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089 中級ダンジョン探索38階層

本来の38階層探索はリュージの番だが、リュージが戻ってこれないと連絡を受けたので、ジローのいるチームが担当することとなった。

37階層から38階層へは階段を下りるのだが、その階段もかなり大きかったため、バイクに乗ったままで降りることができた。


「このエアーフライングバイクにもだいぶ慣れましたな。細かくエアーが出てくるのも速度が遅い時は便利ですのぉ。」


ライアンはジローのすぐ側によってきて、ジローにそう語った。


「階段だと普通はタイヤではとても登り降りはできない。浮いているからこそできる芸当だな。」


「確かに。まぁ、ワシらは風魔法で浮きながら行くことは可能だが、魔法は魔力切れがあるから気をつけないかん。だがしかし、この魔道具というかエアーフライングバイクは相当効率がいいのかのう。これだけ走り続けても大丈夫とはな。」


「ゴーレムタイプだと言うのが大きいかな。魔核がコントロールして各部の駆動を制御しているから。ただまぁ、魔石は確実に消費するから、補給は必要っす。タンクにいくつかは入れてあるので、どのくらいで補充するのかは検証が必要っす。」


「普通は中級魔石など貴重であるから、タンクに満タンとかいった使い方はしないと思うがね。歩いて体力を消費するとかモンスターと余計な遭遇をしてダメージを負うとかがないのはありがたいがね。」


「リュージさんに言えばいくらでも出てくるから、ありがたみがだんだんと無くなってきます。」


「あの方のイベントリはどーなっちょるのだろうの。大恩あるリュージ様のことだから、並外れた魔力をお持ちなのは間違いないのだろうが、いろんなものがポンポン出てきすぎじゃ。」


「自分もリュージさんのことはよくわかってないです。でもリュージさんだからです。悪いことにはならないでしょう。」


「そないか…。」


ライアンはひとしきり話すと前衛へ戻っていった。

ライアンが前衛に戻っていったのはわけがあった。

戻るや否や、前衛の方で戦いが始まった。

トコートは素早く前に向かってエアーフライングバイクを加速させた。

前衛についたら、早速鑑定した。


・ミラージュコング:ミラージュの魔法を使うことのできるコング。

・ミストパラライズコング:このコングのすきるである霧に包まれると痺れて動けなくなる。

・サンダーコング:サンダーの魔法を使うことのできるコング。


『何、この組み合わせ、バラバラなんだけど、どうすればいいのかしら?』

「ミラージュコングとミストパラライズコング、サンダーコングよ。ミラージュの魔法を使うコングと霧の麻痺スキルを使うコング、サンダーの魔法を使うコングよ。」


トコートは普通の声で周りの味方に伝える。

ゴローがその声を風伝達で周りの味方にきちんと伝わるように届ける。


辺りは視界がぼやけてきた。

コングは20匹以上いたはずだが、半分の10匹ぐらいに減っていた。

麻痺耐性は今回はほぼ全員がつけていたので、大丈夫なようだ。

リュージのスキルボールのおかげである。

耐性系のスキルボールは使うスキルボールに比べて慣れは必要ないと言う事で、インストールをしたらしい。


視界が悪い中、無作為にサンダーの魔法があちこちに飛び交う。

今のところ、被害は怪我ぐらいのようだが、続くと大ダメージをくらう可能性がある。

だんだんと視界が本当に悪くなってきた。

この霧が麻痺を受けるものなら、被害は尋常じゃないぐらいになっていたはずだ。

視界の悪い中で、サンダーの魔法があちこちに無作為に落ちるとなると避けようがない。


「オプション装備の[不思議なうちわ]を使えーーー!」


ジローが言ったすぐにあちこちから突風が吹いた。


ブォーーー!!!

バフンブォーンーーーー!!

ゴォァァォァォォーーーーーーーーーーー!!

ブンブンブンブンーーーー!!


中にはエアーフライングバイクのアクセルとブレーキを同時に駆動させているものもいた。

確かにエアーフライングバイクは空気の塊を放射して推進力を得ているから、理屈はわかる。

ブレーキの役割を果たしているのも同じ放射器だから前後に空気を急激に出すことができる。

しかし、前後で動かないようにバランスよく放射するためには右手側のアクセルと左手側のブレーキを調整するセンスが必要だ。


しばらくすると霧が晴れて、辺りが綺麗に見えてきた。

ゴングたちは自分たちのスキルや魔法が効いているとばかり思っていたので

獣人族の前衛と鬼神族が素早く動いて、コングたちを倒して回った。


コングたちのドロップ

・ミラージュの指輪:ミラージュ耐性を持つ指輪。レベル5までのミラージュにはかからない。

・パラライズのスキルボール:麻痺耐性を持つことができる。

・コング肉:コングの肉。良質の猿肉なので栄養価もあり美味しい。


『不要なものも多いが肉は食べてみたいな。』


ジローは密かにそんなふうに思った。

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