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081 中級ダンジョン探索34階層1

34階層はジローのいるチームとチェンジして、リュージのいるチームが探索に入った。

リュージのいるチームはエアーフライングバイクがあるので、移動が早い。

少し前まで、51名いたメンバーに60名の鬼人族が増えて現在では111名まで増えた。

リュージの発案により2組に分けて行動することになったが、1階層ごとに交代で進んでいる。

しかしながら、移動速度は圧倒的にリュージのいるチームが早い。

これは仕方ないとしても、全く別なところでリュージを悩ませていた。

モコートとミカ、がリュージのすぐ側にくっ付いて離れない。

そして、鬼人族のルイーズに至ってはリュージのエアーフライングバイクの後部座席に乗っていた。

シズカはリュージのエアーフライングバイクの後ろでめっちゃ笑っている。

リュージのエアーフライングバイクの前には3名の鬼人族のカミーユ、エマ、イリスが後ろをチラチラと見ながら走っている。


『サイドミラーを付けようかと思ったが、やっぱりやめよう。』


リュージはそう思ったが、今更ではある。

リュージの直近にはこの7名がいるが、鬼人族のカミーユ、エマ、イリス3名の前には30名の鬼人族が先陣を切って走っている。

リュージが鬼人族の乗るエアーフライングバイクをコントロールしているので、今回はかなり先行させている。

また、リュージたちからかなり後方に獣人族が20名付き従って付いてきている。

もちろん、この集団のエアーフライングバイクもリュージがコントロールしているので、リュージの困った状況は見られていないはずだった。

しかし、リュージは知らなかったが、獣人族は総じてだいたい目がいい。

しかも鼻や耳もいいのである。

そもそもの身体能力がヒト族のそれと圧倒的に異なるのである。

そのため、リュージの困った状況は後ろを走る獣人族20名にはほぼ見えていたのである。


「なぁ、ルイーズ、話す時間を作るからといったんだがなぁー。」


「そのことなのですが、リュージ様、聞いて下さいませ。リュージ様は私のことを知らないと仰られました。また、私がリュージ様のことも知らないと仰ってましたね。リュージ様のことは徐々にお話し頂きたいのですが、取り敢えず、私のことを知らないと思うので、やはり少しずつお伝えしていこうかと思うのですが、それにはなかなか時間がかかります。探索も進めたいですし、夜にはしっかり休まなければいけません。また、鬼人族の3名もできればリュージ様に自分たちのことをお話しさせて頂きたいと言っています。しかしながら、その機会はなかなかないもので、今に至っております。」


「今晩にでもきちんと話すではダメなのか?」


「いえ、ダメではありませんが、時間が足りないと言う話です。今まで我々4名はリュージ様と会ってからいろいろな機会を伺っていましたが、リュージ様とダンジョン探索関係以外で話すことがあまりありませんでした。なので、人数が増えて、ダンジョン探索も進み、勝手にモンスターも倒されていくという直近の安全まで確保できるこのタイミングこそ、絶好のチャンスと捉えました。できれば私だけでなく、後の3名ともお話しして頂ければと思っております。貴族とどう揉めたかの話もできれば詳しくお話しさせて頂ければ嬉しいです。」


「仕方ないな。まぁ、両サイドにモコートさんやミカもいるし、乗っている間くらいはおしゃべりしながらでもよいか。」


「お許し頂きありがとうございます。では、まずは私の話からお聞き下さいませ。」


ルイーズはこほんと軽く咳をしてから話し出した。

「私は現在18歳です。故郷の鬼人族の郷を出たのは12歳の時でした。カミーユ、エマ、イリスも同じです。所謂いわゆる出稼ぎといった形です。ヒト族と比べて鬼人族はこの大陸においては少数民族だったので、中々ヒト族の社会に定着できずに点々としていました。

一応、冒険者ギルドに登録してIDとしての役割果たす冒険者ギルドカードは取得できていたので、生活に困った際にはダンジョンで稼ぐなどをしていました。

そんな折に、あるダンジョンで貴族が狩をするので護衛にというクエストを受けました。

貴族はかなりの人数を雇ってダンジョン探索をしていましたが、いかんせん、当人のレベルとスキルを使いこなす力が不足していました。

貴族はありがちな特権を振りかざすタイプの貴族で雇っていた冒険者たちに暴言や無茶な要求を出していました。ある時、あまりに無茶な要求をする貴族に腹を立てた冒険者たちが怒ると、その冒険者たちをその場で解雇をしてしまいました。中級ダンジョン15階層でです。それに同調した冒険者たちもいました。30名はいただろう冒険者たちも私たちを含む9名となり、止むを得ず地上に引き返すごとになりました。貴族は相当怒っておりましたが、流石に命の危険を感じたのか戻るまでは大人しくしていました。そして地上に戻ると、私たち鬼人族に『褒美に妾にしてやる。4名は一生自分の離宮で自分の妾として過ごせ』と言い出したのです。もちろん、丁重にお断りしたのですが、聞き入れてもらえず、それどころか別の街に移動した私たちを、冒険者たちに言いがかりをつけて追わせたのです。あまりにしつこく追ってくるので、諦めさせるために初級ダンジョンなら大丈夫だろうということで、サイムのダンジョンに潜っていたら、リュージ様と会ったのです。そして今に至ると言うわけです。」


「ふむむっ、その貴族はいったいどうしたかったんだろうな。」


「正確には爵位はついでいないので、貴族の子弟ですね。冒険者ギルドのなかでは、素行が悪く、女を攫ってきては暴力を振るったり、奴隷を好き勝手にして死なせたりした最低野郎らしいです。金払いだけは良かったみたいですが、これも裏稼業で稼いだお金とのことみたいでした。なので、私たちは貴族の妾になど最初から興味はありませんでしたが、この噂を聞いた後では尚更、その貴族の妾になるわけにはいきませんでした。」


「酷い貴族だな。やっちまうか?」


「いえ、それには及びません。今はその貴族の雇ったと言われる冒険者も、リュージ様と一緒にいることで、どうやら諦めて引き返したようですし、そういったヒト族の貴族はたくさんいます。でも、今度会ったら容赦はしません。退治します。」


「よっしゃ、じゃけつ持ちは任せろ。俺がキッチリ持ってやる。」


なぜか、ルイーズは頰を赤らめて


「その際は宜しくおねがいします。」


と小声で話して、バイクの後部座席からジャンプして飛び降りた。

ゴーレムが襲ってきたのである。

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