098 ーー魔族 会議場ーー
「エンシェントフォーの族長屋敷にゲートを開ける。準備のできたものから、取り敢えず行ってみてくれ。」
リュージはエンシェントフォーの民に訴えかけた。
それまで二の足を踏んでいたエンシェントフォーの民たちは、今見た光景でこれは運命とでも思ったのか、全く躊躇なく移動し出したのであった。
「リュージ様、ありがとうございます。私の演説ではここまでのスムーズさはなかったと思います。さすがはリュージ様、精霊神様をもお味方につけていらっしゃるとは、驚きました。」
エンシェントフォーの族長、フィッチェンがリュージにそう語りかけできた。
「味方っていうかダチになっただけだ。とんだ大根でこっちは焦ったけどな。まぁ、ボロが出ないうちに帰ったからまだよかった。」
リュージがそんな風に話していたら、今度はエンシェントファイブの族長から要請があった。
今度は間違いなく、応接室にリュージは飛んだのだった。
ーー魔族 会議場ーー
「魔王 アルラゴン様、エンシェント大陸への侵攻に関して、重大な支障が出ました。」
「報告せよ、カシースン。何が起こったというのだ。」
「はい、潜入させておいた魔族部隊のかなりの数が、エルフの警戒網にかかってございます。」
「エルフは既に虫の息とカシースン、言ったのはお前だぞ。どうしてこの短期間に真逆のことが起こるのだ?」
「はい、潜入させた隠密部隊の報告によりますと、リュージと名乗る異国から来たエルフが世界樹とのパスを復活させたとのことです。どうやってかわかりませぬが、エルフの土地は復活しつつあるそうです。」
「なに、エルフはエンシェント大陸以外にもいるのか?異国といったのだな。確かか?」
「はい、確かにございます。はっきりと隠密部隊の隊長が聞いております。さらに精霊神が降臨して、今後もパスを頼むといったらしいです。」
「なっ、なっ、なにぃーー、精霊神だとぉーーー!!存在していたのか。実在するものとは思わなかった。精霊神が降臨してパスを頼むといったのなら、これは少しやばいかもしれないな。魔大陸には既に何千という精霊石がある。これがなんらかの影響を与える前に始末する必要がある。うーむ、どうしたものか…。」
「魔王様がおっしゃる通りです。精霊石がどのように世界樹とつながっているか我々にはわかりません。もし、精霊神が言うようにパスが通っていて、精霊石の側に精霊神が顕現するなど考えたくもない。精霊神が怖いわけではないが、一応神というのだ。摩訶不思議な力を持っていても、こちらはわかりようがないからな。」
「では、精霊石を持っていても、我々としてはどうしようもないということなら、どこかに捨ててくるというのは如何でしょうか?」
「うむ、なら精霊石の処分はカシースン、そちに任す。」
「承知致しましてございます。」
「さて、各々方、カシースンからの報告だが、どうする?エルフの郷への侵攻は我が悲願でもある。しかし、エルフはエンシェント大陸において、なかなかに強い。 世界樹の庇護もあるから、補正がかかるからだ。精霊石による弱体化作戦はどうやら水泡に帰した。」
「うちのところは既に侵攻している。もう、やっちうよ。エルフは蹂躙して殺す。」
「俺んとこも既にリーチだ。わざわざ弱体化作戦とかシチメンドクセーーー!!要は前にたちふさがったらぶっ倒せば何も問題ねーー。俺たちゃ魔族だぜ。エルフなんざめじゃねーよ。」
「吾輩のところももう止まりませぬ。精霊神といえど今まで進行しても何もありませなんだ。今回進行してもさして問題ありますまい。」
「ふっふっふっ、頼もしき部下たちじゃ。止まらないというなら無理には止めぬ。存分にやってこい! ジュラーンス、ヒドゥン、アケランザス、そなたら3名の部隊をエンシェント大陸侵攻部隊とする。他のものも協力するように。他の部隊も進行中と思うが、続いて各地を制圧するのじゃ。良いな。」
「ヤー、魔王 アルラゴン様ー!!」
「ヤー、魔王 アルラゴン様ー!!」
「ヤー、魔王 アルラゴン様ー!!」
「ヤー、魔王 アルラゴン様ー!!」
「ヤー、魔王 アルラゴン様ー!!」
「ヤー、魔王 アルラゴン様ー!!」
「ヤー、魔王 アルラゴン様ー!!」
「ヤー、魔王 アルラゴン様ー!!」
「ヤー、魔王 アルラゴン様ー!!」
「ヤー、魔王 アルラゴン様ー!!」
「ヤー、魔王 アルラゴン様ー!!」
「ヤー、魔王 アルラゴン様ー!!」
「ヤー、魔王 アルラゴン様ー!!」
「ヤー、魔王 アルラゴン様ー!!」
「ヤー、魔王 アルラゴン様ー!!」
16名いた魔族の長たちは魔王 アルラゴンを一斉に讃えた。
次回からしばらくダンジョンです。




