の手で掻いたのかかりって音がしたもん。かなえちゃんしらばっくれたけどあいちゃんこれほんとよ」

 あいちゃん、「かなえちゃんには女の子なんだから止めるように今度うちが強く言うよ」

 きよのちゃん、「かなえにゃん髪型とかうちらの真似よくするんだよね。うちらがツインテールにたときも。真似しないでって言ったのに別に真似じゃないもんとか暫く止めなかったもんね。うちらがポニーテールに変えてやっと止めたよね」

「ポニーテールはかわいいよな。俺が大学のときめっちゃ流行ったわ」

 あいちゃん、「猫じい時間やしもう帰るね」

「おうまたな」

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