099 中級ダンジョン40階層 ボス部屋1
ジローはリュージ不在のまま、40階層のボス部屋の前に立っていた。
リュージとは今朝あったが、
「今日も任す」
と短く言われただけで、ジローは震えがくるぐらい、リュージに任されたことに嬉しさを感じた。
ボス部屋さえもリュージに任されたとなると、相当な信頼をリュージから得たと言えるだろう、とジローは勝手に思っていた。
当のリュージはジローなら大丈夫だろう。ゴローやシズカ、ミカもいる。そんな風に思っているようだった。
そして今回はリュージが出ない分、チームRのメンバーが浮いてしまうので、ボス攻略は総勢120名からのレイド戦になった。
40階層のボスは巨大なゴーレムだった。
さながら大きな要塞のようゴーレムだった。
鑑定 大
・巨大ゴーレム 要塞型
:巨大なゴーレム、要塞なのでいろんなタイプのゴーレムが搭載されている。全て倒さないと機能を停止しない。
「このゴーレムは要塞型よ。中にゴーレムがいるらしいわ。全部倒さないとクリアとならないみたい。」
鑑定をしたモコート、トコートが二人して全員に伝えた。
伝えた途端に、
ゴッゴッゴッッーゴッゴォーーーーーーーーーーーーーーーー!!
という音とともに要塞の入り口が上部と左右の3箇所開いて、中からゴーレムが出てきた。
上部からは飛行タイプのゴーレム、左右からは陸戦タイプのゴーレムがドッドッドッドっと出てくる。
数にすると実に100オーバーである。
「ゴーレム各種出てきた。各個撃破ー!!」
ジローの号令とともに全員が散開して各自のペアとともにゴーレムを倒しにかかる。
明らかに普通のダンジョンで出てくる敵ではない。
ボスだから全員のレベルと人数による調整補正がかかってしまっているので、強い敵になってしまっているようだ。
飛行タイプのゴーレムは空中戦もできる獣人族の精鋭が相手になった。
獣人族の精鋭10めいはドラゴンの骨から切り出したと言われるソード1本を持ち、風魔法で空中に飛び上がり、飛行タイプのゴーレムに斬りかかった。
獣人族の精鋭が最初に空中戦を挑んだのは訳があった。
それは経験からくることであった。
人間の目は2つとも真正面を見た場合、目玉を移動させて、どんなに頑張っても270度ぐらいの角度しか見ることはできないらしい。
普通に正面を見た場合は140度くらいだ。
つまり普通に地上にいても視覚の死角はかなり多いと言えるだろう。
しかも走りながらとか戦いながらなら尚更、死角は多くなる。
更に左右だけでなく、上下となると慣れたベテラン戦士でもかなりのストレスを負うこととなる。
自分たちの経験上、ストレスがたまると隙もできてゲガや死につながるとわかっていたからである。
獣人族の精鋭の代表 ガブリエルは最初に飛行タイプのゴーレムが出てきた瞬間に、他のライアンら9名と目配せして、すぐに空中に飛んだのであった。
飛行タイプのゴーレムは幸い、空中から尖った槍のような落下物を落とす空爆タイプだったため、動きは早くなかった。
獣人族の精鋭は空爆されると被害が出るかもしれないということで、空爆前に倒そうと超高速飛行で飛行タイプのゴーレムに迫ったのであった。
10名の精鋭はあっという間に切り結び、飛行タイプのゴーレム30体を倒しきった。
おかげで地上にはほとんど被害はなかった。
ガブリエルたちは風魔法を使って急激に動いたため、必要以上に魔力を使ってしまった。
おかげで、飛行タイプゴーレムは殲滅できたが、しばらくは活動に制限が起きるぐらい疲弊していまった。
地上に降りて、しばらくは後方で剣を振るうことになった。
左右から出てきたゴーレムはスケルトンを少し大柄にした戦士タイプのゴーレムとカバのような4本足の獣タイプのゴーレムだった。
戦士タイプはソードと盾を持っており、レベルは90と中々に高い。
戦士タイプにありがちなバッシュという強撃を与えるスキルとワンハンドクィッケンという、片手剣で素早く連続して振り下ろすことができるスキルを駆使して攻撃してきた。レベルが高くスキルも強力なため、中々倒すことができない。
ジローはストーンアームズがあるため、攻撃を受けつつ倒しているので一応倒せている。
しかしながら、獣人族や鬼人族は中々そうはいかない。
リュージの直下の鬼人族4名、ルイーズ、カミーユ、エマ、イリスはリュージのエアープロテクションの施されたアンダーウェアーを着込んでいる上に軽鎧をつけているので、かなりこっちも強固だ。
戦士タイプのゴーレムは剣もさることながら盾の使い方も上手い。
バランスのとれたいい戦士たちだ。
獣人族や鬼人族も動きとしては負けていない。
何が違うかと思えば、やはりスキル攻撃による恐怖で今一歩踏み切れていない。
そこが違うのだ。
ジローは一旦、前線から後退した。
そして何を思ったのか、土魔法であるものを作ろうと準備しだした。
「ストーンクリエイト!!」
ジローの声はそこから約100回、続くのであった。
戦闘の描写が一番楽しい♪




