100 中級ダンジョン40階層 ボス部屋2
ジローが作り出したのは、ファインセラミック製の兜だった。
シンプルなデザインで一応蛇腹式で顎が閉まるようになっている。
例えるなら戦国武将の兜とボクサーの付けるヘッドギアが合わさったような感じだ。
少々頭に強いのが入っても首筋を切られてもへっちゃらなデザインである。
ここまですると通常は重いのだが、魔鉄製のものよりも断然軽い。物理攻撃に対しては完璧に頭部は防げると言っていいだろう。
ジローはゴローに目配せして、全員に伝えたいことを伝達してもらう準備をする。
「ここにきて、装備を受け取って!!」
シンプルだが、的確に伝わった。
前線を維持しながら、ジローが作った装備を受け取っていく。
受け取ったものは、前線にいるものと交代してその交代したものも装備を受け取る。
その繰り返しでほぼ全員に装備が配られた。
配られた装備はジローが結構前から温めていた装備で自分で勝手に[武者ギア]と呼んでいた。
「その[武者ギア]はファインセラミック製、絶対に割れない。野郎ども、女郎ども、恐れずぶっとばせーーーーーーー!!!!」
絶対に割れないのはブラフだが、実際にはほとんどの物理攻撃に耐えられる構造をしている。
バッシュであろうとワンハンドクィッケンであろうと余裕である。
実際にジローの戦いを見ていたものたちはジローの言ったことが嘘ではないことを知っていたので、思い切った戦いができるようになっていた。
万一、怪我をしても、今回はミカもいる。
ミカは聖魔法の適正があり、死んでも死にたてなら、生き返らせれるといったチートレベルのスキルを持っている。
ジローの発奮もあり、獣人族と鬼人族は奮起した。
獅子奮迅の戦いと言えるだろう。
常にバディーというペアで戦うことを意識してからはそのバディーとの信頼関係も生まれ、一人で戦うより二人で戦う方がはるかに効率が出ている。
また、一方で、シズカと鬼人族のルイーズ、カミーユ、エマ、イリス、ミカはまた違った戦い方をしていた。
彼女たちは一人一人レベルが高く、脅威的なスキルもあったので、グループで戦っていた。
彼女たちが相手をしていたのは、スケルトンのような戦士タイプではなく、カバのような4本足の獣タイプのゴーレムだった。
率先して彼女たちはこのゴーレムを相手にすることを選んだ。
何故ならば、このタイプの脅威をよく知っていたからだ。
カバのようなというところが問題で、ガバはその体躯と能力において元の世界では最強と言われている。
水陸両方活動でき、アゴも大きく丈夫、走ることもできる。
水中でもボートに追いついて襲うぐらい泳げて、実際に襲ってくることもある。
ワニは噛んだら、いきなりローリングには入らずひと噛みしたら必ずもう一度口を開けるのでその時に逃げられるらしい。
カバの場合は草食なので、噛んだら横にすり潰され、一瞬で潰されるらしい。
このカバのようなゴーレムが同じとは限らないが、似たような性能と考えたらやはり脅威である。
この世界でも[ワイルド ボア]というイノシシに似た獣がいるが、大きな体格を利用した突進で相手を倒す非常に好戦的な獣である。
狙われたら相手を倒すまでやめない。
鬼人族のルイーズ、カミーユ、エマ、イリスは20体あまりのカバのようなゴーレムに対して2人がオトリになり、もう二人が足を狙って機動力を落とすという戦法に出た。
倒すのではなく、時間稼ぎだ。
そこを風移動で飛んできたゴローが風切でトドメをさす。
風切はカマイタチのように鋭く視認できないため、脅威だ。
シズカとミカは少し違っていた。
シズカがグラビティの魔法で動きを止めて、闇剣でスパンっと首を落としていた。
闇剣は生物の命を絶つという意味では最適で切られたら間違いなく命を落とす。
ミカはシズカの魔力補給である。
グラビティは魔力消費が激しいので、ミカはエアーフライングバイクにまたがったままで、シズカを支援する。
しばらくすると、戦士タイプのゴーレムも獣タイプのゴーレムも数が減ってきた。
「だいぶ、減ってきたね。もうすぐかな?」
ミカがそう言ってフラグを立ててしまった。
ゴーレムはほぼ壊滅か?と思うぐらいになって、補充された。
そう、ゴーレム 要塞型からまた新たに100体あまりのゴーレムが追加されたのだった。
飛行型ゴーレム、戦士型ゴーレム、獣型ゴーレムがそれぞれ再召喚された。
それを見たあと、ひと組はすぐに対応できそうだったが、それ以外は対応できなさそうだった。
相当なショックである。
それでもやはり、倒さないといけないため、踏ん張って倒しまくる。
そして3回目のおかわりが出てくることになった際に、これは永遠に続けることになりさうだ。
ジローは
「要塞内部に精鋭で突っ込む。」
と叫び、周りはそれに対して呼応した。




