063 再会・合流・再び4
翌日、転移組のリュージとジロー、ミカ、シズカ、ゴロー、鬼神族のルイーズ、カミーユ、エマ、イリスは中級ダンジョン21階層に降り立った。
そしてなんと今回は商会のモコート、トコートも参加することになった。
総勢11名となったパーティーは21階層の探索をする。
まずはリュージのエアーサーチで21階層の様子を探る。
ノーマルな荒地と森林タイプの階層のようだ。
「荒地と森林タイプの階層のようだ。広さは120キロメートル四方ぐらいだ。モンスターの生息域は疎らだ。体はそんなに大きくはなさそうだが、そうすると、レベルが高いのかもしれない。最初はルイーズ、カミーユ、エマ、イリスが先頭で頼む。」
リュージはモコートとトコートが不慣れだと思ったので、彼女らには中衛のポジションを取らせる。
「リュージ様、500メートル前方にモンスター来ました。[グレーレッサーフェンリル]が3匹のようです。レベル70とかなり高いです。 キラーバイトのスキルと倍プッシュのスキル持ちです。 魔法は火魔法が一番有効のようです。動きが素早いので、注意が必要です。」
そのように言ったのは鑑定大持ちのモコートだった。
「さすが、鑑定大はすごいな。そこまでの情報が瞬時に出てくるもんなのか。」
「ふふふっ、リュージ様にお褒め頂き嬉しいです。鑑定は極めれば何でも鑑定することができるらしいですが、極め方はよくわかっていません。レベルが上がればわかるようになるのもしれません。ふふふっ。」
「というわけで、[グレーレッサーフェンリル]との遭遇戦だ。キラーバイトと倍プッシュというスキルはわからないが、噛みつきと突進に気をつける、といった感じかな。」
「リュージ様、キラーバイトはかなり強力な噛みつき技で間違いありませんが、倍プッシュはスタミナを犠牲にして、能力を向上させるスキルです。文字通り、能力が2倍近くになり、必殺の一撃をだしますがしばらくするとスタミナ切れを起こし能力が極限まで低下します。諸刃の剣のようなスキルですが、ジャイアントキリングなども期待できるスキルでもあります。」
そんな風にコメントしたのはトコートだった。
「ほほぅ、それはすごいな。名前だけではわからないこともあるのだな。というか、スキル名だけで判断するのは早計か。」
「来たぞ。散開!モコートさんとトコートさんはエアープロテクションをしてあるけど、一応、気をつけてね。 噛み付かれても平気だと思うけど、倒されたりすると衝撃はあるし、噛み付かれたら、噛み付かれた圧があるから痛いかも。」
リュージはエアープロテクションの弱点を伝える。
最近はエアープロテクションの弱点であった頭部を完全に覆えないということを、エアーグリフォンからのドロップの空気なマスクで解消できた。
あとは、足元の靴の裏が覆えないぐらいだ。
靴裏はどうしても踏ん張りがきかないといけないし、丈夫過ぎてもいけない。
リュージたちはハイミノタウルスかろ手に入れて靴に導入した[銀色のスプリング]があり、通常よりも高くジャンプすることができる。
その靴でさえ、側面はリュージのエアープロテクションを付与してあるが、靴裏はノーマルのままだ。
トコートとモコートはジローが是非といったので、頭部にジローが作った帽子だけは被せてある。
全体を覆うヘルメットではなく、ジローが作ったのは薄くて丈夫な骨組のような帽子だった。リュージのエアープロテクションが基本的には頭部も覆っているため、圧があったときに、カバーになればいいといった目的だけの帽子だ。
ベースボールキャップを反対に被った感じの帽子だが、グリッターやファッジのような女性誌に出てきそうな感じのお洒落な帽子だ。
ジローの獣人好きはヤバい。
[グレーレッサーフェンリル]は3匹とも連携しながら襲ってきた。
正面からきた1匹はいきなりキラーバイトを使って噛みつきをしてきた。
ルイーズが右腕を噛まれたようだったが、リュージのプロテクションがあるので、ある程度の圧はあったが、噛み切れてはいない。
ルイーズはキラーバイトをしてきた[グレーレッサーフェンリル]を振りほどき、フェンリルの前足を切った。
「キャンキャーャャャャャーン」
[グレーレッサーフェンリル]は怯んだ。
横からカミーユがフェンリルの首を薙ぐ。
先制してきた1匹目のフェンリルは倒された。
2匹目は中衛のモコートとトコートを狙って横合いから仕掛けてきた。
全く逆サイドからもう1匹も襲ってきた。
中衛の守りはリュージとジローだったので、すぐに対応した。
ジローはストーンスピアで[グレーレッサーフェンリル]を狙った。
1発目は躱されたが、同時に6本も投げていたので、2発目が命中した。
続いて3発目も4発目も命中。
[グレーレッサーフェンリル]は串刺しになった。
3匹目はリュージが相手していた。
しかし、後ろからゴローがきて、
「いただきます。兄貴!」
といって、風切で刻んでしまった。
エゲツない刻まれ方だった。
「うぇ、ゴロー、エゲツないな。」
リュージは苦笑した。
同時に頼もしくも思った。
しばらくすると[グレーレッサーフェンリル]はドロップに変わった。
[グレーレッサーフェンリル]のドロップ
・フェンリルの尾
・フェンリル肉
・中級魔石2
「フェンリル肉は美味しいのかな?」
「美味しいですよ。筋はありますが、煮込むと柔らかくなり、甘辛く味付けすると最高の酒の肴になります。」
トコートさんが解説してくれた。
鑑定持ちは早い。




