066 獣人の郷、ワールドスリーフォーファイブ誕生!
リュージたちは昨日、23階層の途中の休憩時間に話された獣人の郷に降り立った。
あの後無事25階層までは降りて、そこでタイムアップしたのて、ワールドワンに戻った。
25階層からのスタートではあったが、困っているという獣人の郷の人を優先することにした。
トコートが先んじて獣人の郷に一番近い街へパーソナルゲートを通って行き、そこから夜を徹して獣人の郷にワールドワンの出入り口を届けさせた結果もあってでもある。
「へぇー、ここが獣人の郷かぁー。」
リュージは最初に受けた印象は意外にもメソメソしていないということだった。
寧ろ子供が辺りを走り回っているので、にぎやかな雰囲気だ。
リュージは早速、作業に取り掛かることにした。
まずは大きさだ。
この郷とその周辺だと活動範囲が限られてしまうので、もっとおおきく広いものをイメージする。
この郷にいる獣人だけで、約1万人はいる。
日本で1万人都市といえば、北海道の赤平市が丁度1万人ぐらいだ。
赤平市の土地は130平方キロメートルだから、12キロメートル四方はいる算段か。
決めた。わかりやすいから、今回は50キロメートル四方で作ろう。幸い、土砂はたっぷりあるから、入れながら作ればいい。
リュージはエアーフライングバイクにまたがると、空高く浮き上がった。
土砂以外に、土砂の原因となった山や、川も一緒に取り込もうとイメージを固める。
生き物も入れることもできるため、全部全部納めるつもりだ。
リュージは約一時間半かけて、イメージを固めた。
細部も取り込むため、エアーサーチも駆使して調査した。
取り込む範囲とイメージが固まって、リュージは一気に魔力が失われるのを感じながら、唱えた。
「ディメンションワールド スリー!!」
ディメンションワールドツーはモンスターカードを作った際に、名前を使ってしまったために、使用不可、今回はスリーとなった。
しかも、今回は前回の2回の経験から学んだ、最初から、土地を取り込むといった作業をしたため、入ったら境界が曖昧だとか、そういったことはないと思う。
土砂に埋まった建物は一応、リュージのイベントリに収納して、リフレッシュをかけて、修理した。
家以外のものはどの建物の中にあったのか分からないため、フォルダに入れてはあるが、一旦は放置だ。
リュージは山の中の大きな洞窟にワールドスリーの入り口を設けた。
これは開きっぱなしにした。
入り口が大きければ、取り敢えず、大きななにかを運ぶにしても、大丈夫だろう。
リュージは中に入り、空を眺めて、ワールドスリーの時間軸を外の世界と同期する。
これもまぁまぁ時間がかかった。
山と獣人の郷の残った家は近いので、そんなには不自由は無いだろう。
リュージはワールドスリーの内部に、イベントリに収納して修理した家を出していく。
1万人の半分くらいの家と考えたら、少なく見積もっても1000戸はあるだろう。
リュージは文句も言わず、黙々と出していく。
ジローは獣人の郷に来て、すぐに昇天していまい、リュージに威圧をくらい、強制的にリュージに連行されていた。
ジローの獣人好きにも困ったものだ。
「ジロー、集会所のような大きなホールを頼む。」
「ヘイ、わかりやした。リュージ様。獣人族のための集会所ですね。お任せ下さい。気合い入れて作らさせて頂きます。」
『まぁ、新規の建物はジローに任せておけばいいか。』
リュージは残りの建物を次々と出していく。
全部出した頃にはお昼を過ぎていた。
「早朝から頑張っていたが、もうこんな時間か。お昼にするか。」
リュージたちは獣人の郷でご馳走になった。
獣人族たちは自分たちの郷の土砂が取り除かれて、無くなっていることに驚いていた。
更には本来広がっているはずの土地と山と川もスッポリとなくなり、畑になっていた。
リュージが持っていった土地は殆どが土砂だったのだが、土砂だけでは間に合わなくなったため、山川を取り込み、代わりにジローやほかのパーティーメンバーに話をして、畑にしてもらっていた。
もともと森だったので、作物を育てる土壌はあるのである。
しかも、平野だ。
大型プランテーション農場ができるはずた。
何をつくるのかとかは後でモコートさんやトコートさんにアドバイスをしてもらってね。
リュージたちは獣人族の歓待を受けて非常に気持ちよくなっていた。
「よし、ダンジョンみたいに多層構造にしちゃおうー!」
リュージは獣人族の歓待を受けた際に出されたサル酒をたっぷりと呑んで気持ちが良かった。
今後、天災を気にすることなく、暮らすにはそれが起きない土地というのは大事だ。
リュージはお昼から頑張ってワールドスリーの下にワールドフォー、ワールドファイブの2階層を追加した。
さらに、追加した際に簡単な建物をジローに言って作ってもらい、そこに出入り口を設けていった。
『出入り口に建物ってこないだのダンジョンの階層分けとよく似てるな。
出入り口は大きく開けて開けっ放しにしておいた。
ワールドフォーやファイブは一応、土地は入れてあるが、全域では無いため、今後の課題になるだろう。
獣人族はリュージが思っていた以上に、迫害されていたため、今では人数が少なくなり、土地も辺境に追いやられていたが、リュージのおかげで、安心できる土地が手に入った。
それを知った獣人族たちに、リュージたちは非常に感謝された。
リュージたちは悪目立ちしたく無いので、このディメンションワールドを作ったのは誰だとか知りたい人が出てきても、内緒にしておいてくれと言っておいた。
獣人族の感謝は計り知れないほど大きかったので、守ってくれるだろう。
その後、リュージはジローが作ったホールに誰のものかわからない、土砂に埋まっていたものたちを並べて然るべき管理のもと、持ち主の元に戻るよう頼んでおいた。
リュージたちは獣人に非常に感謝され、郷を後にした。




